EC業界で転職したい!ときに注意するべきポイントまとめ

 

依然として順調に成長しているEC業界だが、市場には人材が枯渇しており、他の業界からの人材流入も盛んに行われている。また、スキルアップの意思を持った人材も多く、人材の流動性は非常に高い業界と言えよう。そのためEC業界での転職活動も盛んに行われており、多くの人材が転職に挑んでいる。そこで今回は、そのようなEC業界での転職に際して、注意するべきポイントを考えていく。

 

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EC業界での転職活動の流れ

 

まずはEC業界での転職活動の大まかな流れを見ていこう。

大まかな流れは、EC業界でも他の業界と同様に、

「事前準備」→「求人を探す」→「応募」→「面接」→「内定」→「入社」

という流れとなるのが一般的だ。

具体的に求人探しを始める前の準備期間も含めると、転職活動にかかる期間はだいたい2〜3カ月程度といわれている。ただ現在は、EC業界での人手不足感が強く、転職市場は売り手市場になっており、企業はいい人がいれば他社に採用される前に内定を出そうと、採用活動自体のスピードを速める傾向にある。

転職活動投げれの中での注意点は1つ。現在会社に勤めている人は、退職せずに働きながら転職活動をすることが望ましい。退職してから転職活動したほうが準備や情報収集・応募書類作成の時間も十分にとれ、面接日程の調整もしやすいので、「まず退職」と考える人は少なくない。しかし、納得のいく転職先が見つからないまま何カ月も過ぎてしまうと、経歴にブランクができてしまい、後々の評価にも影響する。また転職先が決まって働くまでは収入がなく、年収交渉の際に足もとを見られて不利な状況にもなりかねない。焦らずに納得のいく転職先を見つけるためにも、勤めながら転職活動を進めることをお勧めする。

 

 

Step1:事前準備

 

転職活動の最も最初に着手するべきものは「自己分析」と「転職の理由・条件の順位の明確化」の2点だろう。どちらかと言うと、転職先の企業を探すところから始めてしまいがちだが、この重要な2点を怠った状態で転職活動に入ってしまうとうまくいかない場合が非常に多くなる。

 

自己分析

新卒採用の際に行う自己分析と転職の際の自己分析の最大の違いは、「自分のキャリアを振り返った上での自己分析」が必要な点である。企業が中途採用する、すなわち転職者を採用する場合、基本的には「即戦力」になる人を採りたいと考えている。そのため、応募者が過去の経歴の中でどのようなスキルを身につけてきたか、どのような経験をして、どのくらいの実績を上げてきたかが、選考で問われることになる。そこで必要になるのが「自分のキャリアを振り返った上での自己分析」である。自分のキャリアを振り返り、「自分はこういう仕事で結果を出すのが得意」「こういう仕事には自然と熱が入る」といったような「強み」を見つけると同時に、「この手の仕事は不得意」といった「弱み」も整理しておくと良いだろう。

また、ECサイトを運営している企業における業務は、多くの関係者と円滑にコミュニケーションを取り、プロジェクトを進めていくことや、飛び交っている数字から本質を見抜いて次へのアクションに落とし込む能力が求められるケースが多い。自己分析の結果、それらのポイントに上手に結びつけることが出来ると理想的だ。

 

<参考>

EC事業会社に転職する際の重要な3つのスキルと注意点

 

転職の理由・条件の順位の明確化

自分の「強み」「弱み」を把握する以外にも、何のために転職するのか明確化しておく必要がある。その上で、「自分はこれからこういう会社で、こういう仕事をしてきたい」という意志を明確にすることが大切だ。転職理由としては、「もっと稼ぎたい!」という給料面もあれば、「残業が少ない会社に行きたい」「今の仕事はやりたい仕事じゃないので、別の仕事に就きたい」「いまの上司が嫌なので、尊敬できる上司や同僚と働きたい」「自分の裁量が小さいので、自分の考えを反映できる仕事がしたい」など、いろいろな理由・きっかけがあるだろう。面倒な転職活動をわざわざするのは、そのような問題を解決することが目的だ。実際に求人を探し始めると、ほとんどの場合は複数の会社が応募先候補に挙がる。そして複数の会社から内定が出た場合に、転職の目的が明確になっていないと、「この会社に転職すべきか」の判断を下せなくなってしまう。後々の判断のためにも、転職の目的とその優先順位、すなわち転職の「軸」を持っておくことが大切だ。

 

 

Step2:求人を探す

 

求人を探す際には、大きく分けて転職サイトで探す方法と、人材紹介会社を使って探す方法がある。

 

