Burger KingのデジタルグロースマネージャーのMadeleine Dodd氏に、誕生日を入力するに値する理由を顧客に与えることで、大きなエンゲージメントを獲得した同社の最近のキャンペーンについて話を聞いた。


このキャンペーンは、顧客に誕生日を入力してもらう代わりに「Whopper(Burger Kingのビッグサイズのバーガー)」やプラントベースのWhopperを無料で提供するというものだった。出だしは低調だったが、微調整を行ってからは調子が上がり、開封率55%、クリック率22%、クリックスルー率10%で、キャンペーン前に比べて誕生日を登録した人の数が800%増加している。これは、メールキャンペーンのように思われるが、すべてメールでのみ行ったのか、それとも他のチャネルを使ったのか?

このキャンペーンでは、メールだけでなく、プッシュ通知やアプリ内メッセージも使用した。(顧客エンゲージメントプラットフォームの)Brazeでは、これら3つの主要チャネルを使うことが多いが、このキャンペーンではそのすべてを活用した。


素晴らしい数字だが、注文数や収益についてシェアできる数字はあるか?

具体的な注文数や収益については答えられないが、言えることは、キャンペーンに参加して誕生日データを提供してくれた人の60%が、その後も当社のメニューを見てくれたということだ。それがキャンペーンの直接的な目的ではなかったことは明らかだが、顧客がサイトを見て回り、注文してくれているのは素晴らしいことだと思う。


では、それぞれのチャネルについて、プロセスを教えてほしい。私はBurger Kingの顧客だが、あなたは私のことを何も知らず、もちろん私の年齢なども何も知らないだろう。データ収集のプロセスはどのようなものだったのだろうか?

この特別なキャンペーンは、顧客の誕生日にWhopperを無料で提供するというバースデージャーニーを実施したことから生まれたものだったが、残念なことに、当初は誕生日に配布される無料Whopperが多くないことがわかった。そして、このチャンスを逃している多数の顧客について、どのような人がこの機会を逃しているのかデータを持っていなかった。実際にデータを調べてみると、半数以上の顧客が生年月日を入力していないことがわかった。これは、当社が他の多くのブランドのようにサインアップ時に生年月日を要求していないためだ。そのとき、どうすれば、直接的な方法を取らずに、そして顧客に情報提供の見返りに何も得られていないと感じさせずに、顧客に誕生日のデータの提供を求めることができるのだろうかと頭を悩ませた。

そこからこのキャンペーンが生まれたのだ。私たち問題点を認識し、すぐにそれを解決したいと思った。そして、誕生日を自己申告する人の数が800%増加するという素晴らしいコンバージョン率が得られただけでなく、高いエンゲージメントも得られ、ソーシャルメディアチャネルでも大きな話題となった。これは非常に喜ばしいことだった。


サインアップの話が出たが、その方法は、たとえばBurger Kingの店舗で「誕生日の方には、WhopperまたはプラントベースのWhopperを無料で差し上げます。オンラインで登録してください」というような看板を掲示するようなことをしていたのか?

誕生日の無料Whopperプレゼントについては、店内では宣伝しておらず、アプリやモバイル、Webサイト上で行っていた。これは、メール、アプリ内、プッシュ通知で展開されるデジタル限定のキャンペーンで、顧客はバースデーキャンペーンについて知ることができる。また、当社のWebサイト上でもこのキャンペーンを紹介していたた。しかし、繰り返しになるが、顧客の視点からは、それがどのようなものかは明確ではなかったようだ。顧客は無料でプレゼントがもらえるということすら知らなかったので、それについて告知する絶好の機会があったのだ。



貴社は人々がオファーを享受していないことに気づいたという話があったが、それはキャンペーンを数週間実施した後に、そのインサイトに気付き、キャンペーンを変更したということか?キャンペーンの微調整が必要だと気づくまで、どのくらい時間がかかったか?

キャンペーンが期待通りに実施されているかどうかを把握するために、通常は開始後数週間の分析期間を設けている。当然のことだが、分析期間以外の日に不規則な急増が起こることがある。我々はただ、どのようなパフォーマンスをしているのか、概要を把握したかったのだ。データを実際に調べる前は、Brazeからの多数の「ウェブフック(サーバー上である特定のイベントが発生した時に、サーバー側からクライアント側に通知するシステム)」が誕生日のWhopperと一緒に送信されると期待していたが、実際はそうはならなかった。みんなに伝わっていなくて残念だ、どうすればよいのだろうか、ということになった。それから、楽しい方法で誕生日のデータをアップデートしてもらおうということになり、その結果、ウェブフックの利用数が毎日大幅に増加した。


そこには、ソーシャルシェアリングの要素はあっただろうか?たとえば「Whopperを無料でもらったから、あなたも誕生日にBurger Kingに行けばもらえるよ」といった具合に。

その通りだ。我々はほぼ同時期に有料でソーシャルメディアの投稿も行ったので、それによっても確実に成果が増加したはずだ。


つまり、キャンペーンのデータはアプリとメールから取得されたものということだが、アプリについては、顧客はアカウントを作成してサインインしないと使えないのか?

