プレミアムエアラインであるキャセイパシフィック航空USAは、直近のブランドキャンペーンにインタラクティブな360度広告ユニットを活用し、過去最大の成果をあげた。

 

同社マーケティング担当副社長のRobecta Ma氏は、次のように語る。「キャンペーンで使用した360度拡張広告ユニットは、当社の過去のバナー広告の実績、並びに業界の平均CTR(クリック率)の0.33%を上回った。Conde Nast Travelerなどの出版社サイトにおけるユーザー広告視聴平均時間は、20.8秒であった」。

 

こうしたユーザーインタラクションに関するパフォーマンスの向上に加えて、“主要な指標”においてもかなりの上昇が見られたという。具体的には、純粋想起に関して27%、好感度は25%上昇している。キャセイパシフィック航空への支持も12%上昇し、特に女性や富裕層の間で良い結果が得られた。

 

キャンペーンでは、個人旅行の目的地として香港とアジア諸国の魅力を取り上げ、キャセイパシフィック航空が“アジア旅行のリーダー的エアライン”であるという位置付けを確立することに注力。同エアラインの利用経験がない旅行者をターゲットに設定し、比較検討や購入段階にいる消費者に対する効果を高めるため、インパクトの大きいVR(バーチャルリアリティ)フォーマットを活用することにした。

 

「キャセイパシフィック航空のラウンジとフライト体験を十分にイメージできる360度動画広告ユニットにより、潜在顧客はまず、同機でのフライトをバーチャルに体験することが可能となった。これは、米国内の6つの就航地周辺に居住していない人にとっては特に有益なツールである。多くの人がアクセスできるように、この360度動画ユニットは携帯電話端末で動作可能にした」と、Ma氏。

 

キャセイパシフィック航空は今回、VR / AR広告プラットフォームであるOmniVirt社の協力のもとでこのキャンペーンを実施した。OmniVirt社の技術によりあらゆるメディアを通じてVR体験を提供。キャンペーンの目的に沿って、より広範囲なリーチとターゲティングを達成したという。

 

同航空会社は、キャンペーンの成功後もイマーシブ(没入型)広告を引き続き出稿予定。また、360度体験を自社のマーケティング戦略の一環として確立し、VRの活用に加えてAR(拡張現実)もテストしていく計画だ。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の4/3公開の記事を翻訳・補足したものです。