株式会社博報堂のEC領域に特化した組織横断型プロジェクト「HAKUHODO EC+」は、シンクタンク博報堂買物研究所と共に、直近1年以内にECで買物をした生活者をEC生活者と定義し、全国の15~69歳男女に利用実態や生活意識を聴取した「EC生活者調査2023」を実施した。
調査結果
直近1年間の年代別EC利用率(直近1年以内にいずれかのECサイト利用ありと回答した割合)を調べたところ、生活者の1年以内のEC利用率は全体で83.6%となっており、さらに60代においても86%超と利用率が高いことから、幅広い年齢層で利用されていることが分かった。
インターネット通販で、買い物をする頻度について尋ねたところ、主要ECサイトを月1回以上利用する人の割合は、2023年は64.4%と、コロナ禍がひと段落した2023年も全体的にみると伸長しており、EC利用の浸透がうかがえる。
昨今の物価高騰による節約意識の変化について尋ねたところ、72%に及ぶEC生活者において節約意識が高まっており、特に食料品・ファッション・日用雑貨品カテゴリーでは、半数以上が節約を実施していた。節約行動としては、食品・日用雑貨品で日用消費財 カテゴリーは、より安価な商品を選択し、 ファッションカテゴリーでは商品の買い控えをする人が多かった。
インターネット通販で知っているサービス・機能、すごいと感じたサービス・機能を調査したところ(複数回答可)、「全体のうちその機能を凄いと思った」のは、即配サービスが最も多く、「利用者のうちその機能を凄いと感じた」のは自分に合う商品を配合してもらえるが最多だった。サービス利用経験者では即配やカスタマイズ機能・パーソライズ機能への満足度が高く、生活者起点でニーズの高いサービスが今後重要だと考えられる。
まとめ
今回の調査結果より、若年層からシニア層まで幅広い年代でEC利用が浸透していることが明らかとなった。その背景には、定期購買や重い商品を玄関まで配達してくれるECならではの利便性、物価上昇にともなう節約意識の高まりや家計防衛の手段として、価格比較をしつつ、ECのポイント制度などを活用してお得な買い物をしたいEC生活者の意識があると考えられる。
HAKUHODO EC+と博報堂買物研究所
「HAKUHODO EC+」は、博報堂DYグループ内各社および協⼒会社のナレッジやスキルを集約し、企業のさまざまな価値創造 DX の推進をワンストップでサポートするために、EC 領域に特化した博報堂DYグループ横断型プロジェクト。新しいコマース、新しいECの可能性をいち早くキャッチし、市場分析・課題発⾒・戦略構想からシステム開発・EC サイト構築、実装・集客・CRM、さらにはフルフィルメントやコンタクトセンター等の運⽤を行っている。
一方、博報堂買物研究所は、買物現場の真実に着目し、買物客の本音・買物のツボである「買物インサイト」を起点に、買物欲を満たす「買物シナリオ」を創造し、新しい買物行動を生み出すソリューションを提案・実行する実践的研究所。「博報堂買物研究所」は博報堂をはじめとするグループ12社が推進する、オンライン/オフライン領域で生活者に新しい買物体験を提供する戦略組織「ショッパーマーケティング・イニシアティブ®」の傘下で新しい体制を構築し、“開かれた”買物研究所を目指している。
HAKUHODO EC+と博報堂買物研究所は、今後もEC生活者の生活意識などをいち早くキャッチし、あらゆるバリューチェーンにおいて企業のマーケティングDX・事業成長をフルファネルで支援していくとのこと。