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ノウハウ・ツール
2018/10/23

モバイルeコマースでやってはならない10項目

ほんの5年前まで、「モバイルeコマース」はeコマース全体で見ると脇役でしかなかった。

しかし現在、多くのオンライン検索はスマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスに対応するようになり、eコマース全体の40%がスマートフォンによるものとなった。この事実が、eコマース業界をすっかり変えることになっている。

 

モバイルeコマースが企業にとって重要な理由

スマートフォンはもはや最重要チャネルである。スマートフォンは、人々の脳内と、社会生活の延長のようなものだ。米国人は1日におよそ80回スマートフォンをチェックしていると言われ、スマートフォンはオンラインとオフライン双方のショッピング体験を統合するものとなっている。

「ある製品を買いたい」と思ったら、すぐスマートフォンを手に持ちGoogleで調べる消費者。彼らの多くは、こうした行為をすることを自覚しているはずだ。アメリカ人の76%が、買い物をするために地元の店を探すときにスマートフォンに頼っているという。こうした理由で、小売店にとってスマートフォンが最重要チャネルであるということが言えるのだ。さらに、世界的コンサルティング会社Deloitteのオムニチャネル消費者調査では、店舗で買い物をするときにアメリカ人の30%がスマートフォンで価格を比較するという。

 

スマートフォンの重要性は、小売店に地元の買い物客を呼び込むためだけとは限らない。世界的調査会社Nielsenよると、スマートフォンはオンラインショッピング体験の主軸となり、消費者の73%が購入前にスマートフォンで商品を検索し、70%が価格を調べているとのこと。

 

言うまでもなく、数年後のスマートフォンはオンライン、オフライン両方の産業に大変革をもたらすだろう。

 

これに加え、今日のグローバルeコマース全体の40%は、モバイルeコマースで直接行われている。つまり、すべての企業にとって消費者を引き付け、それを保持するために、モバイルeコマースが重要なのだ。

このことを念頭に置きつつ、企業はこの新しい“モバイルeコマースパラダイム”をどう準備していくのか。

まず、消費者のスマートフォンでのコンバージョン率は、パソコンのコンバージョン率よりも約50%低い、という本質的な事実を知っておく必要がある。つまり(パソコンよりも)50%少ない訪問者しか製品の購入に至らないということだ。

 

米国のソフトウェア会社Monetate は、10万人の訪問者を対象とした分析において、パソコンのコンバージョン率3.5%に対し、スマートフォンは平均1.4%という顧客コンバージョン率を特定している。これらの数字は、スマートフォン向けeコマースストアを真に最適化するという点で、多くのオンラインショップに未開拓のビジネスの可能性があることをはっきりと示している。

 

モバイルeコマースでやってはいけないことトップ10

以下はモバイルeコマースの可能性を実現するために、企業がやってはいけない10項目だ。

 

1.モバイルに非対応

モバイルに対応していないeコマースストアがあったとする。それは残念なショッピング体験をもたらすだけでなく、Googleなどの検索エンジンにてインデックスに登録されることもないだろう。

それは、Google Mobile First Indexが存在するためだ。これはスマートフォンやタブレット、パソコン上のストアのランク付けする方法で、まずスマートフォンのeコマースストアがクロールされる仕組み。これはオンライン検索とeコマースの状況を一変させるものとなっている。

なお、eコマースストアがモバイル対応になっているかは このサイトでテストが可能だ。

 

2.スマートフォンDNAに最適化されてないこと

eコマースストアがモバイル対応しているか確認する最も一般的な方法は、「レスポンシブデザイン」を実装しているかどうかだ。つまり、ウェブサイトのコンテンツがスマートフォン、タブレット、パソコンの画面サイズに合わせて調整されるかどうかということである。

しかし、レスポンシブデザインはスマートフォンインターフェースのDNAに合致していない。したがって、スマートフォンインターフェースにナビゲーションや検索、フィルタ、ショッピングカート、特に“チェックアウト”などの機能を適用し、モバイルeコマースの顧客コンバージョン率を最大限に高める必要がある。

 

3.遅すぎること(表示スピードの問題)

“スピード”は、常にオンラインショッピング体験の主要な部分だ。サイトの表示があまりにも遅いと、消費者は苛立ち、ショッピングをやめてしまうからである。スマートフォンでは、この問題はさらに顕著であり、消費者の53%は表示に3秒以上かかるとモバイルウェブサイトから離脱してしまうという。

したがって、企業はウェブサイトのコンテンツ、画像、コードを構造化し、プログラムする方法を最適化するためにできることはすべて行わなければならない。読み込み時間を早くするために、企業はAMP(Accelerated Mobile Pages)を実装し、顧客がモバイルウェブサイトにアクセスする際、とにかく迅速に表示することが重要だ。

