ECサイトでのマーケティングオートメーション元年がやってきた - 前編:ECサイトでもマーケティングオートメーションが重要な4つの理由 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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2015/01/14

ECサイトでのマーケティングオートメーション元年がやってきた - 前編:ECサイトでもマーケティングオートメーションが重要な4つの理由

ECサイトでのマーケティングオートメーション元年がやってきた

 

ECサイトの運営は年々難易度を増している。2000年代前半は、オンラインに出店すればある程度のモノが売れた時代であったが、最近ではそのようなことはほとんどなくなってきている。そのため、各店舗とも集客の努力(≒広告投資)を行い、コンバージョンを高めるための努力(≒サイト改善)を行い、あらゆる側面で非常に競争が激しくなってきている。

このような流れの中で今年は分散したデータを上手に統合することで運営の無駄を省き、マーケティングや運営のオートメート化を本格的に考え、シフトしていく年になるのではないだろうか。今回は前編として、ECサイトにおいてもマーケティングオートメーションが重要である4つの理由を考えていきたい。

 

 

マーケティングオートメーションとは?

 

そもそもマーケティングオートメーション(MAと略されることも多い)とは、主にBtoBサービスを提供している企業におけるマーケティング活動において、様々なチャネルやツールに散らばるデータを一元管理し、顧客を管理し、育ててていくトータル的な活動のことを指すキーワードだ。マスでのマーケティング活動と異なり、個別の「個」客毎にコミュニケーションをルール化・自動化する仕組みやツールを示す場合もある。個客の様々な企業とのコミュニケーションレベルに応じて企業側がルールを作り、それを自動で実行してマーケティングの効果を最大化していく。米国を中心に既に大きなマーケットが広がっており、日本にも昨年頃からBtoBサイトを中心に活用が始まってきている。外資系サービスなどに対して国内の大企業がこぞって出資や提携を発表するなど、非常にホットな業界となっている(関連記事)。

注:当コラムでは「マーケティングオートメーション」というキーワードをECサイト運営事業者によるマーケティング活動全般のオートメイト化に限らず、運営業務全般のオートメート化として議論を進めていくことにする。

 

 

 

ECサイトでもマーケティング(+運営)オートメーションが重要な4つの理由

 

一般的にはコンシューマー向けに商品を販売しているECサイトはBtoBサイトではないのになぜこの考え方が重要か。元来ECサイト運営では多くのデータの取得が可能であり、様々なサービスから提供される膨大なデータに埋もれて運営を行ってきている。複数のサービスから得られるデータを有機的に連携出来ずに活用できないという悩みを持つ事業者は非常に多いはずだ。

ECサイトの運営事業者を支援するサービスも年々増え続けている。広告系サービス、在庫管理系サービス、CRM系サービス、顧客管理系サービス、アクセス解析系サービスなど様々なジャンルにおいて活況を呈してきている。またそれとともに、それぞれに複雑な管理画面が存在し、そこから各種のデータが提供されている。しかし、それぞれのサービスから提供されるデータや管理画面の操作方法は、ITリテラシーがそれほど高くないECサイト運営事業者にとっては難易度が高く活用しきれないケースが多くなっている。そのような環境の中で、もはや人の力だけで考え、結びつけ、適切な施策を打つことは不可能となってきたのだ。

 

ECサイト運営のマーケティングオートメーションによる進化

ECサイト運営のマーケティングオートメーションによる進化

 

そのような背景を踏まえながら、ECサイトでもマーケティング(+運営)オートメーションが重要な4つの理由を考えてみる。

 

 

 

 

運営を簡易化することが出来る

 

とにかくECサイト運営業務は大変だ。他の様々な業務を俯瞰してみてみてもこれほど多岐にわたるジャンルの作業を実践しないといけない業務は類を見ない。売れる商品の企画、適切なタイミングでの適切な価格・数量での商品の仕入れ、Webサイト構築、買う気をそそる商品写真撮影やキャッチコピー作成、更には集客のためのSEOやリスティング・アフィリエイト・メルマガ・コンテンツ作成、ソーシャルメディア活用、商品の梱包と配送、消費者のニーズの調査、データ解析から改善案の検討などなど。バイヤー、マーケター、デザイナー、プログラマー、カメラマン、ライター、メディアプランナー、コンサルタント、リサーチャー、アナリスト、など横文字にするとその業務の幅の広さの実感もさらに沸いてくる。これはとても数名で運営することは不可能であることが理解出来る。

