アジア太平洋地域に31の拠点を持つグローバル企業Criteoは、アジア太平洋地域における1,900名のオンラインで旅行関連の買い物をする人を対象としたオンライン消費者調査を実施、結果をまとめたレポートを公開した。

太平洋アジア地域における、オンラインの旅行売り上げの中でモバイルが占める割合は年々増加傾向にある。また、調査対象者の約半数が旅行のための情報収集に複数のデバイスを利用しており、アジア太平洋地域市場において、多彩な機能をもつワンストップ型の旅行アプリを提供することが確実なユーザー獲得に必要だといえる。

 

既にオンラインにおける旅行売り上げの50%はモバイル

日本におけるスマートフォンの所有率は2016年時点で71%であり、2020年には80%にものぼると予想されている。また、アジア太平洋地域におけるその他の国々の所有率も2016年時点で7割を超える国が過半数だ。

 

アジア太平洋地域平均値における、モバイルによる旅行売り上げは年々増加傾向にあり、2017年時点でオンライン旅行売り上の50%を占めている。特に中国におけるモバイル売り上げの占める割合は大きく、2016年時点で63%、2020年には74%を占めると予測がされており地域全体のモバイル売上割合を引き上げていることが分かる。

 

 

約4割のユーザーが外出時に空港便やホテルのチェックをする

調査対象者の38%は旅行情報を検索する際に、スマートフォンを最も用いると回答している。また、外出時に航空便やホテルを検索すると答えたのは地域平均で43%、予約すると答えたのは34%であった。

また、スマートフォンでの検索時に、ブラウザかアプリのどちらを主に使う人が多いかということに関して、国ごとに差が見受けられるものの、全体的には、アプリを主に利用する人が多い。

調査対象者全体の52%はオンラインでの旅行情報収集時に2つ以上のデバイスを利用しており、スマートフォンの利用の仕方だけがオンラインでの旅行商品消費ユーザーの傾向を表すとは言い切れない。

 

アプリは旅行前だけでなく、旅行先でも使われる

旅行のオンライン予約時に最も使うものは、ラップトップが34%と最多で、次いでアプリが25%、デスクトップが22%であり、最多ではないものの検索時だけでなく、予約時にもアプリの利用がなされている。

また、旅行先での外食、観光、各種アクティビティなどを予約する際、どの分野においてもアプリが最も使われており、スマートフォンのブラウザ利用率とアプリ利用率を合わせると過半数となる。

 

APAC市場で最大の機会をとらえるためには

アジア太平洋地域におけるオンライン旅行市場の規模は2020年には4,460億になると予測されている。また、2016年から2020年までの成長率は72%であるうち、モバイル売上げがしめる割合は76%にものぼるという。

Criteoは、太平洋アジア地域市場で最大の機会をとらえるためには、ワンストップ型のアプリを提供すること、デバイスでなくユーザーに焦点を当てること、幼い頃からデジタル機器の変化に接してきたミレ二アム世代を考慮に入れることが重要だという。

ワンストップ型のアプリの提供に関しては、その場でアクティビティの予約ができるなど、アプリの機能の多彩さや容易で安全な決済システムが重要だ。「カートに追加」する段階でユーザを逃がすリスクも減り、アプリから多くの利益を得ることができる。

 

日本においてもスマートフォンの所有率は高く、外出先で調べ物をする人も少なくない。容易で安全な決済システムがあれば、オンライン売り上げに占めるモバイル売り上げの割合が大きく増加することも頷けるだろう。