米のデジタル市場分析会社comScoreの主要動向調査報告によると、Facebookが提供するモバイルアプリ、FacebookとWhatsAppが13カ国中9カ国の利用率でトップに立っていることが分かった。また、ユーザーエンゲージメントにおいてモバイルが優位に立っているが、依然としてパソコンも市場で力を持つことがわかった。

 

2018年3月6日、comScoreは米国、英国、カナダ、インド、ブラジル、西ヨーロッパなどの国々を含む13か国の市場でのパソコンやスマートフォン、タブレットのデジタルメディア使用パターンを調査した2018 Global Digital Future in Focusレポートを発表した。

デジタルメディアの成長は、今もなおモバイルによって推進されており、ほとんどの市場でモバイル経由の消費が伸びている。しかし、米国ではマルチプラットフォーム使用が基準で、定着している。また、米国においてパソコンに費やす時間は、デジタルメディアを使う時間の30%以下であるという結果がでたものの、パソコン利用者は今でもモバイル利用者より絶対的な優位を保っている。

 

プラットフォームごとのユーザーあたりの平均使用時間

 

 

パソコンとモバイルの訪問者数

 

米国のモバイル利用者は、モバイル使用時間の90%弱をアプリ使用に費やしている。これは他の市場とほぼ変わらず、アプリ使用時間は90%前後となっている。アプリ使用時間はカナダが85%で最も割合が低く、アルゼンチンが95%で最も高かった。

 

ブラウザとアプリのモバイル利用時間の割合

 

Facebookがすべての市場に出てくるわけではないが、各国で人気上位5つのアプリは極めて一貫性がある。しかし、Facebookが提供するインスタントメッセンジャーアプリWhatsAppは13か国中7か国で1位。全体で見ると、Facebook所有のアプリが13か国中9か国で1位となっている。

スマートフォン向け写真共有アプリSnapchatは米国と英国の市場でトップ5入り。Googleのアプリは少なくとも2つ、また多くの市場で上位5つのうち3つが入っている。

 

国別トップ5アプリ

アプリ利用時間は、動画を含むエンターテインメント、ソーシャルメディア、メッセージアプリ、ゲームの4つのカテゴリーでほぼ消費されている。これらの4カテゴリーでのアプリ利用時間を合計すると、世界中の全てのアプリ利用時間の3分の2にも上る。

 

アプリ利用時間のカテゴリー別の割合

以下のグラフは主要な国々での主なメッセージアプリの市場シェアを示している。米国、カナダ、英国、フランス以外の国では、Facebook MessengerはWhatsAppに比べてシェアが低い。この表だけでも、Facebookが2014年に現金と株式を合わせ160億ドル以上で、WhatsAppを買収した理由がわかる。

 

主なメッセージアプリの利用時間

ここまでの内容で完全に伝えられていないニュアンスもあるだろう。しかしこの報告書が伝えることは、モバイルにユーザーの利用時間が集中している一方で、高頻度で利用されているアプリは少数に限られるということだ。

マクロトレンドの大部分はおおむね一貫している。だが、主にモバイルデバイスを通じてログインしている発展途上市場(例えばインド)では、PC用のインフラの発達が遅く、モバイル専用サイトやアプリ中心の”モバイルオンリー”へと大きく偏っている。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の3/12公開の記事を翻訳・補足したものです。