株式会社いつも.は、デジタルシェルフ総研において、世界中の「買い物」の今と未来を研究した発信を開始。その取り組みの第一弾として、生活者の買い物実態調査を行った。その結果、ここ3年ほどの買い物の状況と、新型コロナウイルス騒動の始まり期(非常事態宣言が出される前の自粛状況)における実店舗とECの利用について、行動と意識の変化が明らかになった。

 

まず、買い物に関する大きな流れを見ていこう。

ここ3年ほどのEC(ネットショップやアプリ)の利用状況を見てみると、「利用頻度(利用金額)はだんだん高くなっていた」人は32.8%で、「ここ3年ほどは変わらない/利用していない(いなかった)」人は59.8%であった。

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増税やコロナウイルスの騒動と関係なく、ここ3年で、3割以上の生活者がECの利用を増やしている。一方で、利用がほとんど変わらない人も約6割いることがわかった。企業がEC化を進める必要性は当然ながらある一方で、EC利用は夜明け前とも言える現状が明らかになった。

 

次に、ここ3年ほどの実店舗の利用頻度の変化を見てみる。

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総じて利用者は減っている実店舗だが、特に利用が減っているのは、「百貨店」「駅ビル」「アパレル専門店」「専門店」「書店」「化粧品」「家具」だ。一方相対的に利用者減が少ないのは「GMS」「コンビニ」となった。こうした結果から、日常生活において、“わざわざ店舗に行く”という価値をどうやって作っていくかが求められていると考えられる。

 

約68%の生活者が、実店舗への来店頻度を減らしており、その理由として、「商品を家まで持って帰ることへの面倒さ」や「店員の接客対応への面倒さ」「レジに並ぶことへの面倒さ」などが過半数を越えリアル店舗の課題が浮き彫りとなった。

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行く/行きたい店舗の特徴として「直接商品に触れたり、試せる」「その場で持って帰れる」という理由が過半数を越えた。「より体験できること」、「買ってすぐに使えること」(ただし持って帰るのが面倒な大きさや量などは逆効果となる)がアフターデジタル時代に求められるリアル店舗の価値ではないだろうか。

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次に、コロナウィルス騒動中での買い物の状況を見ていこう。

新型コロナウイルス感染症の影響で、ECは19.1%も利用が増え、店舗は32.3%も利用が減るという結果となった。

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買い物に対する印象の変化は、ECで十分だという気づいた方が20%、店舗の重要性を再認識した方が35.9%と、今回のコロナ騒動を機に自分に合った購買行動がわかった生活者が過半数いた。

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これらのことから、ここ3年、だんだんとECが増え、店舗利用が減っている状況だったが、さらにその傾向が加速している現状が明らかになった。非常事態宣言が出される前の自粛状況での調査結果のため、今後さらに買い物への意識が変化していくのではないだろうか。