eコマースにおける誤った7つの神話 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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マーケティング
2018/02/22

eコマースにおける誤った7つの神話

このPratik Dholakiya氏による寄稿は、eコマースに関わる7つの固定概念の嘘を暴き、何が効果的で、何に効果がないかという真実を明らかにする。

非常に賢明なマーケターであっても、全くの虚偽に基づいて決断を下した場合、深刻な間違いを犯すだろう。eコマース業界とそのマーケティングに関する誤った神話は数多く存在する。ここでは7つの神話について、その罠にはまらないための方法を説明する。

 

1. 収益と利益のみが、注目すべきKPI(重要業績評価指標)である

過去のWebマーケターは、企業のニーズとの関連性が曖昧かつ不明確な指標に固執する傾向があった。なぜなら、そもそもウェブマーケティングは、役員会に対して、ランキングやトラフィックといった指標の正当性の根拠を証明する必要がない、個人で行う業務の集合体から生まれたからだ。

企業がインターネットを活用することが当然となるにつれ、個人で業務を行っていたWebマーケターは企業組織に組み込まれ、再学習する必要に迫られた。しばらくすると、収入と利益の予測に基づいて意思決定を正当化することが極めて重要であるかという噂が広まった。

しかしながら、収入と利益の予測の重要性があまりにも強調されたため、他のKPIの必要性を曇らせてしまう結果となった。収入と利益は、ビジネスの健全性を示す明らかな兆しと成り得るが、企業のパフォーマンスを図る唯一の指標ではない。

 

他に注目すべき指標を、以下に提示する:

  • コンバージョン率:サイトのビジター数のうち何%が、最終的に購入したか。リピートビジターかどうか、また、トラフィックの総計によって、コンバージョン率がどのように異なるかを検討する必要がある。キャンペーン、ランディングページ、セッション中のインタラクション、以前のインタラクション、トラフィックソースがコンバージョン率に与える影響に注目しなければならない。
  • チャネルトラフィック:Webマーケティングの初期段階からの名残のように聞こえるかもしれないが、常にウェブトラフィックを把握することは重要だ。トラフィック数値と収益との不一致は、決して収益やトラフィックがない状況を指している訳ではない。トラフィックとそのトラフィックがどこから来ているかに注目しなければ、正しく理解することはできない。
  • アセットの生涯価値:標準的なウェブページが、存在期間に生み出す収益の額は?どのページが永久に収益を生み出し、どのページからの収益が減少しているのか?アセットの生涯価値について予測しなければ、ランディングページとコンテンツ開発における長期的な収益性の判断は不可能だ。

 

2.ソーシャルメディアから誘導したユーザーは、購入しない

ユーザーはソーシャルメディアを使用して、日常的に商品を探し出すことはしない。それ故、特に投資がすぐに回収できないときは、ソーシャルメディアを収益性のないチャネルとして切り捨てがちである。

しかし、ソーシャルメディアのマーケティングを無駄な取組みだと見做すことは間違いだろう。米国ベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsによると、広告をクリックするFacebookユーザーの26%が商品を購入し、2017年のFacebookへの広告費は前年比で62%増加したという。

 

 

ソーシャルメディアの活用方法は、広告出稿だけではない。GetAmbassadorが、最近発表したよるソーシャルカスタマーサービスに関するレポートによると、企業のソーシャルメディア上のカスタマーサポートに満足したユーザーの71%は、その企業や商品を他のユーザーに薦める可能性が高いという。

 

 

Monetateの調査によると、ソーシャルメディア経由のユーザーのコンバージョン率は0.71%であり、検索エンジン経由の1.95%、eメール経由の3.19%と比較した場合、低い数値である。しかし、ソーシャルメディアは大部分のサイトへのリファラルトラフィック(検索エンジン以外のサイトからのアクセス)の中で、最も高い割合を占めるソースでもある。一般的なサイトのリファラルトラフィックの31.24%を占めるのだ。

 

 

ソーシャルメディア経由のビジターは購買ファネルのかなり上位に属するため、購入までには多くの段階を経る必要がある。しかし、ソーシャルメディアを無視することにより、悪影響が生じることも認識する必要がある。

 

