データ、動画、ストーリーに注力した2018年のソーシャルメディア総括 | 海外ニュース | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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公開日2019/01/10

データ、動画、ストーリーに注力した2018年のソーシャルメディア総括

昨年のソーシャルメディア広告のハイライトを総括する

Facebookは2018年3月、Cambridge Analyticaを自社プラットフォームから排除したが、一年を通じて同社のデータ管理問題はソーシャルメディアの主要ニュースとして取り上げられ続けた。Facebookがユーザープライバシー問題に継続的に取り組む一方で、他のソーシャルプラットフォームがこの分野で話題になることはほとんどない。しかし、いくつかのプラットフォームは同様の取り組みを行なっている。Twitterは、選挙の完全性の実現に注力し、偽ユーザーアカウントを大量に削除した。このようにFacebookとTwitterがタイムラインの不正な投稿の排除に注力したのに対し、SnapchatPinterest、そしてLinkedInは、引き続き広告商品を作り上げた。

 

ほぼすべてのプラットフォームが新しい政治広告ポリシーを打ち出し、ユーザーは、アプリを開く度に、24時間で消える短い動画や写真投稿「ストーリー」を目にするようになった。(実際、Snapchat独自のコンセプトであった「ストーリー」は、Instagram、Facebook、YouTubeでも採用。Pinterestは「ストーリー」機能を持たず、その理由が問われる。)Facebookはなるべく多くのビデオクリエイターの取り込みに注力し、YouTubeは自社のクリエイター基盤により多くの収益化のチャンスを提供した。そして、Instagramはビデオプラットフォームを立ち上げた。Reddit(米国最大級のソーシャルニュースサイト)はこれらの動向から取り残されないよう、この10年以上の間で初めて、大規模に再設計された。

 

ユーザーデータ管理問題による反動

2018年は、初めてFacebookが、ユーザーデータの不正使用問題で調査対象となった年というわけではない。しかし、同社が自社プラットフォームを利用している企業に対し強硬な手段を取ることを余儀無くされたのは、2018年が初めてだった。Facebookは2018年3月18日のCambridge Analyticaアカウント停止の発表を皮切りに、同社のデータセキュリティとユーザーの安全性に対する真摯な対応を証明するための1年がかりのキャンペーンを開始した。

 

2018年のFacebookは、ユーザーデータの保護を怠ったことで大打撃を受けたが、Twitterにも、同様の対応が必要だった。TwitterのCEOであるJack Dorsey氏は、2018年3月に45分間のライブストリーミング番組に参加し、Twitterでの虚偽情報の拡散と悪用に関する質問に回答した。当時Dorsey氏は、「Twitterは、プラットフォームの健全性を測定する、オープンで説得力のある方法を確立することを最優先に考えている」と述べた。その4ヵ月後、同社は依然としてプラットフォームの健全性確保に注力し、選挙の完全性の実現に集中するために、他の新しいビジネスへの取り組みを保留させている。なおGoogleは、インターネットのほぼ全域でデータを収集しているにも拘わらず、大きな問題は生じさせず切り抜けた。

 

Facebookはいくつかのアプリを停止し、ユーザー情報へのAPIアクセスを制限し、サードパーティのデータブローカーを排除した。Twitterは、何千ものアカウントを削除し、プラットフォーム上のユーザー間会話方法に変更を加えた。また、スパムを排除する取り組みによって、企業による複数アカウントへの同一のコンテンツの同時ツイートは難しくなった。Twitterも同様に、APIアクセスを制限している。

 

また、マーケターは、昨年5月に発効したEUのGDPR(EU一般データ保護規則)によって、プライバシー問題への対応を余儀無くされたのだった。

 

広告機能を着実に構築したSnapchat、Pinterest、LinkedIn

2018年、SnapchatやPinterest、LinkedInは、広告ビジネスの構築に注力した。昨年、Snapchatのユーザー数は減少したが、広告収入は増加した。昨年初めに同社は、すべての広告主に対し広告APIを公開した。2018年第3四半期までに、Snapchatは、Discovercyチャネルパートナー向けの広告マーケットプレイス、eコマース広告オプション、Ads ManagerのCommercials(スキップ不可の6秒広告)およびARレンズ、Sponsored Snappable ARレンズ、およびロケーションベースの広告ターゲティングツールを含む、複数の新しい広告商品を発売し、記録的な成長を達成した。

 

2018年のPinterestは、CMOをはじめて採用。マーケティングチームに経営幹部権限を与えることにより、広告ビジネス拡大という同社のコミットメント実現を目指した。2018年、Pinterestは、Promotedカルーセル広告(1つの広告枠に対し複数の画像、動画、リンク、またはCTAボタンを設置できる広告)や最新広告マネージャから、ワイドフォーマットビデオ広告や新しいPinterest Marketing Partnerカテゴリまで、さまざまな新広告商品をスタートさせた。また、Pinterestのオーディエンスは、月間アクティブユーザー数2億5,000万人まで拡大した。

 

