アトリビューション分析を機械学習により精度を上げ、適切な投資配分を進めていこう | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
  • follow us in feedly
マーケティング
公開日2019/05/27

アトリビューション分析を機械学習により精度を上げ、適切な投資配分を進めていこう

マシンラーニング(機械学習)を活用した新たなアトリビューション(コンバージョンに至るまでの複数の接点について、その貢献度をあらゆる視点から測定する)方法論がマーケティング担当者へもたらしたものは、顧客の商品に対する「認知」から「購入」、さらに「共有」に至るまでの行動プロセスを踏まえたマーケティング戦略「フルファネルマーケティング」の可視性である。

 

デジタルマーケティングチームが、アトリビューションについて悩みを抱えているというのは何も珍しいことではない。世界的な情報調査会社であるNielsen社のレポートによると、自社のデジタル施策の収益に対する貢献度を測定するアトリビューション分析に自信を持っていると答えたマーケティング担当者は、4人中たったの1人だったという。これは決して驚くべきことではない。

 

アトリビューションは差し迫った問題であり、マーケティングおよびセールスチームにとって深刻な課題となり得る。複数の異なるチャネルを組み合わせてシームレスなエクスペリエンスを提供するクロスチャネルキャンペーンをアクティブ化すると、切断された各システムにおいて、サイロ化(他のアプリケーションなどとの連携を持たずに自己完結し孤立した状態)したデータが生成される。ユーザーの行動データや自社が保有するデータを、販売促進や顧客との関係構築など、マーケティングで必要な多岐にわたる分野へと展開するためにITを活用する”マーテックスタック”の継続的な成長は、アトリビューションの精度を含む重要な課題を生み出す可能性がある。しかし、これらの課題がある一方で、デジタルマーケティングチームが、ROI(投資対効果)について自信を持って追跡し、自社組織のリーダーへその価値を伝えることは必要不可欠だ。

 

アトリビューションの問題

多くのマーケティング担当者は日々フラストレーションを感じており、アトリビューションの不一致がより大きな組織の課題を露呈させることもよくある。マーケティング担当者が、自社のデジタルマーケティングの背景にあるROIをリーダーに証明してみせることができなければ、マーテックへの予算を獲得するのは困難だ。

 

「シングルタッチ・アトリビューションモデル」は、おそらく最もよく使われるモデルであり、コンバージョンに影響を及ぼす最後のタッチポイントが評価される。一方、「マルチタッチ・アトリビューションモデル」では、マーケティング担当者が、顧客ジャーニー全体を通して、各タッチポイントがどの程度コンバージョンに影響を与えたと考えかという基準に基づいて、異なる評価を与える。

 

フルファネルのB2Bデジタルマーケティング代理店であるSmartSearch Marketing社の戦略的デジタルマーケティングコンサルタントNatasha Humphrey氏は、次のように述べている。「アトリビューションモデルを精査し、どこに注力するかを決定することは、マーケティング担当者が直面する最大の課題である。アトリビューションモデルにおいて1つのソースを過小評価すると、そのソースへの継続的な投資に対する上層部の同意が必要となった場合に、問題が生じる可能性がある」。

 

データ分析、アトリビューション、およびスマートワークフローの自動化を統合して、主要なB2B顧客データプラットフォームを構築するCaliberMind社の最高経営責任者Raviv Turners氏によれば、ほとんどのマーケティング担当者が今日使用している標準的なアトリビューション方法論が、その問題の一部だという。「多くの組織がシングルタッチアトリビューションモデルからマルチタッチアトリビューションモデルに移行したが、そのために適切でクリーンなデータセットを構築してこなかったことで、複雑な問題が生じている。私たちは今後、連鎖基準モデルを使い始める必要がある」。

 

顧客ジャーニーにおけるどのチャネルに重点を置くかを決めることは、人的なバイアスが大きく影響する。つまり、コンバージョンに大きく貢献すると考えられるチャネルに最も大きな重点が置かれているのだ。Turners氏は、次のように問いかける。「しかし、人間の偏見を食い物にする代わりに、顧客の行動パターンをリードして逆行分析するのはどうだろうか」。

ここでマシンラーニング(機械学習)が登場する。

 

マシンラーニング(機械学習)と連鎖基準アトリビューション

過去5年間、AI、機械学習、および自然言語処理の進歩はマーケティング担当者たちの注目の的となっている。しかし、それらを自社のマーケティングに適用する方法を理解することは、依然として困難だ。CaliberMind社のマーケティング担当副社長Chris Nixon氏は、次のように述べている。「マシンラーニングモデルを採用することにより、人的なバイアスを排除することが可能だ。マシンラーニングモデルは、データから学習し、さまざまな結果(収益、パイプライン、リード生成など)を検討し、顧客ジャーニーにおけるタッチポイントを特定することができる」。

 

「マシンラーニングモデルは、長期的な購買パターンを分析し、商品の認知から購入までの一連の流れに影響を与える顧客の行動パターンを特定する」と同氏。「closed/won(受注案件)またはclosed/lost(失注案件)からの収益を把握する場合、それぞれの結果に至るまでのパスはどうだったか」。連鎖基準モデルは、結果から始まり、最終的にはビジネスを推進するために取られる顧客行動パターンのステップを振り返るものといえる。

 

リーダー向けのマーケティング情報を作成

オートメーションとマシンラーニング双方が、マーテック分野で大きな存在感を示す一方、CaliberMind社の連鎖基準アトリビューションツールは異なるアプローチを取っている。このツールは、サイロ化されたプラットフォームに接続し、結果からROIを追跡する。顧客の行動パターンにおける各ステップが全体に与える影響を理解するため、結果から逆行しながら機能するということだ。この方法では、マーケティング活動に関係する情報を記録、収集し、一括管理するシステムであるマーケティングインテリジェンスの質の向上と、これまでに得たインサイトの改善が可能となる。マーケティング担当者は、十分な情報に基づいて意思決定者と話し合うために、デジタルパフォーマンスに関する正確な知識を備える必要がある。

 

Humphrey氏によると、この方法の採用はマーケティング担当者にとって大きな前進になるという。「連鎖基準のアプローチは、過小評価された情報源への継続的な投資のためにリーダーの理解を必要とするマーケティング担当者の間にも、大きな価値をもたらす可能性がある」と同氏。「我々は、組織のリーダーとクライアントにROIを提供するためのインサイト、そして、フルファネルマーケティングの顧客ジャーニーにおけるアトリビューションについてのインサイトが必要だ。連鎖基準のアトリビューションは、非常に有効な手法となり得るだろう」。

 

※当記事は英国メディア「Marketing Land」の5/16公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

close