転職サイトで探す

転職サイトの最大の魅力は掲載されている求人件数だ。まずは市場にどのような求人があるのかを網羅的に確認する際には必ず活用したい。掲載されている求人は、人を採用したい企業が直接求人を載せている場合と、この後で説明する「人材紹介会社」が企業から預かった求人を載せている場合がある。後者の人材紹介会社の求人の場合は、応募しても募集している企業に直接連絡が行くわけではなく、人材紹介会社への登録・面談を経て応募という形になるので、その点は認識しておいたほうがよいだろう。

転職サイトで、自分が就きたい職種や業種、キーワードなどで検索し、ある程度絞り込んだ上で、一つ一つ求人内容の詳細や、給与・待遇・就業環境などの条件面を見て吟味していくのが一般的な探し方だろう。このように自分のペースでゆっくり時間をかけて検討できるのが転職サイトで求人を探す一つのメリットだといえる。

一方、転職サイトの求人検索機能は便利ではあるが、通販・EC業界の仕事については探しにくい場合もある。アパレル通販をやっている会社が「アパレル」の業種に分類されていたり「通販」に分類されていたりするためだ。職種・業種・キーワードなどで多方面から検索するなど、探し方に工夫や一手間をかけて抜け漏れがないように探していきたい。

 

人材紹介会社で探す

人材紹介会社とは、転職したい個人と、人材を採用したい企業を仲介する会社だ。人材紹介会社は、人材エージェント、転職エージェントなどと呼ばれる。人材紹介会社は、転職希望者を企業に紹介して、採用が決まった場合に企業から手数料を受ける形態をとっているのが一般的だ。転職希望者は無料で利用でき、複数の人材紹介会社に登録することも可能だ。

転職希望者は、人材紹介会社に登録し、担当者との面談(面接ではない)で自分の希望条件などを伝えて、自分の条件に合う仕事を紹介してもらう。求人への応募は、人材紹介会社から企業への「推薦」という形になる。応募書類作成のアドバイスや、面接日程の調整なども企業との間に入ってしてくれるので、転職に不慣れなケースなどでは求人探し以外の面でも利用価値が高い

人材紹介会社には、いわゆる大手、幅広い業種の企業から求人を預かっている総合系の人材紹介会社と、特定の業種や職種に絞って転職をサポートしている専門系の人材紹介会社がある。企業から預かっている求人数がトータルで多いのは総合系なので、安心感はあるが、その中に「自分に合った求人」がたくさんあるとは限らないケースもある。

ある程度、自分の行きたい業種や就きたい職種が決まっているのであれば、専門系の人材紹介会社を活用する方が良い求人に出会える確度が高まるケースが多くなる。通販・EC業界にも専門とする人材紹介会社があるため、通販・EC業界専門の人材紹介会社に登録をしてみることをおススメする。一般的に専門系の人材紹介会社は、業界での人脈を築いているため、特定の分野に限ってみると総合系よりも多くの求人を持ってる場合も多い。また、専門系の人材紹介会社は業界特有の事情にも深く通じているため、求人情報以外にも、その業界でのキャリアプランなどについてアドバイスしてもらえる。時には、自分では思いつかないようなキャリアの提案もしてもらえるのが大きな魅力だ。

 

転職サイトや人材紹介会社で求人を探し転職先候補をピックアップした際に、気を付けたいポイントがある。EC業界では、その企業がECサイトを運営しているのか、ECサイトを運営している企業に対してサービスを提供している企業なのかによって、大きく転職後のキャリアプランも変わってくる。また、ECサイトを運営している企業だけを見ても、その企業の中でのECサイトの占めるウェイトや、サイト運営年数によってもどのようなことを求められるのかは異なってくるため、あなたの考える転職の目的がどの程度達成することが出来るのかは異なってくる可能性が高い。単にEC業界だから、というだけでなく、転職先候補に挙がっている企業の中でのオンライン事業のポジショニングはしっかり確認しておいた方がいいだろう。

 

<参考>

EC業界で働きたい!と考えるあなたに、EC業界の職種と必要スキル総まとめ

 

 

Step3:応募

 

自分にあった求人を見つけることが出来、応募したい場合に必要になるのが応募書類である。転職の場合の応募書類は、一般的には履歴書と職務経歴書だ。EC業界でも応募書類に関しては他業界への転職と大きな違いはない。

 