その通りだ。一度サインアップすれば、ロイヤリティプログラムのメンバーとなり、当社のすべてのオファーや特典を受けることができるようになる。


今日Burger Kingのアプリにサインアップしたとしたら、最初にアプリを開くときには何を聞かれるのか?というのも、私はBrazeのことをよく知っているし、それがダウンロード後に初めてアプリを開く際に、あまり多くの個人情報を求めないことも知っている。

当社のアプリは、その理由から非常にシンプルなものとなっている。顧客が初めてアプリを使うとき、彼らの立場からすると、何百万もの質問をされることほど嫌なことはないだろう。そして、それはまた、その価値交換の問題に戻ってくるのだ。「私はなぜ、すべてのデータをあなたに提供しているのだろうか」と思われてしまう。ブランドはそれを何に使うつもりだろうか、と。

当社は、データの使用方法について高い透明性を保ちたいと考えている。それはよりパーソナライズされたエクスペリエンスを提供するためだ。サインアップするときに必要となるのはメールアドレスだけで、オプションのフィールドがいくつかある。そして、認証のためにファーストネームとセカンドネームを入力したら、アプリに入ることができる。それから、新規ユーザーとして顧客のライフサイクルを経てオンボーディングプロセスに進むと、Brazeを通じて配信されるアプリ内アンケートを使用して、顧客の嗜好を収集する。顧客は何を見るのが好きか、何を見たくないか、どんなオファーが好きか、どんな味の好みがあるか。そして繰り返しになるが、それは直接的な方法ではない。それはアプリ内で表示されるが、クリックして閉じるオプションがあるので、必ず入力する必要はない。しかし、入力してもらうことで、多くの顧客がそうしているように、我々は顧客についてより深く理解し、プロフィールを充実させることができ、最終的にはよりカスタマイズされたエクスペリエンスを提供することができる。


このアプリは主に購入の際に使うものなのか?ハンバーガーを注文するときだけ、携帯電話でBurger Kingのアプリを起動することになるのだろうか?食べ物やその他のライフスタイルに関するコンテンツはあるか?

このアプリは、「価値」を非常に重視したアプリであることを目指している。もちろん、アプリ内にコンテンツはあり、メニューも閲覧することができる。アプリには、さまざまなオファーを紹介する素晴らしいマーケティングカードもあるが、主には「価値」を重視することを目的としている。


これは非常に成功したキャンペーンだが、他にも準備中のキャンペーンはあるか?誕生日もしかり、記念日やその他特別な日についても取り上げることができるだろう。このキャンペーンが成功したことで、誕生日以外にも何か計画していることはあるか?

おっしゃる通り、記念日の企画はとても効果的だと思う。あるいは、ロイヤリティ記念日として実施してもよいかもしれない。ただ、私は、音楽ストリーミングサービスのSpotifyの「Spotify Wrapped(同社が毎年、ユーザーのリスニング習慣に関する詳細な調査を行い、過去1年間のプラットフォーム上でのリスニングデータをまとめたもの)」といった取り組みをとても気に入っている。我々は今、とても豊富なデータベースを持っている。Brazeのダイナミックパーソナライゼーション機能を活用することで、顧客に面白く、カスタマイズされたものを提供することができるのだ。したがって、他のキャンペーンについても、間違いなく検討すべきであると考えている。

そしてもうひとつ、我々にとって本当に重要なことは、オファーをカスタマイズすることだ。ブランドや競合他社から多くの価値あるメッセージが発信されており、現代は情報にあふれている。我々はあらゆるデータを収集しているが、誕生日キャンペーンはその好例だ。また、アプリ内アンケートもそのひとつだろう。これらのデータをどのように使って、顧客の体験をできるだけパーソナルなものにするか、ということだ。たとえば、木曜日の午後5時に「Chicken Royale(Burger Kingのメニュー)」のキャンペーンを利用するだけの私には、「Whopper Wednesdays(水曜日にWhopperが割引になるキャンペーン)」や「Meet-free Mondays(月曜日の肉を使わないプラントベースのWhopper等が割引になるキャンペーン)」には興味がない。このように、我々にとっては個々の顧客のニーズや違いを認識し、それに沿って高度にパーソナライズされたオファーやメッセージングを提供するための戦略に取り組むことが重要だと考えている。


アプリの話に戻るが、人々はアプリをどのように使っているのか?実際のレストランのように順番待ちの行列を飛び越えられたりするサービスがあるのか?それとも、JustEat(オランダに本拠を置くフードデリバリー大手)やDeliveroo(イギリスに本拠を置くフードデリバリー企業)と提携するなどしてデリバリーを行っているのか?アプリを利用して注文する際、顧客はどの場所にいることが多いのか?

当社は、さまざまなサービスオプションを用意している。店舗に来店したアプリ利用の顧客は、キオスク端末でアプリを使用することもできるし、カウンターで店員からコードをもらい希望する特典と交換することもできる。また、クリック・アンド・コレクト機能もあり、アプリで直接注文し、店舗で受け取ることもできる。どの方法も人気があり、顧客はこのようなシームレスな体験を楽しんでいるようだ。

また、当社は「ホワイトラベル配送」も行っている。これは、Deliverooが提供する当社独自の配送サービスである。これにより、DeliverooやJustEatUberEatsといったアグリゲーターでは必ずしも利用できない、デリバリー限定のオファーを利用できるようになっている。このように、あらゆる顧客のニーズに対応するために、さまざまな種類のサービスを用意している。


※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の9/1公開の記事を翻訳・補足したものです。