株式会社スタートトゥデイは、2018年3月期通期決算を発表。同時に同社初となる中期経営計画を発表し、ZOZOSUITの新型に関する説明を行った。

 

2018年3月期の商品取扱高(流通総額)は2,705億円で前年同期比27.6%増

売上高は984億円(前年同期比28.8%増)で、営業利益は326億円(前年同期比24%増)、営業利益率は12.1%と前年同期比よりも0.3ポイント減少したものの、計画よりは上回った結果となった。

2018年第4四半期連結会計期間(平成30年1月~3月)における商品取扱高は735億円(前年同期比14.9%増)であり、プロモーション関連費の抑制や11月に行ったツケ払いによる押上げ効果が完全に終わったことが影響し成長率は一息つく形となったことを発表。

ZOZOTOWN事業では、商品取引高は2,629億円(前年同期比28.3%増)、売上高は872億円(前年同期比27.8%増)であった。この背景として、ブランドクーポン等のプロモーションによるアクティブ会員の増加が挙げられた。

また、直近12ヵ月における年間購入者数は7,223,227人(前四半期比17,450人増)であり、引き続き低価格のショップが出店していることが影響して平均商品単価は4,203円(前年同期比6.1%減)であった。

新規出店ショップに関しては、219ショップが新たに出店し計画を大幅に上回った。これにより2018年3月末時点での総ショップ数は1,111ショップとなった。

 

スタートトゥデイ初の中期経営計画発表

サイズ問題を世界レベルで解消し、世界でZOZOTOWNを広めることを目指すと発表。これに向けて具体的に、オンラインSPAで世界NO.1、加えてグローバルアパレルTOP10入りをかかげ、10年以内に時価総額5兆円を目指していくという。

また、海外比率を大幅に上げ、「服の買い方」「選び方」「作り方」における革命を行っていくと表明。服の買い方、選び方においては、コーディネーターが選んだ服が定期的に送られる「おまかせ定期便」や、何十万件の商品から自分の体型に合った商品のみを表示させる「自分サイズ検索」を提供。作り方においてはオンデマンドの生産ラインといった短納期での提供を目指す。

さらに、BtoB事業を再強化させZOZOTOWN独自の販促機能や決済、店舗ソリューションまでを提供する事業へと進化させる。また、広告事業もスタートさせ、ZOZOTOWNやWEAR内で広告スペースを設けて販売し、1年目で30億円の売上、3年目には100億円を目指す予定だ。なお、スタートトゥデイ研究所では、服作り、デザイン、採寸という分野に関してAI技術を交えた研究を行うことで3つ革命の手助けをねらうという。

 

予約数100万件を超えるZOZOSUIT、マーカー読み取り方式の新バージョンを提案

既に予約数は100万件を突破したというZOZOSUIT。多くの予約件数に対し、生産・発送が間に合っていない状況だ。今回スタートトゥデイは、その打開策という意味も込めて新ZOZOSUITを提案。新型には沢山のドット(マーカー)がプリントされており、そのマーカーをスマートフォンで読み取ることで体型を3Dをモデルとして取り込む。

旧型の内蔵センサー方式のスーツよりも生産が容易であること、Bluetooth接続不良といった問題が発生しないことから、今後の発送は新型スーツに切り替え、現在までに予約したユーザーには7月中旬頃までに発送完了を予定する。

なお、スーツの仕様変更に伴い、2018年4月27日以前にZOZOSUITの予約をしていたユーザーに関しては200円の送料を無料にしての提供される。既に約4,000着の新型スーツを出荷しており、今期600万~1,000万着を無料配布予定だ。また、7月初旬からは世界72ヵ国にて同時販売をスタートさせ、既に103ヵ国からZOZOSUITの予約を受けている。

 

今回の発表より、今後ZOZOTOWNは海外に注力し事業展開する姿勢を見せた。「ほとんどのベーシックアイテムはZOZOTOWNで購入するという状況を作り出す」を目標に、ZOZOSUITからのユーザーの体型情報獲得とAI技術の活用により世界を代表するブランドの仲間入りを目指すとしている。