EC業界に転職する上で一番大事なポイントは、転職先企業経営層の「EC業務への理解」

 

ネットショップ・ECサイトが日常的に多くのユーザーに使われるようになった一方で、ECサイトを運営している企業の多くは人材不足に悩んでいる。そしてEC業界に転職したい人ももちろん増えてきているのだが、なかなか人材と企業とのマッチングが進まない現状があるという。ECという新しい業界に身を投じたいという人材は、転職に際してどのような壁や悩みに直面するのだろうか。今回は、EC業界へ転職し、現状の職場に満足している経験者にお話を伺い、EC業界での転職に流れや注意点などを紹介していきたい。

 

今回のインタビューはEC業界に特化した人材紹介を行う株式会社ニュースターの協力のもと、転職活動を成功させた株式会社白木屋の叶内貴彦氏に、EC業界に転職する際の経緯や経験などを聞いた。

 

 

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——叶内さんは転職を経て、現在株式会社白木屋でサプリメントの通信販売業務に携わっていますが、これまでの職歴を教えていただけますか?

 

叶内:大学中退後、広告や雑誌のDTPオペレーターとして約10年間勤務しました。その後、Web業界に興味があったのでEC支援会社に転職し、ある小売業のECサイトの運営制作に携わるようになりました。そこでは主に、サイトのUIや更新、販促の提案、バナーやメルマガの制作を任されていました。

▲真面目な表情で転職活動について語る株式会社白木屋の叶内貴彦氏

 

 

——転職を考えたきっかけは?

 

叶内:前職のEC支援会社は、職場でも自分のパソコンやWi-Fiを使わざるを得なかったりと、仕事の内容以前に職場環境が整っていませんでした。そのため、働き始めてすぐにいい会社があればいつでも転職したいと思うようになり、わずか4カ月で退職したんです。DTPのオペレーター時代から、自分に合わないと思うとすぐに転職を繰り返してきたので、転職に対する迷いはありませんでした。ただ、紙中心の業界からWeb業界へ転職した際に苦労したので、転職にあたっては情報収集を兼ねて事前にいろいろな方にお話を伺おうと決めていました。その流れで、EC関係のメルマガに紹介されていたニュースターの寺田さんにご連絡してみたんです。最初は、転職できるにこしたことはないけれど、まずは情報収集だけでも、という思いでした。

 

 

——実際にニュースターの転職支援を利用していかがでしたか?

 

叶内:EC業界に精通していて、かつ求人企業の個別事情に詳しいという点は非常にプラスに働きました。今回、これまでの転職活動で利用していたクリエイター系の転職エージェントともやり取りしましたが、どこも在り来たりの情報しか持っておらず、自分で調べるのと大きな違いがなかったように思います。一方ニュースターでは、求人企業の事業特性や社風といった生の情報と、企業側が求めるニーズについてそれぞれ事前に詳しく教えていただけたので、自分が納得した上で面接に臨むことができました。寺田さんが担当の方と密にコミュニケーションを取ってくださったので、とにかく安心感がありましたね。奥深くまで入っている感じというか、それは寺田さんの営業力だと思います。

 

 

——これまでの転職活動とは少し違ったんですね。

 

叶内:ええ。これまでお付き合いのあった転職エージェントは、求人企業ついてうわべだけの印象で話されることも多く、互いに理解し合える前に面接に臨んでいたという印象がありました。書類選考は通っても、面接が終わった瞬間に不採用と言い渡されることも多く、そもそも書類をきちんと見ていただけているのかという疑問だけが残っていたんです。でも今回寺田さんが紹介してくださった企業は、どこもきちんと書類選考をしていただけている感じがあって、面接のスタートが違うという感覚でした。全体を通して、非常に納得いく転職活動ができたと感じています。

▲気さくな表情が特徴的なEC通販求人転職エージェント代表の寺田氏と叶内氏

 

 

——転職先の業務内容は何を一番重視しましたか?

 

叶内:広告などのマーケティング、上流からしっかりやるという部分のスキルを身につけたかったので、その段階から携われるような会社を選びました。転職活動前はWeb系のセミナーに通うことも多かったのですが、ある時「Webはあくまでもツールで、事業の売り上げやサービスのために使うものだ」ということを教わりました。それまでの自分は、Webの制作スキルを伸ばすことばかり考えていたので衝撃を受けましたね。結局、Webも作っているだけだったら紙のように10年後、20年後は同じ状況に陥ってしまう。だからWeb制作しかできない会社には入りたくなかったんです。

 

 

——では、どのようなスタンスで転職活動に挑みましたか?