マーケティングオートメーションは、これらのEC運営業務の一部、もしくは多くを自動化してくれる可能性がある。やれば効果が上がるがやりたくてもなかなか手が回らずに行えていないルーティーン業務は少し考えただけでもたくさん存在するだろう。例えばアクセス解析データと在庫系のデータを繋ぎあわせて、最適なタイミングで商品の発注を自動化することなどが簡単に出来るようになる。このように様々なデータを繋ぎ合せることで、そこから最適な業務ルールを導き出し、そのルールに沿ったルーティーンワークを自動化することで、運営業務の負荷を軽減し、簡易化する可能性が高くなるのだ。

 

 

運営を高度化することが出来る

 

ECサイト運営では多岐にわたる業務を単純にこなすだけでなく、高いレベルで実践していかないといけない。そのため業務の幅が広がっている昨今のECサイト運営業務の難易度は非常に上がってきている。それぞれの業務領域において、最先端の考え方やノウハウに追随することは大変で、各種ツールやサービスの導入が必須となるケースもある。そして、それを使いこなすのはまた困難がつきまとう。

マーケティングオートメーションは、各業務領域の専門家がそれぞれの業務を遂行する上で適切なルールや閾値などを設定してルール化してくれるケースが多くなる。そのため通常では思いもよらない高度なルールや不可能だったルールの導入が可能となる。例えば在庫切れの商品を閲覧しただけの人に絞って商品再入荷時にメールを送信したり、Twitterなどのソーシャルメディアで言及されることが多くなったキーワードに関するリスティング広告を自動的に増やしたりすることで、アクセス増や売上増の可能性を今まで以上に増やすことが可能になるのだ。すなわちECサイト運営の高度化が可能となる。

 

 

投資を効率化することが出来る

 

集客にコストがかかることはある程度は仕方が無い。しかしそれをより効率的に投資していきたいと思わないECサイト事業者はいないだろう。リスティングなどの管理画面に張り付いて、常に効率化の作業を行うことが出来ればいいが、なかなかそうもいかない。例えば週末はスマホでのアクセスが伸びることからPCのリスティング投資をやめてスマホへの投資に切り替えることで、効率化することが可能だが、毎週末に管理画面を操作することや、Google Adwordsのルール設定をこねくり回すことは、なかなか気が進まないことが多いだろう。

マーケティングオートメーションサービスでは、そのような面倒を簡単にルール設定することが可能となる。また、ECサイト運営業務に関連する様々なデータを連携させオートメイト化することで、リスティング広告に限らず、在庫管理など様々な側面において投資の効率化を進めることが出来る可能性が高まるのだ。

 

 

個客毎にフォローを行うことが出来る

 

ECサイトで購入してくれるお客様は十人十色。様々なニーズを持ち、そのサイトへの愛着度も様々だ。しかし従来は全てのお客様に対して同じコンテンツを提供し、同じメルマガを打つことがほとんど。マーケティングオートメーションサービスの一部であるCRMツールや、接客ツールの登場によってお客様それぞれの状況に応じてベストな接客を行うことが出来るようになってきた。

お客様の来訪頻度、来訪間隔、過去購入商品、過去閲覧商品など様々なファクターから適切な提案をすることが可能となってきている。また、ゆくゆくは阪神が優勝した場合に、阪神ファンにだけメールをする、などの幅広い条件でのフォローを行うことが出来る可能性も秘めている。

マーケティングオートメーションによりデータ連携が進んでくることで、より細かいセグメント、更には本当に個別のお客様毎に、適切なマーケティング施策を打つことが出来る日もそう遠くないだろう。

 

 

 

マーケティングオートメーションの特徴とともに、マーケティングオートメーションがECサイト運営においても非常に重要なコンセプトとなり得ることはご理解いただけたのではないだろうか。ECサイトにマーケティングや運営のオートメーションという概念を導入することで、業務の負荷は減り、売上も上がり、投資対効果も改善する可能性が高まるのだ。

 

後編では、ECサイトマーケティングオートメーションで成果を上げるためにどのようなことを行っていけばいいか、5つのポイントを考えていく。