メールマーケターはFacebook とInstagramの機能停止を利用するチャンスをどのように捉えたか。
10月4日にFacebookがダウンした時、あなたは何をしていただろうか?
他の多くのマーケターと同じように、Facebook、Instagram、WhatsAppなど、Facebook傘下のサイトにアクセスできずに頭を抱えていたかもしれない。ソーシャル投稿もできない。キャンペーンのリサーチ、ローンチ、分析もできない。非常事態である!
しかし、一部の機知に富んだメールマーケターは、この機会を活かし、世界的なサービス停止を利用したキャンペーンを迅速に開始した。
マーケターの反応
Facebookプラットフォームが停止してから1時間以内に、「Here’s a distraction while Instagram/Facebook are down(Instagram /Facebookがダウンしている間の気晴らしに…)」(Mott&Bow)や、「Instagram(Got U)Down?Instagramの機能停止でがっかりしてない?」(Lulu’s)といった件名が付けられた最初のメールが受信箱に届き始めた。
Rifle Paper Co.(ペーパーアイテムを中心としたライフスタイルブランド)のように、メッセージの内容を変更せずに、予定していたキャンペーンのオリジナルの件名を差し替えたマーケターもいるという。
件名:「Instagram May Be Down, but Our Holiday Arrivals Are Up (Instagramはダウンしていても、ホリデー新商品は増加中)」
画像:MailCharts
Postable(デザイナーによるグリーティングカードや招待状を印刷、宛名書きして郵送するソフトウエア)のように、カスタムクーポンコード配布を含むキャンペーン全体をわずか数時間で考えついたブランドもある。
件名:「Facebook and Instagram relief is here!(FacebookとInstagramダウンの救済はこちら!)」
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下記のアパレル小売業者 James Maeからのメールは、受信者に、なぜ彼らがこの状況を支配しているのかを思い出させる。なぜなら、ブランドの最新情報を伝えるメールを購読しているからだ!
件名:「 Instagram is down, so we have a SALE!(Instagramがダウンしているため、セールを開催します!)」
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Facebookダウンから学んだ3つの教訓
別のソーシャルメディアの機能停止が発生する前に考えておくべき、また、チームと共有すべきいくつかのポイントを紹介する。
1.オーディエンスへのアクセスを管理することは有益である
Facebook傘下のプラットフォームをオフラインの状態にした設定エラーは、誰にでも起こりえることだ。Mailchimp(米国のメール広告サービス自動化プラットフォーム)が再び停止した理由を調べるためにDownDetector(通信サービス障害などの情報をSNSで集約し可視化しているサイト)にアクセスしたことがあるなら、それを証言することができるだろう。しかし、まだ自社メールデータベースを管理しており、メールマーケティングを実行することができる。
ソーシャルプラットフォームが、オフラインになったり、シャットダウンしたり、その有用性がなくなったりすると、フォロワーが1,000人であろうと1,000万人であろうと、彼らにはリーチできなくなる。メールプラットフォームは、そのポリシーに従わないクライアントの利用を停止することができるが、アカウントを独断で停止しファンやフォロワーとの関係を断ち切ることができるソーシャルプラットフォームよりも透明性が高いと考えられる。
ソーシャルメディアでのプレゼンスを強化することで、自社ブランドをより多くの潜在的な購読者に紹介することができる。ファンとフォロワーを購読者に変えることが重要な目的の一つなのだ。そうすれば、ソーシャルプラットフォームがダウンしたり、再びアクセスできなくなった場合も、彼らにコンタクトすることが可能となる。
2.アジャイルマーケティングも同様
Slackやディスカッショングループに集まり、「何をすべきか」と嘆くマーケターもいた。しかし、鋭いメールチームは仕事に取り掛かり、キャンペーンを即座に成功させた。彼らは、自社のメールデータベースの価値を理解しており、Facebookがダウンした際には、アジャイルマーケティングの利点を活かしチャンスを逃さなかった。
これはマーケターへ向けた良いリマインダーである。メール戦略、作成、展開構成を見直し、特に承認プロセスで不要なステップを取り除く方法を見つけよう。チームが戦略プランニングから戦術的実行に移行するのに1週間以上かかる場合は、プロセスをより効率的にする方法を検討すべきである。
なぜなら、今回のような機能停止が再び起こることは明白であるからだ。10月4日の障害は約6時間だったが、2019年には同様の機能停止で、サイトは24時間オフラインとなった。FacebookやInstagramが再びダウンし、連絡先や収益さえも失った場合、代わりのメールキャンペーンをどれだけ迅速に生み出せるだろうか?
それができない場合は、障害に備え事前に作成した承認済のキャンペーンを用意しておこう。
3.メールをより重視し、さらに投資するべきである
いずれにしても、Facebook / Instagram / WhatsAppの停止によって、メールがデジタルマーケティングチャネルとして君臨する多くの根拠が強化された。いくつかの点を、下記でリマインドしておきたい:
- オンラインでは誰もがメールアドレスを持っている
- メールは数少ないプッシュ型チャネルの1つであり、ユーザーがWebサイトやソーシャルチャネルにアクセスしたり、検索を実行したりするのを待つ必要がない
- メールは2つしかないユニバーサルなデジタルチャネルの1つであり、もう1つはSMSである
- メールはブランド以外の誰のものでもない
- メールは高速でフレキシブルであり、さまざまな種類の情報を送信できる
- メールは効果的である
ここで紹介したキャンペーンのいずれかが、Facebookプラットフォームで失った収益を補うような異例の利益を得ただろうか?私にはわからないが、それはほとんど問題ではない。
それと同じくらいに重要なことが起こったのだ。それらのキャンペーンメールは、私に、そして、メールよりもソーシャルメディアを一貫して好む予算志向の経営者に、実際はメールがすべてのデジタルチャネルの王様であることを確認させてくれたのだ。
非常に多くのウェブサイトが、ソーシャルメディアチャネルに貴重なスペースを割いており、メールには非常に狭いスペースしか与えられていない。多くの場合、購読のメリットについて人々に売り込む余地のない単なるフォームフィールドであり、ウェブサイトのフロントページの下部に小さな文字で表示されている。
ブランドの収益、トラフィック、エンゲージメントを促進する上でのメールの価値を考えると、メールチームにこれらの決定を下させるか、少なくともそのプロセスで発言権を持たせる方が理にかなっている。
メールアドレスの価値を経営陣に伝え続ける
メールチームが、10月4日に最悪な日を過ごしたソーシャルメディアマーケターを笑うのは簡単なことだ。メールに同様のダメージを与えるには、インターネット全体がダウンしなければならない。
しかし、自社が所有しないプラットフォームでビジネスを構築し、フォロワーに対してアクセスすることもできず、プラットフォームがダウンするたびに損失を被ったすべての中小企業の経営者にも気を配る必要がある。
ソーシャルメディアは、リーチと認知度を高め、そして、メールリストを増やすためには最適であろう。しかし、ソーシャルメディアとメールは連携することで成功し、メールのコンバージョンと収益における利点は、ソーシャルメディアに役立つ可能性があることも忘れてはならず、予算決定者にも周知する必要がある。
Facebookの障害について、ちょっとしたシャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶ気持ち)を楽しむような気の利いたメールが欲しいだろうか?もちろんだ。最後に、Cratejoy(サブスクリプションコマース事業を始める企業や個人のためのマーケットプレイス)からのメールで締めくろうと思う。
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画像:MailCharts