 

叶内:いくらエージェントが勧める働きやすい会社でも、職種と転職時期が違えば環境は変わってくるということをこれまでの転職で実感してきました。さらに、年齢によって会社が求めることが変わってくるので、それらを念頭に転職活動を行いました。そのあたりは頭では分かっているつもりでしたが、自分の年齢とスキルとの兼ね合いは微妙で大変でしたね。Web制作に携わる人間は、デザイナーやSEのように何か1つの行程しかできない人が多いですが、自分は逆に広く浅くのスキルしか持っていません。そのため、1つの分野において突出したスキルを求めているような会社に対しては、実務経験がないという点は正直きつかったです。

 

 

——EC業界特有のものなのでしょうか。

 

叶内:ECの支援会社は経験者を採用したがるケースが多く、独学や未経験者は受け入れる体制が整っていないケースが多いと感じます。EC事業会社に関して言うと、上の方たちがEC業務自体を理解していないことが多く、ITやテクノロジーに強いというだけで、そのような人に業務をどさっと任されるケースが多いのではないでしょうか。EC業界は特に、人を育てるノウハウのない企業が多く、育てることができる人も少ないと感じます。

 

 

——これからEC業界に転職する方にアドバイスをお願いします。

 

叶内:どの業界にも共通して言えることですが、転職とひと言で言っても年代によって求められるものが変わってくるので、自分のやりたいことと求められていることを意識して転職活動をする必要があると思います。

また、「EC業界」と言ってもECサイトを運営している事業会社と、その会社を支援するEC支援会社によって大きく企業側が求めているニーズが違うことも分かってきました。特にECサイトを運営している事業会社は、経営層の方たちがテクノロジーの全体的なトレンドやEC業務自体を理解していないことが多く、経験とかスキル、さらにやりたい業務などについての理解がなかなか得られないケースが多いと感じました。そのような会社に入ってしまうと、IT関係は何でも出来るスーパーマンのように誤解されてしまい、時間と共に経営層の方と目標や認識にギャップが生じてきてしまいお互いにハッピーにならないように思います。そのため、面接でその期待値のコントロールをしていかないと、転職しても満足する結果が得られないのではないでしょうか。

 

 

——採用する側と応募する側に考えの相違があると。

 

叶内:そうですね、経営層の方がECについて勉強しているかどうかは1つのポイントだと思います。自分主導でやりたいという方は別ですが、共に作り上げていきたいのであれば、経営層の方にある程度学ぶ意欲があるかということを転職時に知っておきたいですね。自分主導でやらざるを得ない場合、すべてを丸投げされてキツくなる人もいるかもしれません。ECの世界は答えが決まっていることでもないですし、今まで通用していたものがすぐに通用しなくなる進化し続ける世界なので、自分で勉強したり新しい情報をキャッチアップするような経営者や上司が率いている企業を選ぶべきなのではないでしょうか。

 

 

——叶内さんご自身は、この転職活動を活かして今後どのように仕事に従事していきたいですか?

 

叶内:これまで学んできたことをようやく実践的な形で使えるようになったので、Webは作って終わりではなく、物を売るためのツールだということを突き詰めていきたいと思っています。また、転職を繰り返して劣悪な環境を経験してきたからこそ、自分がこれから作っていく組織にはそういったことがないようにし、下の人も育てられる体制を作っていきたいですね。

 

 

 

叶内さんのお話を聞いていると、転職・採用というものは、企業側も転職希望者側も、しっかりとお互いのことを理解した上で、双方のことを理解することの重要性を感じる。転職希望者は自分のやりたい仕事、将来像をある程度クリアにして、その業務についての理解が得やすい環境に身を投じることが満足度を得やすいのではないだろうか。一方で、採用する企業側もECサイトを運営するための業務や、そのための人材を育成する重要性と言うのをしっかりと理解して採用を行っていくことが良い人材を採用するためには欠かせないのではないだろうか。

 

 

EC通販求人転職エージェントとは

 

今回のインタビューに協力して頂いた、ニュースター社が提供するEC通販求人転職エージェントは、EC業界に特化した人材紹介サービスだ。大手転職エージェントが配信する大量のスカウトメールやデータベース上のマッチングによって転職活動を行うことが主流の昨今、人と人とのコミュニケーションに軸を置いて人材紹介を行うという独特で人間味の溢れるスタンスを貫いている。2014年より、EC業界に特化した転職支援サービスを提供しているニュースター社は、データベースだけに頼ることなく、きめ細かなサービスで多くの人の転職を手助けしてきた。

 

 

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