小売業者がオンライン・オフラインを活用し売上を伸ばす5段階のアプローチ   | 海外ニュース | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
  • google+
  • follow us in feedly
トレンド
2018/11/08

小売業者がオンライン・オフラインを活用し売上を伸ばす5段階のアプローチ  

成功している小売業者はこの競争社会で生き残り、成長するために何をしているのか。

ほとんどの小売マーケティング責任者は、小売業の秘訣を熟知しているように見える。しかし旧来型の小売業者は、ワンクリックでの利便性や価格の透明性、そしてAmazonや類似のオンラインショップによって提供される無限のサービスによって、ますます不利な状況に追い込まれている。

 

しかし、将来にまったく希望が持てないわけではない。SephoraZaraNikeのような実店舗型の小売業者は、この傾向に反しているのだ。またアパレルブランドBonobosEverlane、眼鏡ブランドWarby Parkerのようなeコマースのトップ店もそうである。これらのブランドは、顧客の洞察を徹底的に優先順位付けし、(オフラインからオンラインまでの)チャネルを超えたシームレスな顧客体験を提供するテクノロジーに投資している。

 

小売業界にとって一年で最も盛り上がるシーズンを控え、顧客分析会社Custora調査は、小売業の成長を促進する要因について驚くべき洞察を明らかにした。調査は、どの基準が明確な対前年比の収益成長率と最も相関しているかを確認するために、同社クライアントの40以上の小売業者を対象に行われたものである。

 

「新規の顧客獲得」と「平均注文頻度」

明らかに、高成長中のブランドは「新規顧客の獲得」にかなりの投資をしている。これは収益増加の確実な方法だ。しかしそれは、実際には比較的非効率であるとも言えるのである。実は、「新規顧客の獲得」数が1%増加しても、「注文頻度」が同様に1%増加した場合の方が成長面で3倍のインパクトがあるというのだ。また「注文頻度」を上げる方が、コスト面においても圧倒的に安く済む。

 

つまり、平均的な顧客が180日に1回購入する場合、その期間を178日に短縮できれば、売上高をほぼ3%増加させることができるということなのである。

 

これは非常に素晴らしい発見であり、機転の利く小売業者たちはすでに注目している。彼らは、ブランドのエンゲージメントやプロダクトディスカバリー(商品発見)を増やすために、ウェルカムシリーズやハイブリッドなサブスクリプションモデル(定期購入型)、チャネルからデバイスまでのパーソナライズなどの戦略に、さらに投資を進めている。これらはすべて、購入と購入のインターバル時間を短縮するためである。

 

「平均注文額」増加のインパクト

調査結果のもう一つの有力な発見もまた、売上増加を目指す小売業者にとって役立つものであった。具体的に言うと、平均注文額(AOV)の1%の増加は、平均して1.3%の増収につながるということである。

 

では、小売業者はどのようにして買い物カゴの中身を増やせばよいのか?調査によると、最も成功しているデータ駆動型の小売業者は、以下2つの側面のどちらか1つは得意としているようだ。

 

・注文ごとのアイテムの増加(抱き合わせ販売):ファストファッションブランドは、予想される個人レベルの商品のアフィニティスコア(親密度)を利用し、顧客が関心を持つ可能性のある補完的な商品を提案している。

 

・平均商品価格の増加(より高額な商品の販売):アパレルやフットウェアの小売業者は、予想される最適な価格に基づいて顧客を評価し、高額商品を購入する顧客にはプレミアム商品や正規価格の新着商品を表示する。

 

多かれ少なかれ、買い物カゴの中身を増やすという挑戦は、リピート購入を促すよりも難しいと見られている。ある小売業の幹部は、「リピート注文を促進するための汎用的な戦略はすでにあり、またプロモーションやタッチポイント(企業やブランドと消費者との接点)に関する戦略も長年実証されてきた。しかし、AOVを増やすにはパーソナライズが必要不可欠である」と語る。

 

これは事実の核心をついている。最も効果的なAOVの成長戦略は、顧客に対する深い洞察から始まる。しかし多くの小売業者は、その明らかな戦略とそれにより達成できる結果を認識していないのだ。

 

成功した小売業者が採用する5段階の方法

  1. 顧客データの集約:トランザクション(分けることのできない一連の行動の処理単位)、CRM(顧客関係管理。Customer Relationship Management)、および顧客エンゲージメントデータを同時に用い、各顧客とブランドとの関係を完全に把握する。

 

  1. 目標の設定:ブランドにとって重要な機会が、抱き合わせ販売によってもたらされるのか、もしくはより高額な商品の販売によってもたらされるのかを特定し、それに応じて目標を設定する。1つの目安として、抱き合わせ販売は一般的に、比較的低価格の商品を扱う、もしくは幅広い品揃えをしている小売業者にとって相性の良い最初のアプローチであろう。均質品または高配慮品を扱う小売業者は、むしろ、より高額な商品の販売を通してアイテム価格の引き上げに重点を置けるだろう。

 

  1. 関連する洞察の特定:どのAOV手段を使用するかによって、どのタイプの商品を一緒に購入する傾向にあるか、各カテゴリーの低価格のものなのか、プレミアムなものを購入する傾向にあるかなどを見抜くために顧客データを分析する。

 

  1. 実験:最も成功した小売業者は、「クロール‐ウォーク‐ラン」のアプローチ法を採用している。これはすなわち、単一のチャネル、またはセグメントに焦点を当ててシンプルに販売を開始し、何が効率的な方法なのかが分かってきたところでその方法を繰り返し行うという方法である。たとえば、抱き合わせ購入手法を導入しようとする小売業者は、1通のeメール、またはチェックアウトページで1つの商品の推奨することから始められるだろう。さまざまな戦術を繰り返しながら、ゴールへの効果を測る。

 

  1. 最適化と自動化:たとえば、顧客の期待価格に基づいたサイトのパーソナライズを行うなどの戦略の方法を一度特定したら、洞察を継続的に更新し、マーケティング実行ツールと直接統合し自動化することが不可欠である。

 

つまりこの小売の新時代において、AOVの増加は、ブランドが生き残るだけでなく、ブランドにとって未開拓部分を成長させてくれるチャンスを意味しているのだ。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の11/2公開の記事を翻訳・補足したものです。