2016年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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2016/12/26

2016年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰

2016年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰

 

そろそろ今年も終わりの足音が聞こえてきたが、この2016年もEC業界は多くの新しい技術とサービスが市場を賑わせた。しかしその一方で、業界の荒波に揉まれてひっそりと終了していったサービスも少なくはない。その中で今回は2016年に終了したサービス、及び終了が予告されたサービスを10個ピックアップして紹介していく。

 

<参考>

2015年にサービス終了・終了予告されたEC関連10サービスまとめ - うねり続けるEC業界の光と陰

 

 

楽天が東南アジアから撤退 2016/3/1撤退

 

楽天株式会社は3月までに東南アジア4国(シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ)のマーケットプレイスを閉鎖した。

既に東南アジアではTokopediaLAZADAなどのECモールやマーケットプレイスが大きく勢力を伸ばしており、国内モデルの焼き直しだけではその牙城を崩すことが出来なかったようだ。また、楽天は今年2月に発表したVision 2020でアメリカ・ブラジル・東南アジア各エリアにおいてECモデルの転換を大きく打ち出している。特に東南アジア地域ではフリマアプリ「ラクマ」での展開を示唆。その方針に沿ってマーケットプレイスを撤退しラクマへの一本化へ舵を切ったようだ。現在、楽天のアジア・オセアニア拠点は日本と台湾のみとなっており、楽天の世界全体での地域別流通総額においても依然として国内依存が続いている状態だ。

一方、フリマアプリ市場は国内では既にメルカリが圧勝の様相を呈してきており、ラクマは今年の9月にFrilを買収し追い上げを図っている。買収後の国内市場での推移は順調のようだが、東南アジアでの展開はどのようなものになるだろうか。

 

<参考>

フリルとラクマは計1,000万ダウンロード ー 3ヶ月でフリルの流通総額は3倍に

レッドオーシャンと化したフリマアプリ市場へ参入してきた「ラクマ」は生き残ることができるのか

 

 

Amazon 送料無料 2016/4/6終了

 

Amazonは4月6日に全商品送料無料を終了し、2,000円未満の商品を送料350円を課す方針に切り替えた。送料無料はもともと期間限定のサービスとして行っていたが、2010年11月1日から完全に無料化してから約6年半でのサービス終了となった。Amazonプライム会員は引き続き送料無料で受け取ることができる。

そもそもこの案内がなされたとき、送料無料というのはAmazonの基本サービスではなかったのかと気付かされたユーザーも多かったと言われている。それほど定着していた送料無料だったが、Amazonからすると6年半という送料無料サービス期間で十分な新規顧客を獲得。国内でのサービス浸透が達成され、第二段階としてグローバルでの今後のサービスの軸となると見られているAmazonプライムの会員化への誘導を加速させていると理解することができるだろう。

 

<参考>

顧客囲い込みを着実に進めるAmazon - 各国でのサービス展開から日本のAmazonプライムのこれからを考える

 

 

レシトク 2016/5/16終了

 

株式会社VOYAGE GROUPが運営するポイントサイトECナビは家計簿アプリ「レシトク」の提供を5月16日に終了した。

商品を購入したレシートを撮影するだけで簡単にカテゴリ別の家計簿をつけることができ、さらにレシート毎にポイントが加算される使い勝手の良さが魅力だったが、2014年7月のサービス開始から2年での終了となった。市場にはより使い勝手のいい家計簿アプリも乱立しているものの、ポイント率の高さなどから終了を惜しむ声も多かった。

 

 

LINE MALL 2016/5/31終了

 

LINE MALLは5月31日にサービス終了となった。2013年のサービス開始から約2年5ヵ月での終了だ。

2013年から本格的に始まったフリマアプリの勃興期にLINE MALLもサービスを開始した。コミュニケーションアプリで圧倒的な地位を持つLINEだけに市場を一気に覆す可能性も期待されたが、メルカリなどの競合サービスに打ち勝つことが出来なかったようだ。事実、2015年10月段階でのフリマアプリの使用状況はメルカリが88.6%、Frilが30%、LINE MALLが18.9%とメルカリに大差をつけられていた。国内で大きなシェアを誇るコミュニケーションアプリとの連携をもってしても太刀打ちできなかったことは大きな誤算でもあっただろう。

 

<参考>

激動するフリマアプリ市場のこれまでとこれから - メルカリは世界を獲れるのか

LINE MALL(ラインモール)待望の船出 - グランドオープン時の展開とEC業界に与える影響

LINEのEC関連事業への参入が本格化!EC市場でも覇者となれるのか

 

 

Ralph Lauren オンラインショッピングサイト 2016/6/8終了

 

Ralph Laurenは日本版オンラインショッピングサイトを6月8日に閉鎖した。2012年10月のオープンから約3年6ヵ月での閉店となった。

2015年度の減収益を受けて、Ralph Laurenが今年6月7日に発表した大規模な再建計画Way Forwardに基づいた決定となった。再建計画では大幅な店舗数削減・リストラを盛り込み経営のスリム化を目指すようだ。アパレル業界は主要ブランドがZOZO TOWN内に出店する一方、ここ1~2年は独自店舗のオープンも続いており、各社ともECサイトへの投資を強化している。また、オンラインとオフラインの連携強化を行う取り組みも増えてきており、その真逆の流れとなる「ECサイト閉鎖」という判断は国内アパレル各社からするとなかなか想定出来ないものだっただろう。

 

 

楽天がヨーロッパのECを閉鎖 2016/8/31閉鎖

 

