新型コロナウイルス危機において、いかにeコマースを最適化するか | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」

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公開日2020/04/28

新型コロナウイルス危機において、いかにeコマースを最適化するか

この自宅に閉じ込められ、先が見えない時にある顧客は、食料品からキャットフードまでありとあらゆるものをオンラインでまかなっている。ウェブサイトが、最大限の顧客エンゲージメントとコンバージョンを獲得できるように確実に最適化されていることは、これまで以上に重要なのだ。eコマースの最適化は、パンデミックの真っ只中において市場シェア獲得のために苦闘している企業が参加しなければならない、勝負の場である。

 

最適化とは、「eコマースマーケティング、ワークフローやシステムを分析、修正して、eコマースブランドの効率と価値を高めることだ」と、Sharp Commerce(米国のコマースコンサルタント企業)のeコマース成長コンサルタントであるTravis Romine氏は述べている。

 

最適化は、最終的には設計に行き着く。そして結局のところ、優れた設計によって、優れたビジネスが実現できる。

 

「eコマースの最適化における重要な要素は、使いやすさ、カスタマージャーニーマッピング、サイトの速度と関連コンテンツである」と、enVista(米国のコンサルティングサービス企業)のCEOであるJim Barnes氏は言う。

「eコマース最適化の鍵は、全体的なカスタマージャーニーを理解することにある。顧客が注文し、支払いを行った時点で、ジャーニーが終わる訳ではない」同氏は語った。

「eコマースの最適化には、エンドツーエンドのプロセス全体が必要である。カスタマージャーニーは、商品の検索と調査から始まり、商品の配達、そして場合によっては返品まで続くのだから」。

 

Conversion Sciences(米国のCRO(コンバージョン率最適化)コンサルタント企業)の創立者であるBrian Massey氏は、eコマースの最適化は簡単に言えば、「企業のデジタルプロパティを訪れたそれぞれのビジターから最大の価値を得ることだ」と、話している。

 

 

最適な機能

eコマースの最適化は、一つのことではなく、カスタマーエクスペリエンスを促進、改善、そして合理化するために取りうる一連のステップである。

 

enVistaのBarnes氏は、以下のように述べている。

「eコマース最適化の定義は、最適化の何に焦点を当てているかによって異なる。顧客の観点から見ると、最適化とは、シームレスで円滑な楽しいジャーニー(注文から配達、そして返品まで)を意味する。カスタマーエクスペリエンスの最適化は、小売業者が、顧客に配達予定日を知らせ、荷物を追跡してリアルタイムに近いモバイル対応の配達に関する情報のアップデートを提供することで、注文前と注文後の顧客の期待に効果的に対応できるかどうかにかかっている」。

 

eコマースエクスペリエンスを最適化するにあたっては、購入ジャーニーのもう一端、すなわち返品についても考慮する必要がある。

 

「返品プロセスは、フレキシブルで、セルフサービスでなければならない。顧客は、元の注文における商品を簡単に返品し、返品理由コードを追加し、合わなかった商品を交換し、新しい商品を追加し、運送業者に対応したラベルを使用して商品を返送できる必要がある」と、Barnes氏は話している。

 

最後に、ウェブサイトは、顧客が購入ボタンを押す前に再考することがないよう、速く、簡単にナビゲートできるものにする必要がある。

 

「スピードと利便性の問題だ。小売業者にとって、カスタマーエクスペリエンスを向上させるために、豊富な情報を備えた高速で応答性の高いeコマースサイトを維持することは不可欠である。eコマースの最適化とは、顧客に約束し、その約束をエンドツーエンドで守るということなのだ」とBarnes氏は語る。

 

どのように最適化するか

ウェブサイトを最適化するには、既存サイトがどのようであるか、何を実現したいか、誰にリーチしたいかを考える必要がある。企業は、データに基づいた最適化戦略を策定することが、より望ましい。これは、すぐにできるプロセスではないが、長期的には価値があることである。

 

