次代を担う若年層「Z世代」の消費者を魅了する戦略とは? | 海外ニュース | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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2018/10/17

次代を担う若年層「Z世代」の消費者を魅了する戦略とは?

何世代も経過する中で、小売業はグローバルビジネスへと発展してきた。地元の街角にある商店で買い物をする時代は過ぎ去ったのだ。今では、消費者はボタンのクリック一つで、世界中の商品にアクセスすることが可能なのである。

 

小売業者は買い物客の期待に沿うため、オンライン注文に対して店頭でもサービスを提供するという画期的な方法を見出し、従来型小売店舗でさえeコマースの要素を取り入れ始めている。小売業者は、今の世代の顧客ニーズを満たすために最善を尽くしているが、今こそ、次の世代、つまり1990年代半ばから2000 年代の初めに生まれた若年層を指す「Z世代」に向けて準備をするべきなのである。

 

Z世代は、完全にデジタル化された社会で生まれた最初の世代である。Z世代が、オンラインショッピングに興味を持ちはじめるにつれ、小売業者の優れたショッピング体験に対する概念が覆され、革新を余儀なくされている。

 

Z世代は、極めて高い利便性を求める。例えば、差別化要因となる迅速な配送サービスや、いつでもどこでもどのような方法でも買い物ができるマルチチャネルコマースなどである。

 

Z世代顧客の期待に応えるために、小売業者は彼らの買い物客としての特性を理解しなければならない。Z世代が買い物をする時の顧客心理を見れば、その特性が明らかになるだろう。

 

  • 真のデジタルネイティブ:デジタルの影響を強く受けるZ世代は、Facebook、Snapchat、Instagramとともに成長してきた。Z世代は、他人が使っている新商品や、他人の経験に影響を受け、同じ商品やサービスをオンラインでも実店舗でも購入する。

 

  • 信頼性の重視:Z世代は「フェイクニュース」が溢れる世界で生きてきたため、透明性を重視する。彼らは、製品レビューやおすすめ商品に関しては、有名人よりも一般人の投稿によく反応し、ソーシャルネットワークを信頼している。

 

  • 利便性の追求:Z世代の集中力が持続する時間は、たった8秒間である。これは、ミレニアル世代より4秒短い。つまり、彼らは製品をすばやく見つけたいと考え、商品検索に時間を使うことを望まない。

 

  • マルチタスク:生まれた時から、テクノロジー中心の生活を送っているZ世代。彼らは、少なくとも2つの端末を同時に使用し、欲しい商品を手に入れるのが普通である。

 

  • 常に高い要望を持つ:Z世代のオンラインショッピングに対する期待は高い。彼らは、買い物をするときは単に商品の購入だけでなく、何らかの体験をすることを期待している。また、自分のライフスタイルにあった、簡単に利用でき、かつ、利便性の高いオプションの提供を望んでいる。

 

デジタルにフォーカスしているZ世代は、より優れた、迅速な、そして利便性の高いショッピング体験を要求するので、小売業者に油断は許されない。Z世代の即座に満足を得たいという欲求を認識し、要望を満たし、高い顧客満足度を獲得できるかどうかは、小売業者次第である。

 

Z世代の買い物客の特性を理解した後に、小売業者が取るべき次のステップは、彼らが好む買い物の仕方を把握し、好みに合致したサービスの提供方法を見出すことである。間違いなくZ世代には、特有のショッピングスタイルがある。小売業者がその期待に応え、さらにはそれを超えるために実行すべき、さまざまなアプローチが存在する。

 

Mコマースにおいてリードする

最近の調査結果によると、Z世代の買い物客の3分の1以上が、携帯電話を主要なショッピングデバイスとして使用している。Z世代はコンピュータやラップトップを使用して、注文手続きをすることを好む傾向もあるが、小売業者は、Z世代の携帯電話の高い使用頻度に対応し、モバイルフレンドリーなプラットフォームやコミュニケーションチャネルを構築すべきだ。

 

Z世代の買い物客の40%以上が、注文後の出荷配送状況の通知をモバイル端末で受け取りたいと考えていることからも、モバイル対策を検討することは重要である。小売業者は、テキストメッセージ、ソーシャルメディア、またはアプリを通じて配送状況のトラッキング通知を送信することにより、顧客にリアルタイムのアップデート情報を提供し、顧客体験を大幅に向上させることができる。

 

アプリはコミュニケーションの手段としても有効だ。アプリというチャネルを通じて、Z世代の顧客は絶えずブランドとコミュニケーションをとり、疑問点を質問することができるので、顧客の満足度向上につながる。

 

24時間365日アクセス可能、かつ低価格での提供

Z世代の消費者がオンラインで商品を購入する理由は、2つある。それは、オンラインの方がより安価であること、そして、24時間いつでも利用可能だからだ。Z世代の年齢は若く、可処分所得は低いため、高齢者世代に比べて“手頃な価格”であることは非常に重要な要素である。また、彼らは食料品や物品、サービスをオンラインで購入している。これは、従来型小売店よりも安価で購入できることが多いからである。

 

Z世代は、オンラインでは、24時間いつでも商品にアクセスしたいと考えている。つまり、自分に都合の良い時間に買い物をしたいのだ。物品かサービスかに関わらず、指先を動かすだけで商品にアクセスしたいと考える。

