モバイルサービス企業がユーザー体験の向上を目指す中で、モバイルサイトとモバイルアプリ内ブラウジングのどちらがより成長を見せるか、モバイル業界トップのAOL/VerizonCMO CouncilAlignableMatch GroupIon Interactiveなどの企業間で意見が分かれているという。

モバイル端末を利用するほとんどの時間(端末を問わずその時間はほぼオンラインで過ごしているのが事実)はモバイルアプリを利用しているが、Facebook、Twitter、Flipboardなどを含むモバイルサイト利用にも多くの時間が費やされている。これらのアプリにはブラウザが内蔵されており、インスタント記事AMP(AMPはGoogleとTwitterで共同開発されている、モバイル端末でウェブページを高速表示するためのプロジェクト、そのためのフレームワークを指す。accelerated mobile pagesの略)などの機能によりモバイルサイトとアプリ内ブラウジングの差が曖昧になっている。

モバイルマーケティング会社Tuneの新しい調査報告によると、業界の専門家が参加した議論において、2017年はモバイルサイトとアプリのどちらのチャネルがより大きな成長を見せるかについての意見が分かれたと言う。

Match Group社のJames Peng氏やCMO Councilのマーケティング担当上級副社長Liz Miller氏を含む5名は、モバイルサイトがより成長を見せると主張した一方、かつてHP社とApple社の社員だったJean-Louis Gasse氏や、AOL/VerizonのMike Brooks氏は、アプリの方がリードしていくと主張。

「アプリはユーザーロイヤルティーと使い勝手、またモバイルサイトはユーザー体験と一時的に気分を高揚させる何かが重要」とIbotta社のLayne Cox氏は話す。「2017年も双方は成長を続けるが、ユーザーはそのサービス内容や、扱う製品、ユーザー体験の内容、提供ブランドなどに基づいて各プラットフォームを使い分けていくだろう」。

こうした議論はTune社の新しい報告書「Mobilebest 2017:Four Burning Issues in Marketing Technology」で取り上げられている問題の一つ。この報告書はマーケティング担当者向けに、今日の業界内の大きな課題に対し、業界トップの考察や見解を提供する目的としている。

その他にも、マルチタッチ機能についてや、martech(デジタル技術を取り入れたマーケティング活動。マーテック)とadtech(インターネット広告における広告流通や配信技術。アドテック)のコンバージョン率、広告詐欺の脅威などについての議論も含んだものとなっている。

 

※この記事は「Mobile Marketing Magazine」の5/17公開の記事を翻訳・補足したものです。