表示が遅いせいで顧客を失うことがないように、モバイルeコマースストアのスピードをテストし、テストレポートで特定されたエラーを修正しよう。

 

4.複雑なナビゲーション

“悪いナビゲーション”は多くのモバイルeコマースストアにとって「アキレスのかかと(弱点)」だ。つまり、スマートフォンの小さなインターフェースとナビゲーションパターンが合っていないことである。スマートフォンでeコマースストアを利用する消費者の約30%が、探している商品を見つけられないということからも、わかりやすくシンプルなナビゲーションが特に重要であることがわかる。

ナビゲーションをデザインする際に、5つの基本を覚えておいてほしい。顧客が考え悩むことなく、以下のすべてを明確にしなければならない。

・ナビゲーションはどこにあるのか

・現在サイトのどのページにいるのか

・サイトのどこへ行けるのか

・サイトのどこから来たのか

・来たところへ戻るにはどうすればいいか

簡単に聞こえるかもしれないが、デザイン上ではとても難しいものである。手っ取り早い方法は、ドイツのファッションEC、Zalandoのナビゲーションデザインを参考にすることだろう。

 

5.検索しにくいこと

こうしたスマートフォン固有のナビゲーション問題によって、多くの消費者はモバイルではなくパソコンでeコマースストアを検索しているようだ。モバイルでECサイトを利用する消費者は、小さいスマートフォンの画面で方向性や根気を失うため、検索機能はモバイルeコマースにおける主要な問題だ。検索エンジンが使いにくいと、モバイルの顧客コンバージョン率は劇的に悪くなる。

顧客は、「search(検索)」ボタンを押したときに、探している商品を見つけるのに役立つだけでなく、入力したときに商品や商品カテゴリのマッチングの提案も望んでいる。

たとえば、Amazon.comのモバイルeコマース検索は非常に素晴らしい。顧客が検索フィールドに「furni」と入力すると、Amazonはこの検索入力に基づいて「furniture pads(家具用パッド)」「furniture sliders(家具スライダー)」などを提案する。

 

ちなみに、モバイルeコマースストアで行われた全検索の約10%~15%は、スペルにミスがあると言われている。したがって、検索語を入力するときや、検索結果を表示するときにこうしたタイプミスを訂正することが重要なのだ。

顧客が「battery(バッテリー)」という単語を入力する際に、「battari」などと間違ったスペルで検索を行った場合、Amazonは検索結果の上部に「batteryでは?」というリンクを表示する。顧客がこのリンクをクリックすると、正しい検索結果に導いてくれるのだ。

この2つの高度な処理能力を持つ検索機能は、間違いなくAmazonの大成功の鍵である。したがって、Amazonのモバイルeコマースストアをチェックすることは、最上級レベルの検索エンジン構築のために信頼できる材料となるだろう。Amazonの検索機能は、クラス最高なのである。

 

6.使い勝手の悪いフィルタ

全消費者の約30%は、在庫があるにもかかわらず、モバイルeコマースストアで商品を探せずに購入を諦めてしまう。小売業で同じシナリオを想像してみてほしい。ゾッとするだろう。顧客が製品の見つけ方がわからない主な理由は、検索結果や製品リストのフィルタに原因がある。

“フィルタ”の第一のポイントは、すべての製品リストページに「Filter(フィルタ)」ボタンをはっきりと表示することだ。多くの顧客がこの機能で商品を絞り込む。このボタンを押した後は、さらに別のページやページ上部に、細いレイヤーでサイズやブランドなどのより多くのフィルタのオプションを提示する必要があるだろう。

多くのモバイルeコマース会社は、製品フィルタページ内で誤ってフィルタを開くため、ページが乱雑になり、使いにくくなる。1つか、それ以上のフィルタを選んだあと、顧客は「View items(商品一覧を見る)」ボタンを押し、製品リストページに戻って閲覧することができるようにするべきだ。

これは簡単に思えるかもしれない。しかし、使いやすいようにデザインするのは難しいものだ。お金と時間を節約したければ、英国のファッションECサイトASOSのほぼ完ぺきなフィルタを参考にすると良いだろう。

 

7.後で見るために検索商品を保存できないこと

米国の調査会社Forresterよると、ショッピングカートを放置した約71%は3つの主な理由によるものだ。

・配送料が高すぎる

・顧客がまだ買う準備ができていない

・顧客が複数のサイトで価格を比較する

多くのショップは、顧客がまだ購入する準備ができていないため、eコマースストアを離れていることに気付いていない。しかし、Amazonにはこの問題を解決する賢い方法がある。それは、ショッピングカートの各項目の横に表示される「Save for later(保存)」ボタンだ。