楽天株式会社はイギリス、スペイン、オーストリアのマーケットプレイスと拠点を8月末までに閉鎖した。今後はフランスとドイツにおけるマーケットプレイス型ECサイトに注力する方針としている。

楽天は「脱日本企業」を掲げ、2011年から南北アメリカ・東南アジア・ヨーロッパと多くの地域にわたって一気に海外展開の動きを見せたが、今年その多くが撤退を余儀なくされた。楽天スペインは2013年から、楽天イギリスは2014年からのサービス開始と、いずれもサービス開始から数年での撤退となった。EC・クレジットカード・ポイント還元の相乗効果によって顧客を囲い込む「楽天経済圏」の構想のグローバル化にあたっては、クレジットカードの認可の取りづらさがその障害となったようだ。国内の楽天マーケットプレイスをそのまま海外移植するモデルが通用しなかったこと、Amazonをはじめとする競合他社の市場シェアを切り崩せなかったことから戦略の大幅な転換がなされたようだ。

 

 

dクリエイターズ 2016/6/28終了

 

株式会社NTTドコモはdクリエイターズを6月28日に終了した

画像出典:Shopping Tribe

dクリエイターズはハンドメイドマーケットECサービスとして2013年5月に開始。Etsyが2005年にサービスを開始してから始まったハンドメイドマーケットECは、日本でも2010年にCreema、2012年にminneがサービスを開始するなど複数のサービスが立ち上がった。しかし、2013年以降は類似のフリマアプリサービスなどに押され、ハンドメイドマーケット市場でも勝者が見えつつある中で、開始3年でのサービス終了となった。

 

<参考>

根強く浸透するハンドメイドマーケットEC - Etsy、Creema、minne、Pinkoiの見据える未来

進化するハンドメイドマーケットEC市場 - Etsy、Creemaを脅かし市場を牽引するサービスは現れるのか

 

 

楽天オークション 2016/10/31終了

 

楽天オークション株式会社が運営していた楽天オークションは10月31日に終了した

楽天株式会社と株式会社NTTドコモが共同出資で2006年11月にサービスを開始したが、約10年でのサービス撤退となった。国内のオークション市場は従来からヤフオク!が席巻。しかし楽天オークションもヤフオク!に続く国内第二位の利用者数を獲得するに至ったものの、CtoC市場の主役がオークションからハンドメイドマーケット、そしてフリマアプリとここ数年で大きく変化。オークションサービスに対する顧客のニーズが年々減少し、楽天もラクマや買収したFrilへの運営へシフトすることが背景にあるようだ。

 

 

楽天アプリ市場 2016/12/12終了

 

楽天株式会社はAndroid向けアプリストア「楽天アプリ市場」を12月12日に終了した

楽天アプリ市場限定アプリの提供に加え、決済や課金に楽天スーパーポイントが使用できる点を特徴に売り出していたが、2015年8月のサービス開始からわずか1年半での終了となった。同じECモール系ではAmazonが2012年にAmazon Android アプリストアを開始しており、市場獲得の可能性があると見てアプリストアの参入に踏み切ったが、App Store、Google Playなど既存の大手アプリストアの圧倒的シェアを切り崩すことは出来なかった。

 

 

Webpay 2017/5/31終了

 

10月31日、LINE株式会社は子会社ウェブペイ株式会社が提供するオンライン決済サービスWebpayのサービスを来年5月31日に終了することを発表、昨年2月の買収からわずか1年半でのサービス終了となる。

サービス終了に伴いPaypalPAY.JPStripe等の他のオンライン決済代行業者への紹介を随時行っている。課金機能の停止、APIの提供停止を経て2017年5月31日に完全にサービスを終了させる。今後はLINE Payの事業に注力するようだ。Webpayは数行のコードを書くだけで実装が可能な導入ハードルの低さと高いセキュリティを実現したサービスで期待されていた。ただ、Stripeなどの競合の出現や、海外の消費者への対応ニーズの高まりなどにより、LINE WOWやLINE MALLなどの撤退の際に見せたLINE社特有の見切りの早さによって撤退が判断されたようだ。

 

<参考>

新たな決済サービスLINE Pay・SPIKEと世界標準のPaypalは日本のEC決済の常識を覆すのか

 

 

うねり続けるEC業界の光と陰

 

今年終了したサービスで特に目を引くのが楽天、CtoC関連、LINE関連の事業撤退だ。

楽天は海外事業を中心にしたものだが、全体を通してみると既存のサービス分野を後発で開始するも、短期間で撤退するケースが目立った。依然として高い目標を掲げる楽天だが、Vision2020の中で特に目を引くような真新しいサービスは見当たらず、足元を固める方向性に徐々にシフトしていっているようにも見える。

CtoCサービスは、フリマアプリ市場の勝者がメルカリに決まりつつあり、多くの若年層ユーザーもオークションよりもフリマという形態に馴染んできたことも大きいだろう。この影響は昨年も複数のサービスを終了に追い込んでおり、2年間で5サービスが終了していることになる。

LINEも2年前から新規事業開拓の意図でEC関連事業を数多くスタートさせた。周囲から見ているとそれほど大きな失敗とはいえない状態でも早めの事業撤退を決断するケースが多い。昨年も1つ、今年も2つのEC関連事業の撤退を決断。本業のコミュニケーションサービス以外でも事業の柱となるようなLINEにとっての新規事業がEC業界にまだ眠っているのか、LINEの今後のEC業界への攻勢も気になるところだ。

ECという領域は依然として可能性を多く秘める事業ドメインといえるが、競争も熾烈だ。事業拡大のために多くのサービスが新規事業領域に一気に展開し、数年で収斂していく。今後もEC業界の栄枯盛衰が続いていくのではないだろうか。