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公開日2020/05/18

新型コロナウイルス危機下で、パーソナライゼーションはいかにブランドに人間味をもたせノイズを打破できるか

Aprimo最高マーケティング責任者のEd Breault氏によれば、現在、マーケティング担当者は、彼が呼ぶところの「digital sameness:デジタル同一性」に苦悩している。今、オンライン上では誰もが同様の行動をしているのだ。

 

COVID-19危機によって、ほぼすべてのカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)はデジタルエクスペリエンスへ移行し、ブランドは、オーディエンスのエンゲージメント獲得のために未だかつてないほどの競争を強いられている。こうしたCOVID-19危機がもたらす構造的な変化によるニュー・ノーマル(新常態)は、Aprimo(マーケティング分析に関するアプリケーションを提供する米国企業)の最高マーケティング責任者である Ed Breault氏が定義する「digital sameness:デジタルの同一性」を生み出した。これは、マーケティング担当者が皆一様に、コンテンツを使用してオーディエンスとのつながりを構築しようとしている状況のことである。

 

<参考>

コロナ後に到来する、eコマースの新常識にどのように備えるべきか

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「誰もが同じ行動をとる中で、どのようにしてこうしたノイズを突破するべきか?」とBreault氏はWeb会議Discover MarTechのプレゼンテーション「Humanity Wins」の中で投げかけた。Breault氏のソリューションは、ブランドを人間味のあるものにし、より信ぴょう性の高いエクスペリエンスを創出すること。Aprimoは、人間中心のコンテンツ戦略を提供することを目的としており、パーソナライゼーションがコンテンツ戦略の最重要事項であるとBreault氏は述べている。

マーケティング担当者が、自社のコンテンツが、自社の顧客が誰であるか把握し理解していることを正確に示しているかどうかを自問する必要があると同氏は語る。

また、「コンテンツによるエクスペリエンスが『このブランドは私のことを理解している』と言うほどのレベルのつながりをもたらし、瞬時に相手をとりこにすることで持続的なつながりを生み出すのだ」と続けた。

 

究極的にパーソナライズされた体験

Breault氏は、マーケティング担当者がターゲットオーディエンスについて知っているすべての情報を駆使して、それぞれにあったコンテンツを作成する必要があると述べている。

同氏は、「それは特注のように感じるし、彼らのためだけに作成されたように感じられる。私はそれらを『made for you moments:あなたのために作られた瞬間』と呼んでいる」と語った。「これが、究極のパーソナライゼーションである」。

 

そのような瞬間を生み出すために、マーケティング担当者はデータをしっかりと把握している必要がある。これは、顧客を理解するための適正なボリュームのデータを収集し分析するだけではなく、クリーンなデータを保持し、データの実行方法について賢明であることをも意味する。

 

「我々は、何年も前からデータ収集をしており、それらのデータと使用方法について責任を負う必要がある」と、Breault氏。「我々は、つながりを構築するためのデータの使用方法に責任があるのか?ブランドにとって最適な商業的成果を生み出すためにそれを使用することに関して責任があるのか」。

Breault氏によれば、マーケティング担当者は、購入履歴やトランザクション履歴傾向の分析を確認し、究極のパーソナライズされたエクスペリエンスを作り上げるべきだという。同氏によると、天候に関するデータでさえ、リッチな顧客エクスペリエンスの創造に役立つという。

 

 

今は沈黙の時ではない

Acquia (オープンソーステクノロジーによるデジタルエクスペリエンスを提供する米国企業)の最高マーケティング責任者Lynne Capozzi氏は、Discover MarTechのプレゼンテーション「Doubling Down on CX When Faced with a Global Pandemic」において、Breault氏の考えに同意した。そして、現在、ブランドから膨大なノイズが発信され、消費者は、膨大な数のお得情報やプロモーションのオファーを浴びせられているとした。

 

大量のブランドメッセージの流入は、時に耳障りに感じるかもしれないが、Capozzi氏はブランドがgo AWOL(無断でやめる)するべきではないと述べている。

「今は、市場で沈黙する時ではない。これは、あなたが顧客とのつながりを保てているかを確認する時機なのだ」とCapozzi氏は語った。「これまで以上に、顧客を受け入れ、顧客に価値を提供しよう」。

 

Acquiaが調査対象とした消費者のうち半数以上が、「顧客のことを知っているべきであるブランドが、そうではない」と回答している。多くのブランドは、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを創造するために利用できるリピート購入パターンから、価値のある情報を取得することができていないということだ(ブランドが注目すべきデータは、Breault氏が推奨するものと同様)。Capozzi氏は、ブランドが、顧客のニーズを予測するために、個人の好みなどの詳細を上手く活用できていないと述べている。

「顧客の80%は、自分達について、そして自分達が探しているものを本当に理解していると感じるブランドに対するロイヤルティは高くなると回答している」と述べた同氏。「それは重大なことだ。それこそが、我々全員が望むことなのだから」。

 

効果的なパーソナライゼーションに不可欠なクリーンなデータとオープンテクノロジー

Capozzi氏は、これらのパーソナライズされた優れたカスタマーエクスペリエンスを作り上げるには、マーケティング担当者がクリーンなデータソースを保持する必要があると主張する。

「カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、誰もが知っての通り、クリーンなデータが必要だ」と、Capozzi氏。ほとんどのマーケティング担当者が、自社が持っているデータが100%クリーンであるとは考えていないことを認めている。これは、MOPS(Management and Organizational Practices Survey:管理および組織慣行調査)チームが、データの収集方法に注目すべきではないという意味ではない。多くの場合、管理されているデータの品質を保証するのは、マーケティングテクノロジーチームの責任である。

 

Capozzi氏は、顧客ロイヤルティを構築し、付加価値のある個別のエクスペリエンスを提供するという観点から、クリーンなデータを「pillar:柱」と見なしている。Capozzi氏が定義するもう1つの柱は、Acquiaのオープンテクノロジーのアーキテクチャ(設計方式)である。

「企業は、サイロ化したデータを多く所有している」とCapozzi氏は語る。「オープンなアプローチとテクノロジーにより、異なるアプリケーション間で、それらのデータを共有できるのだ」。

 

同氏のオープンテクノロジースタックには、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、CMS(Contents Management System:コンテンツ管理システム)、マーケティングオートメーションソリューション、Webパーソナライゼーションツール、デジタル資産マネージャーなど、スタンダードマーケティングクラウド製品と呼ばれるものが含まれている。

 

Capozzi氏は「最高の顧客体験を創造するために、最高のパーソナライゼーションを行うにはどのような方法があるだろうか?」と問いかける。「それはオープンテクノロジーだろう。オープンテクノロジーこそがカギとなるのだ」。

 

※当記事は、英国メディア「Marketing Land」の4/30公開の記事を翻訳・補足したものです。

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