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公開日2020/03/03

OOH(屋外広告メディア)のロケーションベースのマーケティングメディアとしての重要性

OOH(OUT OF HOME/家庭外の場所で接触する広告メディア)は、インパクトのあるクリエイティブと、デジタルターゲティングおよび測定を組み合わせたエキサイティングなメディアへと発展を遂げた。

 

従来メディアの中で、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、およびディレクトリはすべて縮小傾向にある一方、OOHは唯一成長を遂げているチャネルである。そして、特にプログラマティックに対応したデジタルOOHは、非常に急速な成長をみせている。OOHを対象とする業界基準の規制に取り組むOutdoor Advertising Association of America(OAAA)によると、今年のデジタルOOHセクターの広告費は80億ドルを超えると予想されているという。

 

<参考>

OOH(屋外広告メディア)を2019年のマーケティング戦略に組み込むべき理由

 

OOHは多くの点において、今の複雑なメディアの時代には最適なハイブリッドメディアといえる。というのも、OOHはテレビのようなインパクトの強いクリエイティブと、デジタルマーケティングのような高度なオーディエンスターゲティング、そしてアトリビューション機能を組み合わせたものだからだ。後者のターゲティングとアトリビューション機能は、モバイルデバイスや位置データとの連携を通じて生みだされたものである。

 

位置データ活用によるOOH ROI(投資利益率)の向上

デジタルOOHプログラムネットワークを運用するVistar Mediaを例に挙げよう。同社はオーディエンスのインサイト獲得と客足測定のため、Foursquare(位置情報に基づくソーシャル・ネットワーキング・サービスのウェブサイト)と提携している。これによりブランドは、デジタルOOH広告露出で、客足の増加と来店者数に及ぼす影響を追跡することが可能となる。Clear Channel(米国のOHH広告会社)や、JCDecaux(世界70ヶ国以上に拠点を持つ広告代理店)を含むその他のネットワークも、同様の測定機能を提供している。

 

データ駆動型テクノロジーにより、視聴者の動作パターンに関する情報を提供するVistarのCEO兼共同設立者、Michael Provenzano氏によると、業界の予測では、プログラマティックDOOH(デジタルOOH)は昨年、約1億5,000万ドルの収益を上げ、前年比70%の成長を遂げており、2024年までには10億ドルに達する見込みだという。

 

Provenzano氏は、さらに次のように付け加えている。「現在OOHは、ブランドの広告予算の約4~6%を占めているが、CPG(=Consumer Packaged Goods:消費材)の場合は、約1%であるため、成長する余地が十分ある」。彼は、モバイルロケーションデータとの連動と店舗訪問の追跡が業界の発展のためには間違いなく重要であると考えており、「ROIを証明できなければ、大規模な投資は得られない」と述べている。

 

OOH +モバイル=クリエイティブな組み合わせ

さらに、OOHメディアはオンラインディスプレイ広告よりも「ブランドセーフ(ブランド毀損リスクが低いこと)」だ。従来のOOHのような、ビューアビリティーの問題もない。デジタルOOHのプレースメント(広告掲載場所)とクリエイティブは、通勤時、日中、仕事終わりなど、オーディエンスが場所を移動するのにあわせて、1日を通して変更することも可能だ。そしてそれは文字通り、「taxi top(タクシー車両の屋根に表示される)」ディスプレイにも当てはまるのだ。

 

OOHとモバイルの、非常にクリエイティブな組み合わせもいくつか実行されている。顕著な例としては、OOHビルボードを、車内でWaze(スマートフォン向けカーナビアプリ)に表示させたWazeとMcDonaldのキャンペーンだ。もう1つは、HBOが最近実行したテレビドラマシリーズWatchmenキャンペーン。このキャンペーンでは、AR(拡張現実)をニューヨークとロサンゼルスのJCDecauxのバスシェルター広告と融合し、多大な効果をもたらした(下の動画を参照)。

 

OOHに特化した代理店Quan Media Groupの創設者であるBrian Rappaport氏は、次のように述べている。「ARは、この先1、2年のOOHの持続的な成長において、大きな役割を果たすだろう」。Rappaport氏は、OOHの将来について非常に楽観的な見方を示しており、「物理的なロケーションでデジタルスクリーンを使用する音楽フェスやその他のイベントで多くの刺激的な活用チャンスがある」と付け加えた。

 

他メディアの効果を向上させる

Rappaport氏はまた、OOHプレースメントによって、他のチャネルにおいてもさらなるリーチを獲得でき、モバイルデバイスでのソーシャルシェアリングとデジタル検索を促進するだろうと指摘している。Facebookが引用したNielsen(米国の、購買行動に関わるデータ・情報・測定会社)の調査によると、「米国で調査を行った成人10人のうち約4人(38%)が、OOH広告を見た後、Facebookページにアクセスしたか、Facebookに投稿。そして、25%は、Instagramに投稿した」とのこと。また、Danone yogurtを含むヨーロッパでのケーススタディでは、ミレニアル世代とZ世代のメンバーに新製品を紹介する場合、OOHは印刷物やテレビよりも効果的であることが明らかとなった。

 

クリエイティブエージェンシーComposedが最近実施した別の研究では、OOHとインストアマーケティングが、SnapchatやFacebook、Twitterよりも、Z世代の商品発見に大きな影響を与えていることが明らかとなっている。

 

とりわけ若いユーザーの場合、オンラインと「IRL(In Real Life:実生活)」の区別がない傾向にある。そしてモバイルを除き、他の広告チャネルやメディアは、おそらく、OOHほどのハイブリッドエクスペリエンスを体現するに至っていないということなのであろう。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の2/18公開の記事を翻訳・補足したものです。

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