ドイツに本拠地を置く欧州ファッションEC大手Zalandoは、ヨーロッパでの送料無料サービス廃止を徐々に進めている。同社は2018年11月、最初にイタリアで送料無料サービスを終了。その後、配送料の請求は他国の市場へも広がっている。直近では、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドでの配送料有料化が決定した。

2018年11月、同社初めてのイタリアにおける配送料の有料化は、購入金額が25ユーロ以下の場合に適用している。

 

<参考>

欧州アパレルECのZalando、イタリアで初めて送料を請求か

欧州ファッション大手のZalando、イギリス、アイルランド、スペインで配送料無料サービスを取りやめ

 

 

英国では買い物客が配送料を負担

Zalandoは当初、配送料の有料化は試験的なものだと言っていた。しかし2019年4月には、英国、アイルランド、およびスペインでの送料無料サービスを終了することが判明。当初「配送料有料化をさらに拡大する予定はない」とのことであったが、これは真実ではなかったということになる。

 

デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー

ロイター通信は、Zalandoが2019年5月中に、北欧諸国において一定の金額未満の購入に対する配送料有料化を導入する予定だと報じた。デンマーク、スウェーデン、フィンランドおよびノルウェーでは、少額注文に対する配送料の請求が5月末には開始されることになるだろう。

 

「顧客満足度に悪影響はない」

Zalandoのオペレーション担当シニアバイスプレジデントであるDavid Schroeder氏は、「これまでのところ、少額注文に対する配送料有料化による顧客満足度への悪影響はない」と言及。

一方で、Zalandoがまだドイツやスイス、オーストリア、オランダでは配送料を有料化していないことは興味深い。共同CEOのRubin Ritter氏は、「我が社の中核市場に配送料有料化を導入する予定はない」と述べている。これは、それらの国では顧客の各注文金額が大きいことが理由だという。

 

欧州ではZalando Plusが拡大

Zalandoは、多くの国々で配送料有料化を進めると同時に、同社のロイヤルティプログラム「Zalando Plus」を欧州で拡大することも発表した。現時点では、この試験運用がスイスで行われており、今後12か月以内にフランスとイタリアで運用を開始する予定とのこと。なおドイツでは、すでにロイヤルティプログラムは導入されている。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の5/6公開の記事を翻訳・補足したものです。