履歴書

以前は履歴書を郵送し、それが非常に大きなウェイトを占めたケースもあったが、今は転職サイトや人材紹介会社からの応募が大多数を占めるようになったので、履歴書があなたに対する「第一印象」になるケースはほとんどない。ただ、採用手続き上必要な書類であることは変わりないので、丁寧に作成する必要がある。基本的には市販の履歴書を使い、黒のボールペンで手書き記入するのが一般的だ。字の上手・下手があるのは仕方ないが、最低限、丁寧な印象を与えるよう、誤字脱字に気をつけ、時間的にも気持ち的にも余裕を持って作成するようにすべきである。

 

職務経歴書

こちらは、初めて転職活動をする際には聞き慣れないものだが、履歴書と異なり「職務経歴」「志望動機」「自己PR」を記載した書類だ。ただ、履歴書と同様に、Web等を通じて応募することが一般的になり、応募先企業に職務経歴書を提出するよりも先に、転職サイト等に職務経歴を登録するケースも多くなっている。職務経歴書は原則としてパソコンで、Wordなどのワープロソフトを使って作成する。フォントに決まりはないが、基本的には明朝体を使う。A4サイズの用紙で、枚数は経歴の長さにもよるが2枚〜多くても3、4枚程度にまとめるのが一般的だ。厳密に決められた書式はないが、Webで「職務経歴書 書き方」などで検索すると、さまざまなサンプルが見つかるはずなので、それを参考にしながら、書類を作成していくことをおススメする。

また、EC業界に関係する部分でどのような経験があるのかを、求人のニーズに沿って分かりやすく記載することも重要だ。店長的な役割を求められている場合にはプロジェクトマネジメントにスコープを当てた経歴が目につくようにしておきたいし、マーケティング的な役割を求められている場合はデータ分析や販促施策の経験が分かるようにしておいた方がいいだろう。

 

 

Step4:面接

 

実際に求人への応募を行い、書類選考に通過すると、次は面接となる。面接回数は通常1~3回が一般的だ。

 

日程調整

書類選考を通過すると、企業に直接応募した場合は企業から、人材紹介会社を通じて応募した場合は人材紹介会社の担当者から、面接依頼が来る。日程調整は、もちろんお互いの都合を調整するのだが、やり取りを間違うとそれだけでマイナス評価に繋がるケースもあるので、注意が必要だ。候補日を挙げるよう連絡がきたら、できるだけ早めの日程で候補を挙げ、候補日時は、1つだけでなく複数、3つくらいを挙げて幅を持たせると、企業側も調整がしやすいだろう。また、2週間も3週間も先の日程を挙げるのはできるだけ避ける必要がある。企業側が想定している採用スケジュールと大きくズレると、それだけで「今回は採用を見送ろう」と判断されてしまう場合もある。また、その間に別の候補者の方に採用が決まってしまう恐れもあるのだ。

 

面接準備

面接では、冒頭で自己紹介を促されたり、転職理由、志望動機などを聞かれるケースが多い。これらのよく聞かれる質問に対して、何をどう答えるか準備をしておくことは、一番重要なことだ。また、これらの質問は、事前準備で考える内容の本質的な部分でもあるため、職務経歴書にも書いた内容とも重なる。職務経歴書の内容とズレがあると、それだけで情報の正確性が疑われてしまうため、面接を受ける会社に提出した職務経歴書の内容を見返して、面接では齟齬が生じないように注意が必要だ。また、面接を受ける企業の沿革や概要、提供しているサービスの内容、市場でどのような評価を得ているのか、などは最低限のマナーとして勉強していく必要がある。

また、面接を受ける企業のオンライン事業の沿革や現状、会社内での位置付けなどはしっかりと検索を行って情報収集をして面接に臨んでいきたい。特にその企業のホームページに記載されているサービスの導入事例や、主要の取扱商品の口コミなど、その企業が提供するサービスや商品がどのようなニーズを持ったお客様に受け入れられて、どのような評価を得ているのかは理解して面接に臨んだ方がいいだろう。

 

 

Step5:内定

 

内定連絡

最終面接を通過したら、あとは内定の連絡を受け取るだけだ。縁があってもし内定を企業から受け取ったら、それを承諾して入社に向けた準備に入るか、あるいは、この時点では辞退という選択肢も残されている。内定の通知を受けた後、1週間から長くても2週間程度で最終の回答を求められるケースがほとんどだ。大事な決断なので、よく考えて返事をするようにしたい。

 