LinkedInは、大量のアカウントを管理する広告主により良いサービスを提供するために、Campaign Managerを全面的に改良。LinkedInの広告管理ツールはオブジェクティブベースに再構築され、新しいパーソナライゼーションオプション、レポート作成用のワンクリックキャンペーンの内訳、および広告主向け新検索機能を提供した。また同社は、Campaign Managerの広告商品にダイナミック広告を追加した。

 

とにかく“Stories”

2018年6月に初めて「ストーリー」のコンセプトを生み出したInstagramは、プラットフォーム上で毎日4億人のユーザーがストーリーを使用していると報告した。これはSnapchatの総ユーザーベースの2倍以上である。2017年にストーリーを立ち上げたFacebookも利用率が増加。Facebookは5月にストーリー上の広告のテストを開始し、9月にはすべての広告主に対し広告商品の提供を開始した。YouTubeは、11月に独自のストーリーを立ち上げ、1万人以上の購読者がいるチャネルに対し、ストーリー機能を提供した。

 

FacebookのYoutube対抗策

Facebookは、動画サービスWatchでより多くのオーディエンスを獲得する取り組みの一環として、クリエイターに収益化のチャンスとビデオツールの拡張セットを提供した。

 

6月には、Instagramは、Instagram内および自社のスタンドアローンアプリ内で動画専用アプリIGTVを立ち上げ、ユーザーは60分尺の動画をアップロードすることが可能になった。IGTVプラットフォームの普及は遅く、まだ広告商品は提供されていない。昨年のInstagramに関する最大のニュースは、実のところ、同社のCEO、Kevin Systrom氏とCTOのMike Krieger氏が9月に辞任したことであった。

 

YouTubeは、クリエイターがデスクトップPCからライブストリーミング配信ができる「Go Live」機能を展開した。また多くのクリエイターの収入源となるChannel Membershipプログラムを利用するために、必要なチャンネル登録者数を10万人から5万人まで減らした。2018年6月にYouTubeは、同社プラットフォームで1万から10万ドルの収入を得たクリエイターは35%増加、10万ドル以上が40%増加したと発表している。

 

政治広告ポリシーの変更

2016年の米国大統領選挙期間中にFacebook、Twitter、Googleが、ロシアが自社プラットフォーム上に広告形態の虚偽情報拡散キャンペーンを展開し介入したことを認めた後、主要なソーシャルネットワークと検索ネットワークの多くは、自社の政治広告ポリシーに大きな変更を加えた。2018年の中間選挙の数か月間、Facebookは新ルールを制定し、Facebookに政治広告を出稿するすべての広告主を強制的に検証した。また、Twitterは選挙立候補者アカウントにラベルを立て、ユーザーが簡単に識別できるようにした。

 

FacebookとTwitterはどちらも、プラットフォーム上での広告の透明性を高めるため、政治広告を検索できるデータベース「広告アーカイブ」を立ち上げた。Facebookのアーカイブは、政治広告を対象とし、一方で、Twitterのアーカイブは過去7日間にプラットフォーム上に出稿されたすべての広告を記録している。

 

またGoogleは、米国の政治広告主を対象とする新しい証明書要件を発表。これは、政治広告を出稿する広告主に対し、全Googleプラットフォームにおいて出稿する前に政府発行の証明書を取得することを義務付けるものである。さらに、自社プラットフォーム上のすべての政治広告を、誰が購入したのかを明確に開示することも要求した。

 

LinkedInは、6月に政治広告を禁止することで、政治広告に関する論争から外れている。

 

Redditの再設計

米国最大級のソーシャルニュースサイトであるRedditは、2005年のリリース以降はじめて、自社Webサイトの大幅な見直しを開始した。Redditの最高経営責任者(CEO)が「ディストピアCraiglist(クラシファイドコミュニティサイト)」的なインターフェースだと指摘した同社のプラットフォームは、一から設計し直されたのだ。Redditブランドパートナーシップ担当責任者は、「Webサイトの再設計以降、ユーザーエンゲージメント率が3倍から7倍向上し、これにより広告エンゲージメントも増加した」と述べている。

 

広告主は現状、Redditに多額の広告予算を使っていないが、より多くのブランドがRedditへのトラフィックの大きさを理解するにつれて、これは変化していくだろう。マーケティング会社Alexaによると、現在Redditは米国で5番目にトラフィックの多いWebサイトとしてランク付けされおり、1日の平均ユーザー滞在時間は11分36秒である。これは、トラフィック量における上位4つのWebサイトよりも4分長い。

 

広告主は、ソーシャルメディアに継続的に出稿

2018年は多くの変化と激動の年であり、そのことはソーシャルプラットフォームで最もよく反映されていると言える。ビジネス界のヒーローと見なされたハイテク大手企業が、「ソーシャルネットワークが我々の文化の形成にいかに影響を与えているか」についての厳しい質問に晒されることになった。

 

しかしこうしたスキャンダルの影響によって、広告主がソーシャルメデアイアプラットフォームを敬遠するまでには至っていない。これは、ユーザーエンゲージメントの著しい低下や、ターゲティングオプションが決定的に制限されない限り、ごく僅かの例外を除き2019年も状況は変わらないだろう。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の12/27公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

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