Amazonは、当初の開店計画からほぼ1年後の2018年1月22日、ついに、レジ無し・実店舗型のコンビニエンスストア「Amazon Go」を一般向けにオープンした。
「Amazon Go」とは、Amazon のシアトル本社にある1,800平方フィート(約167平方メートル)の自動化ストアである。店内に設置されたセンサーやカメラが、買い物客が棚から取ったものや棚に戻したものを瞬時に感知。買い物客は必要なものを自分のバッグに入れて店を出るだけで、Amazonのアカウントと連結しているクレジットカード経由で自動的に代金が請求されるのだ。
以前はAmazonの従業員だけがAmazon Goを利用できたが、ついに一般客も利用できるようになった。この店舗で買い物をするには、Amazon Goアプリをダウンロードし、お店の前でスキャンをしてから入店する必要がある。
<参考>
【米国】次世代型リアル店舗Amazon Goをシアトルにコンセプトストア - 会計不要の食料品販売で小売業に衝撃
Amazonは全米各地にさらにこうした店舗をオープンする計画があるが、それらがいつになるかは明らかではない。また、Amazonが英国で取得した商標登録によると、恐らくいずれかの時点でイギリスでも店舗をオープンするようだ。
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もちろん、Amazon Goは同社が管理している唯一の食料品店ではない。
2017年にAmazonは、高級スーパーマーケットチェーンWhole Foods Marketを約137億ドル(当時107億ポンド)で買収した。しかし、AmazonはWhole Foods Marketの店舗にこの技術を導入する予定はないことを明らかにした。
「未来型のコンビニエンスストアであるAmazon Goのオープンは、ストレスがなく、便利でシームレスな体験という買い物客の切望に応えた。そして、オンラインだけだったプラットフォームを目抜き通りの実店舗にまで正式に進出させたのだ。これは実に興味深いコンセプトであり、Amazonはオンラインショッピングの増加という消費トレンドを部分的に反転しようとしている、と多くが論じている」と、オンラインショップ運営会社にコンサルティング・支援を行う会社Salmonで、コンサルティングとイノベーションの総責任者を務めるHugh Fletcher氏は話す。
「しかし(Amazon Goを構えた)実際の目的は、実店舗での買い物を改善するために、オンラインのプラットフォームから得た顧客の行動を学習し、利用することである。オンラインショッピングは、顧客が自宅で商品を容易に購入できるオプションを与えることで、まずかつての小売モデルを破壊した。そしてAmazon Goがその次のステップになるだろう。小売り業界にとって良いかどうかはともかく、すでに衰退している実店舗の影響を一新する可能性があり、顧客の利便性を叶える店へ革新するための方法を再考するよう促してくれるだろう。逆に、昨年のAmazonのWhole Foods Market買収の後、早くも株が下落した大規模スーパーマーケットにとっては、さらに頭を抱える問題が生じるかもしれない」
<参考>
シアトルに正式オープンした「Amazon Go」の理想と実際
※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の1/22公開の記事を翻訳・補足したものです。