総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済は、オムニチャネルの展開により利用シフトが加速している、ペット関連商品のEC市場を調査した。
調査概要
今回の調査では、ペットフードやスナックなどのペット用食品、猫砂やペットシーツをはじめとした非食品などのペット関連商品について、EC市場8チャネル(大手ECモール、メーカー直販系、量販店系、総合ペット用品系、ペットショップ系、家電量販店系、動物病院系、その他)の現状を捉え、将来を予想した。
調査結果
2023年のペットEC市場は、2,727億円で、このうち、6割以上を大手ECモールが占めている。この理由として、大手ECモールは、集客力の高さや、ペット家電や動物用医薬品など多様な商品を取り扱うことから活用が進んでいるためだと考えられる。また、Amazon.co.jpや楽天市場においては積極的な販促が行われているため、ペットフードやスナック、猫砂、ペットシーツなど消耗品の大容量タイプの需要が高くなっている。
次に規模が大きいメーカー直販系は、実店舗を主体に展開していたメーカーの参入が増えている。定期購入への誘導だけでなく、商品やブランドに込められたストーリーなどをWebでPRし、顧客ロイヤルティの向上や新規顧客の獲得を図っている。また、デジタルマーケティングを得意とする企業が、ペットを家族の一員としてとらえる動きに注目し、高品質で安全・安心な商品をEC経由で販売し、客単価の向上を目指すケースも増加している。
今後のペットEC市場
大手ECモールは、独自の経済圏を確立していることから、今後もECモールの機能拡充による顧客の囲い込みが進み、ペット関連商品の販売は引き続き増加すると考えられており、2028年の市場は、2023年比27.9%増の3,489億円が予測される。
一方、メーカー直販系は、商品投入のハードルが店頭と比較して低いため、新規参入が多く商品数が増加している。このため、ペットオーナーの趣味嗜好の多様化を受けたアイテム数の増加や顧客情報の収集に役立てるためECチャネルの活用を進めることから、大幅な伸びが期待される。