たとえば、米国のアパレルメーカーLevi’s のジーンズをショッピングカートに入れたものの、まだ購入の準備ができていない場合は、そのまま保存しておき、準備ができたときに購入することができる。これは素晴らしいソリューションで、Amazonではショッピングカートの下部に保存された商品を表示させている。顧客は、ショッピングカートに新しく商品を追加するたびに、保存してある商品を目にすることになる。

顧客が後で購入するために保存した商品や購入を検討した商品を知ることで、パーソナライズされた電子メールやその他のマーケティング目的に使える情報源にもなる。これは実に賢明だ。

 

8.「ゲストチェックアウト(会員登録不要の購入)」オプションが無いこと

デンマーク出身の工学博士でウェブサイトのユーザビリティ研究の第一人者であるJakob Nielsen氏によると、顧客にモバイルeコマースストアへの登録を強制すると、30~50%がログインページで離脱してしまうという。これはコンバージョンの致命傷の一つだ。解決策として、パスワードを作らずにチェックアウトを完了できる「ゲストチェックアウト」という選択肢を提供する。これだけで、このログイン問題は簡単に解決できるだろう。

多国籍小売業者Debenhamsも、チェックアウトフローに入った顧客に「ゲストとして続ける(登録不要)」を許可することで、この問題を解決している。顧客がチェックアウトプロセスを完了した後に、会員登録などを希望するかの決定ができる。これは、簡単なソリューションを基本に、モバイルeコマースの顧客コンバージョン率を最大限に高める非常に良い方法だ。

 

9.複雑なチェックアウト(購入手続き)

米国のコンサルティング会社Boston Consulting Groupによると、モバイルeコマースストアがあまりにも多くの個人情報を要求し、使い勝手が悪いという理由で、チェックアウトに進む全顧客の約50%が入力を完了しないで終わるという。このことを念頭におくと、顧客のコンバージョン率を高めることができるだろう。

スムーズなチェックアウトを設計するには、最初に店舗のメインナビゲーションを削除し、その代わりにわかりやすい1、2、3のチェックアウトステップインジケーターを挿入したチェックアウト用のファネルを作成する。この時点で、顧客は手間をかけずに素早くチェックアウトでき、モバイルeコマースストアへ移動する必要はない。店と顧客は取引を成立させたい、という共通の関心と目標を持っている。

次に、スマートフォン向けに最適化された「タイプミス解決」インターフェースを前提に、配送時間と配送コストに関してはわかりやすく簡単に選べるようにする。配送が選択された際には、顧客がなるべく素早く個人情報を入力できるようにすることが重要だ。

スマートフォンで名前や住所などを入力するには時間がかかるので、不要な入力フィールドをすべて削除し、可能であれば電話番号と郵便番号に基づいて住所の検索ができるようにするべきだ。チェックアウト中に複雑な個人データの入力を求めると、顧客の20〜25%を失う可能性があるため、これらを簡素化することで売り上げを伸ばすことができる。

最後に、顧客が好きな支払い方法で注文を確定しすべての手順に不備がないことを、顧客が「pay(支払い)」ボタンを押してしまう前に確認できるようにしなければならない。

 

10.ユーザーテストをしていないこと

多くのモバイルeコマースストアがユーザーテストを行っていないことは明白だ。このユーザーテストは、全ユーザビリティエラーの約85%を見つけるための、最も早く、そして最も効率的な方法であるだけに、この事実は残念である。

ユーザーテストとは何か。それは、サイト設計と最適化をするための、実際の顧客を取り込んだ“大作戦”のようなものである。これは「思考発話テスト」と呼ばれることもあり、ユーザーがインターフェースをどのように認識したか、たとえば好きな点や、戸惑った理由など、気づいたことを自由に口に出して言うものだ。

ほとんどのユーザーテストは、基本的にエラーを発見するために必要とされる5人のユーザーと行われ、彼らがテストすれば、タスク内の全エラーのおよそ85%が見つかると言われている。このユーザーテストは、それだけで最も強力といえるコンバージョン最適化に向けた作業であり、こうしたテストには時間がとられることもない。そしてまた、eコマースストアとやり取りする実際の顧客の、リアルなショッピングシーンに基づいている。

ユーザーテストを実行すると、通常30~50のユーザビリティエラーが見つかる。そのうち4、5個のエラーは致命的で、顧客を失う可能性があるものだ。失った顧客はおそらく2度と戻ってこないだろう。

ユーザーテストで見つかったこうしたエラーを解決することで、モバイルeコマースストアは多くのライバル社よりも確実に良いものになる。そして、自社ストアのコンバージョン率と収益を、確実に向上させることができるだろう。

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の10/15公開の記事を翻訳・補足したものです。