Facebook上の「いいね!」に基づく心理的特性に応じて制作された広告は、単純に人口統計学属性を利用してターゲットを絞って作られたそれよりも、クリック率や販売促進に高い効果があるという調査結果が出た。この調査は、複数の大学の研究者が英国に住む370万人以上の人々(そのほとんどは女性)を対象に、美容製品、クロスワードアプリ、バブルシューティングゲームなどを宣伝する企業の広告に関して行ったものだ。
Facebookで「いいね!」をつけたもののうち、一つを選んで個々の外向性、内向性、開放性のレベルを決定。それらのレベルに応じて広告を制作した。すると、年齢や性別などの特性のみに基づいてターゲットを設定した場合よりも、クリック数が最大40%、購入やアプリのインストールが50%増加という結果になったという。
このような調査結果がでたものの、広告の本質としてこの方法論には疑問が残る。なぜなら、この調査は主に女性が対象とされていたため、性別で違いがあるかどうかは不明であるからだ。さらに、調査は英国でのみ行われており、文化や国で違いがある可能性もある。その上、個性を特定するひとつの「いいね!」ではなく、より広範囲の「いいね!」に対して実施する必要があるだろう。結局のところ、外向性や内向性、開放性は、単純に個性と結び付けられるような正しい指標とは限らないのだ。
完璧な方法論ではないものの、Facebookや他のプラットフォームでの個性に基づいて、広告主がどのようにターゲット設定をしてより成功するかを検証するのは興味深いことだ。ただFacebookは過去に、感情の状態に基づいて(感情的に脆弱で不安定な)10代をターゲットにしていると非難されたことがあるが、今回の方法も非難される可能性を帯びているかもしれない。
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の11/21公開の記事を翻訳・補足したものです。