「ロケーションベース・マーケティング」の基本に立ち返る | 海外ニュース | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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公開日2019/02/13

「ロケーションベース・マーケティング」の基本に立ち返る

複数のロケーションベース(位置情報を連動させた)マーケティング施策がそれぞれどのように機能するかを学び、自社ブランドにおいて効果的に活用する方法を理解する必要がある。

 

ブランドはロケーションベース・マーケティングによって、新規顧客とロイヤルカスタマー双方を引き付けることができる。そのため、これは人気の高いキャンペーン戦略になりつつある。市場調査会社eMarketerは、「2019年にはマーケティング担当者はモバイル・ロケーションターゲティング広告に対し265億ドルを投資するだろう」と予測。つまり、ブランドはロケーションベース・マーケティングの各施策の効果を理解し、競合他社の先手を打って効率的に活用することが不可欠なのである。また、この戦略を実施する際、消費者のプライバシー保護についての基本的な理解も求められるだろう。

 

ロケーションベース・マーケティングの主な手法は、「ジオフェンシング」、「ジオターゲティング」、「ジオコンクエスト」、および「プロキシミティ・マーケティング」の4つである。マーケティング担当者がこれらの用語のいくつかを入れ替えることはよくあるかもしれない。しかし私たちは、以下のようにこれらの用語を定義し、企業に説明している。

 

ジオフェンシング

ジオフェンシングとは、消費者のリアルタイムの位置情報に基づいて、広告やコンテンツを配信することである。

 

自分の位置情報をブランドのアプリと共有することにオプトインしているユーザーが、指定されたジオフェンス領域に入り、そのロケーションでアプリを使用すれば、アプリからのプッシュ通知、テキストメッセージ、またはロケーションベースのコンテンツと広告が配信される。ジオフェンシングを実行するためには、ブランドは、数多くの既存技術の1つを用いて、消費者が「お知らせ」や「広告」、「コンテンツ」を受信するロケーションの周りにパラメータを設定する必要がある。

 

このタイプのターゲティングを提供している最も著名な企業はFacebook(すなわちInstagram)とGoogleの2社である。Snapchatは、ロケーション固有のジオフィルターを提供している。ブランドは、ジオフィルターを利用して、自社のロケーションや、サポートもしくは主催しているイベントを宣伝したり、または、イベントを通して自社の認知度を高めたりすることができる。また、Urban Airshipといったほとんどのプッシュ通知プロバイダーは、ロケーションベースの通知機能をサポートするツールを提供している。

 

ジオターゲティング

ジオターゲティングとは、過去に特定の場所を訪れたオーディエンスに対し、広告やコンテンツを配信することである。過去のデータを使用することで、マーケティング担当者は、より関連性が高いオーディエンスにリーチすることが可能なキャンペーンを構築できる。ロケーションデータを、個々のオーディエンスの現実世界の嗜好を示す指標として活用するのである。

 

このアプローチの一例として、昨年のブラックフライデーの来店者数を増加させたショッピングモールを挙げることができる。そのショッピングモールは、再度の来店を促進するために、過去90日以内に店舗に来店したオーディエンスにリーチするキャンペーンを実施した。キャンペーンは、モバイル広告エコシステム全体にわたって実行された。そして、満足できる成果をあげたため、この「ジオターゲティング」を既存キャンペーン戦略に加えることとなった。

 

自動車ディーラーもこのジオターゲティングを効果的に活用することが可能だが、それには洗練されたアプローチを行う必要がある。より短い期間内の来店客が最も関連性が高いオーディエンスであるので、ターゲットとするオーディエンスを長期間にわたって構築するべきではない。その理由は、ディーラーの実店舗に来店したオーディエンスは通常、購入サイクルの最終段階にあるからだ。自動車ディーラーのマーケティング担当者は、2週間、1週間、時にはそれ以下の期間内の来店客を、車の購入意思があるオーディエンスとして構築すべきである。

 

反対に、スキーリゾートでは、そのような短期間においてジオターゲティングされたオーディエンスでは効果がない。昨年の利用客が最も関連性の高いオーディエンスの一部のはずである。重要なのは、ブランドやマーケティング担当者は、ロケーションベース・マーケティング戦略を自社のビジネスや顧客に合わせて適応させることである。

 

ジオコンクエスト

ブランドは、競合他社のロケーションを訪れるオーディエンスにリーチするためにジオコンクエスト戦略を用いる。たとえばハンバーガーチェーンBurger Kingは、McDonald’sを訪れた客が自社アプリを開いた際に、バーガーキングの看板商品である「ワッパー」を1セントで購入できるクーポンを配布するキャンペーンを、ジオコンクエストを利用して行った。

 

ジオコンクエストは、オーディエンスがその瞬間に、特定のロケーション付近にいる場合だけでなく、過去にそのロケーションを訪れた場合にも適用することができる。

 

プロキシミティ・マーケティング

プロキシミティ・マーケティングでは、ビーコンや近距離無線通信(NFC)、拡張現実(AR)などのテクノロジーを使用して、特定のロケーションから数フィート以内に位置するスマートフォンへの広告や通知、コンテンツの配信を行う。最も一般的なユースケースの1つは、スマートフォンによる決済処理である。起動すると、スマートフォンは、クレジットカード端末を即座に検出し、迅速で簡単な決済を可能にする。また、飲料ブランドが、プロキシミティ・マーケティングと拡張現実を融合させることも流行しつつある。ワインショップにいる買い物客は、「Living Wine Labels」などの特定のアプリを使用してワインまたはビールのラベルを見ることにより、ARを体験することができる。スマートフォンのカメラでラベルを見ると、アプリがスマホ画面でラベルをアニメーション表示に変え、見ている人に商品情報やエンターテインメント提供することができる。

 

プライバシー問題とロケーションベース・マーケティング

ロケーションベース・マーケティング行うブランドや広告エージェンシーは、どのようにオーディエンスを構築しているか、そして消費者のプライバシーがどのように保護されているかを理解するべきである。GPSやその他のシグナルから取得されているかに関わらず、マーケティングに使用されている位置情報データがオプトインされたものであること、そして、消費者が共有した位置情報が広告配信のために利用されることを理解してオプトインしていることを明確にすることは、非常に重要なステップである。全てではないにしても、この分野のロケーションベース・マーケティング会社のほとんどは、現在のプライバシー慣例に従い、さまざまな業界団体の行動規範を遵守している。消費者個人に関するいかなるトラッキングも防止するために、データは常に集約され、匿名化されなければならない。当然のことであるが、1人の人物にリーチすることを狙ってキャンペーンを構築するわけはない。マーケティング担当者は、ターゲット市場内で数万から数十万人にリーチすることを目指している。プライバシーを確保するためのもう1つの方法は、消費者がこの特定のユースケースについて明確な同意をしていない限り、ヘルスケアに関連といった、“センシティブ”なロケーションを基に構築されたオーディエンスを対象としないことである。

 

キャンペーンを成功させるためには、複数の異なる戦略と手法を用いる必要があるだろう。データは引き続き重要な役割を果たすが、データほどではなくても、広告コピーとクリエイティブは同様に重要である。ロケーションベース・マーケティングは、ブランドや代理店に、新しいテクノロジーを活用し、そのクリエイティビティによって、より適切なタイミングで、より頻繁に、正しいオーディエンスを獲得する機会を与えるものである。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の2/7公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

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