エストニアの自走式ロボットキャリアの開発製造スタートアップ企業Clevonが、欧州で初となる自動配送を開始する、と発表。同社の無人配送車両は、リトアニアの首都ビリニュスで、公道を走行して食料品を配送する。
この無人配送車は「Autonomous Robot Carriers(自走式ロボットキャリア:ARCs)」と呼ばれており、リトアニアの大手スーパーマーケットチェーンIKIの配送を行う。リトアニアの輸送プラットフォーム企業LastMileが運用を担当する。
施錠可能な荷室
Clevonの無人配送ロボットは、ビリニュス市街地で毎日の商業配送サービスを開始した。注文はIKIの中央店舗に集められ、顧客の自宅へ直接配送される。ARCsは1回の走行で7件の顧客の注文を配送することができるという。これらの配送ロボットには、オンライン注文の量に応じて大小さまざまなサイズの施錠可能な荷室がある。
この自動配送車は1回で7件の注文を配達。
重要な利点
LastMileのCEOであり共同創業者のTadas Norušaitis氏は、市街地の道路を走行する自動配送は欧州で初の取り組みである、と主張している。同氏は、この配送ロボットが同社の配送部門に重要な利点をもたらすと考えており、「顧客は、市街地にいても、混みあう時間帯であっても、商品を迅速に受け取ることができる」と語った。
郊外での試験プログラム、ビリニュス新市街と旧市街での導入が成功したことを受け、首都近隣の地域にも自動配送を拡大することが決定。これまでの配送体験では、雨、未舗装道路、雪、雨あがりの水たまりなど、あらゆる状況で自動配送が可能であることが実証されている。
テキストメッセージ
食料品チェーンIKIは、この自動配送料金を無料に設定している。顧客は、注文後にロボットの到着時刻と解錠コードを知らせるテキストメッセージを受け取る。安全を確保するために、自動配送車は最高時速25kmで走行し、車両には360度カメラと特別なセンサーが装備され、オペレーターがリアルタイムで走行をモニタリングして、遠隔で監視する。
ロボットは最高時速25kmで走行
自動仕分けロボット
フルフィルメントセンターではすでに自動輸送機能が一般的になっており、仕分けロボットが人の仕事を代行している。街頭での自動走行型配送車は、これまで主に小規模なテストが行われてきた。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の9/7公開の記事を翻訳・補足したものです。