労働条件確認

内定が出ると、企業から「内定通知書」「労働条件通知書」といった書類を渡される。内定の連絡と同時にメールでもらうか、あるいは面談の機会が設けられてそこで渡されるか、方法はさまざまだ。企業には、内定者に「書面で」労働条件を提示することが、法律で義務づけられている。そこで、給与や労働時間、休日などの労働条件について改めて確認する必要がある。会社に雇用されるということはその会社との「契約」と考えたい。入社後に「こんなはずではなかった」と思わなくて済むよう、不明な点や、面接時に聞いた話と違って腑に落ちない点は、企業側に確認するようにしたい。

 

 

Step6:入社

退職手続き

内定が出て、その企業に転職することを決めた場合に新しい環境での活躍をイメージして気分が高揚する反面、今現在籍がある会社への退職手続きや連絡が気が重いという人も多いだろう。しかし、立つ鳥跡を濁さず、今後社会のどこで出会うか分からないこともあるので、きちんと後腐れなく周囲に伝えて、適切な手続きを行っていきたい。もちろん退職のきっかけとなったような上司などがいた場合には全ての人に好意的に受け入れてもらうことは難しいが、言いたいことはぐっと飲みこんで、冷静で建設的な対応を心掛けたい。そこでの経験はきっとあなたを一回り大きな人間へと成長させてくれるはずだ。

 

入社後

転職した直後は、新しい上司、新しい同僚から早く認めてもらおうとして、成果を焦りがちだ。もちろん、採用した企業の側も、即戦力として成果を挙げてほしいと思っていることは間違いないが、その会社で長く安定して成果を出し続けるには、新しい職場や業務に馴染むフェーズも一定期間必要だ。

転職活動中は、「自分はこういうことができます」「これが得意です」とアピールすることを意識してきたはずだが、入社後は気持ちを切り替えて、上司や同僚に「教えてもらう」姿勢を持つことが重要だ。ある意味、その会社の人たちも、転職してきた人に「認めてもらいたい」と思っているのだ。良好な人間関係という土壌がつくれれば、その上に自然と成果がついてくるはずだ。

また、ECサイトを運営している企業では、既存の取引先など、多くの関係会社が存在するはずだ。それらの企業とは基本的には今後も取引を続けていくことになるため、それらの担当者とのコミュニケーションにも気を付けていきたい。むやみに実績をアピールして背伸びをすることなく、着実に信頼関係を築いていった方がいいだろう。

 

 

EC業界での転職を成功させるために

 

EC業界での転職活動の流れを見てきたが、ここで改めてそれぞれのStepで重要な点をまとめてみる。

 

Step1:事前準備

  • 自分のキャリアを振り返った上での自己分析が必要
  • 業務と自己分析を上手に結びるけることが出来ると理想的
  • 何のために転職するのか明確化し、転職の「軸」を持っておくことが大切

 

Step2:求人を探す

  • 転職サイトは自分のペースでゆっくり時間をかけて検討できる
  • 人材紹介会社は求人探し以外の面でも利用価値が高くその業界でのキャリアプランなどについてアドバイスしてもらえる
  • 転職先候補に挙がっている企業の中でのオンライン事業のポジショニングはしっかり確認

 

Step3:応募

  • 応募書類は時間的にも気持ち的にも余裕を持って作成する
  • EC業界に関係する部分でどのような経験があるのかを、求人のニーズに沿って分かりやすく記載することも重要

 

Step4:面接

  • 面接日程調整はできるだけ早めの日程で複数の候補を挙げて幅を持たせる
  • 面接を受ける会社に提出した職務経歴書の内容を見返して、面接では齟齬が生じないようにする
  • 提供するサービスや商品がどのようなニーズを持ったお客様に受け入れられて、どのような評価を得ているのかをしっかり理解

 

Step5:内定

  • 内定の通知を受けた後、1週間から長くても2週間程度で最終の回答を求められる
  • 労働条件で不明な点や、面接時に聞いた話と違って腑に落ちない点は、企業側に確認する

 

Step6:入社

  • 退職手続きは冷静で建設的な対応を
  • 入社後は上司や同僚に「教えてもらう」姿勢を持つことが重要
  • 関係会社の担当者とのコミュニケーションにも気を付ける

 

転職をして新しい環境に足を踏み入れる際には、やはり少し背伸びをしたくなってしまうもの。しかし、そのようなことをしてもハッピーな転職にはなりにくいのも事実。そのため、ここで挙がっているのは社会人として当たり前のポイントばかりだ。転職活動では、このような基本的なポイントをしっかり意識して、地に足のついた活動を進めていくことで、あなたにとって最良の企業に巡り合うことが可能になるのではないだろうか。

 

 

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