 

したがって、オンライン小売業者は売上や潜在的なロイヤルカスタマーを失わないように、常に在庫を確保し、ウェブサイトの情報を最新の状態に保つ必要があるのだ。

 

有料スピード配送に肯定的

すべての消費者は、複数の配送オプションを提供してほしいと考えている。買い物客は自身が出荷プロセスに関わっていると感じたいし、トラッキング情報にアクセスして、注文した商品がいつ自宅に届くかを知りたい。 Z世代によって、配送オプションに対する要望は、「平均的な消費者の好み」として認識されるようになり、明らかな需要となった。Z世代の98%は、ニーズに合った配送オプションがない場合、ショッピングカートを未購入のまま放棄するようだ。

 

平均的な消費者と比較すると、Z世代は、小売業者が利便性の高い出荷サービスを提供する場合に、オンラインで買い物する可能性が高くなる。Z世代は、週末、翌日、営業時間外、さらには超地域密着型(注文後1時間から3時間配送)配送サービスまで、できるだけ多くの配送オプションが提供されることを望んでいる。

 

実際のところ、最近の世論調査では、Z世代の消費者の約半数は超地域密着型、同日、週末、または営業時間外の配送オプションを要望しているとのこと。しかし、残念なことに、それらの配送方法を提供しているのは小売業者の約20%に過ぎない。Z世代の買い物客の29%が「遅く利便性の低い配送が原因でカートを放棄したことがある」と回答しているため、これは問題である。

 

Z世代の配送に対する期待に応えるためには、小売業者はさまざまな配送オプションを開発し管理する必要がある。最善の方法は、より優れたオムニチャネル配送戦略を実行することである。小売店は、実店舗、サプライヤー、メーカーなどを活用して、より多くの注文の配送に対応することができる。

 

従来型実店舗を物流センターとして活用すれば、サプライヤーや製造業者が提供するドロップシッピングを利用することができる。そして顧客は、複数のスピード配送オプションを得ることができる。特に出荷ピーク時は、 Z世代の配送に対する要望に応えるため、サードパーティーの物流会社を活用することは有益である。

 

小売業者は、新しい配送拠点の開設に加えて、地元と地方の両方のエリアで、多種の運送業者の利用を検討すべきである。地元配送業者は、特定ゾーン内で80〜100マイルの配送を行う。このパーソナライズされたサービスは、小売業者の超地元密着配送のジレンマに対する答えとなり得る。

 

小売業者はまた、より長時間を要する集荷配送スケジュールや、さらには翌日配送に対応する地方配送業者も検討しなければならない。これらの配送事業者は、複数の流通センターを持ち、特定の地域に顧客が集中している小売業者にとって特に有益である。

 

スピード配送オプションを提供するにはコストがかかるが、Z世代の買い物客はその配送コストを負担することに前向きだ。たった1年間で、有料の超地域密着型配送サービスの利用を希望するZ世代消費者の数は12%増加した。有料同日配送を利用したいと考えるZ世代は14%増、有料の週末または営業時間外配送サービスについては、8%増加したのだ。

 

Z世代が、より迅速な配送サービスに料金を払うことに肯定的であるため、小売業者はマーケティングプロモーションとプレミアムオファーを利用して有料配送オプションをさらに促進することが可能だ。また、小売業者は、高額購入する顧客に対しては無料のスピード配送サービスを提供することで、Z世代が望むさらに利便性をさらに向上させることができる。

 

多様な返品オプションを好む

Z世代の無料返品への要望は、平均より低い。しかしこの世代は、返品オプションの数についての期待値が高い。Z世代は、利便性の高い数多くのオプションを望んでいる。返品商品の郵便局等での投函、郵送または店舗での返品など、Z世代はライフスタイルに合った選択肢を求めている。

 

これらの要求を満たすために、小売業者は、顧客が簡単に返品できるよう返送用ラベルを作成して、顧客への配送品に同梱することができる。同梱する返送用ラベルには、顧客が返品する小包を、どこでどのように発送できるかについての指示を記載する必要がある。返品用ラベルに多種の返品オプションを表示すれば、返品プロセスが簡素化され、Z世代だけでなくすべての顧客の満足度を向上させることができるだろう。

 

Z世代の特性と、彼らの小売業者に対する要望を理解すれば、重要なのは「利便性」であることがわかる。しかし、ある小売業者に適した配送戦略が、他の小売業者とその顧客に有効であるとは限らない。自社のZ世代の顧客が何を便利だと思うのかを理解し、それに合ったサービスを提供しなければならないのだ。Z世代顧客に対し、彼らが望むユニークな顧客体験と迅速な配送サービスを提供できれば、彼らの71%が再度同じサイトから購入する傾向にあるというのだから。

 

さらにZ世代は、好意的なオンラインレビューを投稿し、友人や家族にそのサイトを推薦するだろう。共有されたポジティブなショッピング体験は、最終的には、世界中のさらに多くの潜在的な顧客に目に触れることとなる。

 

コミュニケーションや価格、配送オプションなどのオンラインショッピングにおける彼らの理想像に「返品」を追加することで、小売業者は、新しいロイヤルカスタマー基盤を固めるユニークな顧客体験を創造する可能性を見出すことができるのだ。

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の10/9公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

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