モバイルアプリのリテンション率を向上させるマーケティングとは | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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マーケティング
2018/03/15

モバイルアプリのリテンション率を向上させるマーケティングとは

ユーザーにモバイルアプリをインストールさせ、起動させるだけでは、目標の半分しか達成していない

これは、Kristin Cronin氏による「ユーザーを満足させエンゲージメントを高める方法」についての寄稿である。

 

マーケターにとって、現状に至った経緯を理解すべき時がきている。マーケティング担当者が活用できる技術は進歩し、ユーザーにとってスマートフォンはなくてはならないものになったにも拘らず、なぜ大量のユーザーがモバイルアプリから離れていくのだろうか?

この現状を変えられるかどうかはモバイルマーケティング担当者にかかっている。アプリの新規ユーザー獲得ではなく、既存ユーザーのリテンション(維持)に焦点を移すべきである。

長期間モバイル業界で働いているマーケティング担当者であれば、新規ユーザー獲得が、最も重要視すべきモバイルアプリの指標とみなされた時代があったことを知っているだろう。当時は、アプリをインストールし、起動させ、ユーザーベースを拡大することが重要だった。しかし、その後、アプリを起動した利用者の25%が、一度しかアプリを使っていないことが判明し、アプリの「インストール数」だけで判断するのではなく、「エンゲージメントとリテンション」を促進するアプリ内施策に、より焦点をあてるべきであることがはっきりした。

 

何を学んできたか

マーケティング担当者が何を学んできたのか。リテンション率(ユーザーのアプリ使用についての継続率)を向上させる施策が何であるかを知る必要があるだろう。まず、現在リテンション率がどのような意味を持っているかという点について確認する必要がある。Localyticsの調査によると、どの業種でもモバイルアプリのリテンション率の平均は90日後で22%である。つまり全アプリユーザーの78%が、90日以内に利用しなくなるということだ。

では、どうすればユーザーがアプリを継続利用してくれるのか。モバイルマーケティング担当者ができる、アプリのリテンション率を向上させるための9つの方法は以下の通りである。

 

1.アプリのオンボーディング(初回起動時)設計の改善

使い始めにアプリの価値や使い方がよくわからないと、離脱率は劇的に増加する。良いアプリのオンボーディングは、どのように設計されているのか。それは、アプリの価値や中心となる機能を強調し、CTA(call to action/行動喚起)を効果的に設置し、必要な情報だけをユーザーから収集している。

 

2.アプリ内メッセージの活用

ユーザーはアプリを利用中、アプリ内メッセージを受信できる。通常はユーザーが何かのアクションをした後に送信されるものだ。そのため、非常に関連性が高く、ユーザーがアプリ体験を簡単に進めていくのに役立つ。さらに、これがリテンション率を3倍にすることが知られている。便利なアプリ内メッセージは利用者に新しい機能を教え、変更内容を明らかにし、例えば米の配車アプリUberのピーク料金通知機能のような重要な情報をシェアする。

 

3.プッシュ機能でアプリを起動していないユーザーにアプローチする

プッシュ通知は、アプリを起動していない利用者と交流するために極めて重要だ。利用者のホーム画面にすぐに表示され、内容を伝えることができる。これは利用者にパーソナライズされた魅力的なメッセージを届け、位置情報のような最新のプッシュ通知技術と連動させることが可能である。

 

4.ユーザーが必要とするものを提供する

アプリ利用者は、自分の好みやロケーション、アプリ内行動にあったインタラクションを求めている。事実、最近の研究によると、個別化されたプッシュ通知とアプリ内メッセージは、不特定多数のすべてのユーザーに対して同じ内容を送信する場合よりも効果が高いことがわかった。

 

5.予測能力を持つ

どのユーザーが離れていく可能性が高いかを理解することは、アプリ離れを防ぐ可能性を広げる。モバイルマーケティング担当者は、ユーザーが完全に離脱し手遅れになる前に、高度にパーソナライズされたメッセージングキャンペーンを実施し、ユーザーを引き留め、長く利用させるべきだ。

 

6.使わなくなったユーザーに再度利用を促す

iOSユーザーの半分はプッシュ通知を拒否している。その場合、離脱ユーザーを引き戻すのは実に難しい。この解決法はリマーケティングだ。アプリを利用していないユーザーに、eメールやSNS、検索連動型広告を利用し、説得力のあるリマインダーでアプローチするのは、再利用を促すのに非常に有効だ。その際、ユーザーの行動、興味、嗜好を的確にとらえ、適切なメッセージを発信することが必要である。

 

7.A/Bテストを敬遠しない

CTA(行動喚起)のようなマーケティング戦略が機能しているか否かについて、真に知る方法はA/Bテストである。A/Bテストにから得た結果により、よりスマートで効率にキャンペーンを展開し、エンゲージメントとコンバージョンを促進するメッセージングや機能に重点を置くことが可能となるためだ。

 

8.オムニチャネル体験を創造する

マーケティング担当者が犯す大きな間違いは、自社の全体のマーケティングチャネルにアプリを統合していないことだ。アプリは、残りのマーケティング戦略から切り離され、その結果、ユーザーのブランド体験も分断される。マーケティング担当者は、利用者にシームレスな体験を提供するために、全チャネルを通じてアプリを宣伝して活用する必要がある。それはアプリをより魅力的にし、結果としてリテンション率が向上する。

 

9.データを活用する

どのチャネルでも同様だが、モバイルで真の成功を手にするにはデータをうまく利用しなければならない。データを活用することにより、どのくらい継続ユーザーを維持できており、アプリマーケティングキャンペーンがどのくらいインパクトのある変化をもたらしているかを理解するのに必要な見識を得ることが可能だ。適切なデータ分析を行うことで、ユーザーとのインタラクションを強化することができ、最終的にリテンション率が向上する。

 

今こそが、マーケティング担当者にとって、アプリの利用を継続させるために、リテンション施策を講じるチャンスだ。リテンション率が、新規ユーザー獲得やエンゲージメントと共に、アプリを成功させるためのKPI(重要業績評価指標)となるからである。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の3/8公開の記事を翻訳・補足したものです。