強力なソーシャルメディア戦略によって、非常に多様なオーディエンスからのトラフィックを獲得でき、ソーシャルメディアがなければ企業を認知することがなかったオーディエンスに対し、露出することを可能にする。単に需要の活用をするだけでなく、需要を生み出すチャンスとなるのだ。

また、ソーシャルメディアのマーケティング戦略は、2次的効果を生む。インフルエンサーから注目を集めれば、よりターゲットを絞ったトラフィックを企業サイトに誘導することができる。その結果、最終的には検索エンジンのランキング表示に好影響をもたらすだろう。

積極的に動くことで、ソーシャルメディアからのビジターを自社のeメールリストに追加することも可能となる。eメールリストのユーザーは、将来的に購入する可能性が高い。

 

3.Eメールはもう使用されていない

これは、現在最も危険な神話かもしれない。Eメールは古いテクノロジーであるが、誰も使用していないわけではない。

実際のところ、Eメールはインターネット上でユーザー同士をつなぐ、最も一般的なコミュニケーションツールである。ソーシャルメディアの個人アカウントへの投稿は、必ずしもフォロワーには届くとは限らない。商用アカウントへの投稿は尚更である。メッセージングアプリとテキストメッセージは、ターゲットとするユーザーに対し、より直接的に届けることが可能だ。しかし、それらのプラットフォームの商用メッセージは、Eメールほど容易に受け入れられていない。

 

大抵の場合、Eメールは消費者に直接コンタクトを取ることでき、かつ消費者が好意的に受け入れる唯一の手段である。Eメールがうまく機能すれば、Eメールアドレスの受信者は、受信したほとんどのEメールの件名に目を通すことになる。これは、ソーシャルメディアストリーム以上の効果がある。ソーシャルメディアには受信トレイはなく、投稿はユーザーに見られるか、もしくは全く見られないかのどちらかになってしまうからだ。

 

Eメールリストを構築することは、あらゆるデジタルマーケティング戦略の中核となる。Eメールリストなしでは、デジタルマーケティング戦略が暗礁に乗り上げているようなものだ。

 

4.すべてのマーケティング活動は、自社サイトの外で行われる

自社サイトでのすべての活動を「開発」、他サイトで行う活動を「プロモーション」と定義づけるのは間違いである。特に、自社サイトと他社サイトでの活動をそれぞれ分離して考えることは問題だ。

「商品自体がまさにマーケティングツールである」という自明の事実こそが、重要なのである。

 

マーケティングは他社サイトで行われるのと全く同様に、自社サイトでも機能する。実際、最強ブランドは他社サイトと同程度もしくはそれ以上のマーケティング施策を自社サイトで行っている。そして、自社サイトマーケティングには次に列挙する通り、多数のアプローチ方法がある。

 

  • 売上やコンバーションを最大化するために、ランディングページ最適化のスプリットテストの実施。
  • eブックなどの見込み客を増やすアセットや、メーリングリストに登録する動機を与える他のリソースの開発。
  • ユーザーが自社の商品を探す際に、検索に使用するフレーズやワードと適切に連動したランディングページを作成することと、ユーザーの検索意図を十分に理解し、購入や問い合わせにつなげること。
  • 根拠あるブログコンテンツと正しいキーワードを使用し、適切なオーディエンスをターゲットとすることにより、見込み客を増やすアセットを活用し、ユーザーとの信頼関係と相互関係を構築すること。
  • ユーザーが探しているものを的確に見つけることができるように、分かりやすいサイトを開発すること。
  • カートと決済システムを改良し、ショッピングカートの放棄につながるボトルネックを解消すること。

 

上記の例は、企業のウェブサイトがマーケティング戦略の重要な役割を担うためのほんの一部である。サイトを継続的に更新していなければマーケティングに活用できているとは言えず、マーケティング戦略の半分しか達成できないだろう。

 

5. ソーシャルメディアマーケティングの目標は、拡散である

この神話は、多くのeコマースサイトの宣伝手法の中心となっている。そのため、他の神話よりも、ソーシャルメディアマーケティングの評判を落とし、実行を困難にしている。

 