最適化の最初のステップは、サイトの訪問者とコンバージョンに関する現在のデータを注意深く調べることだ。

「eコマース改善のために仮説に必要なデータを分析するのだ。行動データ、分析やユーザーテストを使用して、これらのアイデアをリサーチする。そうして、どのアイデアが、テストを行うべき仮説となるかを決定するのに役立つ」と、Conversion SciencesのMassey氏は語った。

 

次のステップは、仮説をテストして収益が向上するかどうかを確認することだ。

「設計のテストは、アイデアが収益改善をもたらすか否かを証明できるように設計しなければならない。そして、eコマースの購入者が、いかに非理性的であるかに驚くだろう」。

 

最適化プロセスの最終ステージは、学んだことを適用することだ。

Massey氏は、「テストから学んだことを使用して、新しいアイデアを作り上げるか、またはリストにある次のアイデアに進むのだ」と言う。

 

このような入念な、データに基づいたアプローチによって、将来的に完全なる最適化の実現に向かうことができ、ウェブサイトの設計と実装における古い戦略から離れる方法なのだ。

「我々のウェブサイトのデザイン方法は時代遅れだ。設計者、開発者や幹部の少人数のチームが、訪問者が何を望んでいるかを決定している。このような少人数のチームは、往々にしてひどく間違っているものである。最適化プロセスをウェブサイトの設計プロセスに組み込むことで、ウェブサイトの開発方法は根本的に変わるだろう」と、Massey氏は述べている。

 

ブランドの最適化

結局のところ、最適化は広範囲に及ぶべきものである。

 

「ウェブサイトの最適化は、eコマースブランドを最適化するための一つの要素に過ぎない」と語るSharp CommerceのRomine氏。

「通常、目標は、不確定要素を減らし、ABテスト方法(二つの選択肢を用意し、どちらがよりよい成果を出せるかを検証する方法)を実施し、注意深く記録しながら、エンゲージメントとコンバージョンを向上させることにある。Google Analyticsには、これに役立つ優れたアノテーション(注釈)機能がある。時間が有意義な成功のために使われるよう、サイトのどの要素を最初に最適化するかを把握することは非常に重要だ」と付け加えた。

 

テクノロジーの進化は、最適化プロセスを変えていくだろう。

4-tell.comのリコメンデーション・エンジン(機械学習等に基づき顧客に商品やサービスを薦めるアプリケーションソフトウェア)のような、新しいテクノロジーが急速に登場している。検索、リコメンデーションやカスタマーエクスペリエンスを改善するためにAIテクノロジーを使用することで、エンゲージメント、販売やリテンション(既存顧客維持)に大きな影響を与える可能性がある。カスタマージャーニーのすべての側面で最適化を行うことは、今日のeコマース市場で競争力を有するために最も重要である」と、Romine氏は述べている。

 

どのような形であれ、eコマースの最適化は、売上げを増やすためである。これは、顧客を見つけ、顧客を引き付け、購入へと導くことを意味する。

 

「どのビジネスにも固有の課題がある」と、Massey氏。

「スマートフォンでのコンバージョン率が低いeコマースサイトは、メールアドレスの取得に注力することを選択するかもしれない。これにより、訪問者がデスクトップを利用している時にマーケティングを行うことができるからだ」と指摘している。

 

「あるクライアントは、ウェブサイトがスマートフォン非対応だった。メールアドレスを取得することで、ノートパソコンや仕事用のコンピューターを使用中の訪問者をターゲットにすることができた」と同氏は振り返る。

 

「一部のeコマースクライアントは、電話を受け付けているだろう。すべてのスマートフォンには通話アプリがある。それで、モバイルデバイスでの通話における最適化を行うかもしれない。結局のところ最適化とは、取りうるあらゆる方法で訪問者を引き付け、購入の準備ができていない人々との会話を始めることを意味するのだ」と、彼は話す。
※当記事は米国メディア「Ecommerce Times」の4/17公開の記事を翻訳・補足したものです。

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