この神話に問題があるのは、すべての例えが間違っているからだ。ウェブ上で最も人気のあるコンテンツは、実際のところは我々が想像するように、1つのコンテンツが友人から友人へと次々シェアされるような口コミで拡散されるわけではない。

 

Sharad Goel氏のチームが行った、Twitterの10億件を超えるイベントの分析調査によると、ネットワーク上でコンテンツが「影響力のある人」に的中した場合、非常に人気のコンテンツとなるのだ。

 

 

コンテンツは指数関数的に繰り返されるシェア効果によって急速に広まるのではない。少数の影響力のあるユーザーが、彼らを取り巻く他のユーザーと共有することにより急速に拡散されるのだ。

 

Twitterが最近行った調査によると、調査対象ユーザーの20%は、インフルエンサーのツイートによって、おすすめ商品情報をシェアするかどうかの判断に影響すると回答しているという。そして購入判断になると、インフルエンサーに影響を受けるユーザーの割合は倍増する。

Twitterユーザーの40%近くが、インフルエンサーのツイートに直接的に影響を受けて、商品を購入した経験があると回答している。

 

幸運なことに、指数関数的に拡散される可能性もあるが、コンテンツがどの程度シェアするに値するかという点に注視しているのではなく、オーディエンスリテンション(視聴維持率)に依存している。

例えば、1つのコンテンツを公開する度に20%のオーディエンスを失う一方で、ソーシャルメディアからのオーディエンスを20%獲得していたら、企業はコンテンツの公開を継続するだろう。つまり横ばいの伸び率である。しかし、コンテンツを公開するたびに、失っていた20%全体を保持することに成功すれば、オーディエンスは指数関数的に増加するだろう。

指数関数的成長の継続には当然終わりがあることは明らかだが、この思考実験によって、真の優先事項が何であるかが明確になる。新しいオーディエンスにリーチし、既存のオーディエンスを保持することが重要である。

 

ソーシャルメディアは既存オーディエンスへのリーチに、最も適さないメディアの1つと感じている。あくまでソーシャルメディアは、Eメールリストや、より直接的なコンタクトが可能な他メディアのオーディエンスへ誘導する必要があるトラフィックソースだと考えるべきだ。

 

6. 良い商品は、マーケティングを必要としない

この概念の信念は企業の意思決定レベルの経験が短いほど、この概念を信じる傾向にある。

 

マーケティング戦略がないことへの言い訳であり、アイデアを伝えるインターネットのパワーを過信しすぎている。その一方で、人々が日々晒されている膨大で高密度の情報を無視しているのだ。

上記で説明したように、我々の想像通りに口コミというのは広まらない。一般的なコンバージョン率は非常に低いという事実に加え、商品に関するニュースが奇跡的に口コミで広まったとしても、たった1日でターゲットオーディエンスに拡散してしまうため、効果は限定的で、次に実施すべき施策もない。

 

数百万ドル(結果的には、数十億ドル)のマーケティング費用を費やしたiPhoneのような革命的な商品でさえも、売上は落ち込み始める。商品にはマーケティングが必要だという単純な真実である。高品質な商品は肯定的なレビューや口コミに繋がるが、マーケティング戦略に取って代わるものではない。企業が相当な努力をしない限り、ターゲットオーディエンスの大部分に企業メッセージが届くことはない。

 

7. できるだけ多くのユーザーに、リーチする必要がある

マーケターや戦略的意思決定者は、頭では単にトラフィック数値を追い求めるべきではないと理解しているが、どうしてもトラフィックに固執する傾向がある。それ故に、動機が合理的であるかどうかを確認することが重要である。The New York Timesからリンクを獲得するのは気分が良いかもしれないが、その記事の読者が最終的に顧客になる可能性があるのだろうか?

 

一般的なオーディエンスにリーチすることは、決して悪いことではない。広くオーディエンスにリーチすることは企業のコンタクトリスト構築、ネットワーク効果、検索エンジンのランキングに、継続的なプラスの影響をもたらす可能性があるため、企業のマーケティング戦略の一部であるべきだ。

しかし、堅実なマーケティング戦略の基本は、常に需要と供給を結びつけることである。これを忘れないことが最も重要なのだ。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の2/15公開の記事を翻訳・補足したものです。