欧州16ヵ国の中で、各国の消費者がオンラインで商品を購入するもののうち、クロスボーダー(越境EC)市場が占める割合は、ルクセンブルクが2022年は1位となった。同国の全オンライン消費のうち、クロスボーダー消費シェアは80%に達し、クロスボーダー総売上高は18億ユーロとなっている。

 

このデータは、Cross-Border Europeが毎年発表している最新の「クロスボーダーEU加盟国トップ16」によるものである。この調査は、ヨーロッパ内のクロスボーダーオンライン販売の売上高を比較したもの。2022年、欧州におけるオンラインクロスボーダー取引総額は1,794億ユーロに達した。同調査では、各国のクロスボーダー市場シェア、クロスボーダー消費者信頼度、クロスボーダーウェブ訪問者の割合も比較している。

 

2022年のオンライン・クロスボーダーEU加盟国トップ16

上位16か国は以下の通り。

 

ルクセンブルクにおけるクロスボーダー信頼度は86%

ルクセンブルクはその高い市場シェア(80%)により、クロスボーダーのトップにランクされている。さらに、消費者のクロスボーダーの信頼レベルは非常に高い(86%)。また、クロスボーダーのウェブ訪問者も多い。この報告書によると、消費者はZalando(ドイツに本社を持つファッションEC大手)、Asos(英国のファッション通販会社)、Veepee(フランスの小売企業)、FNAC(フランスの総合小売りチェーン)、Amazon(ドイツおよびフランス)などのプラットフォームでクロスボーダーショッピングを積極的に行っている。

 

クロスボーダー売上高が最も高いのは英国

このランキングではクロスボーダーのオンライン売上高が考慮されているが、市場シェアの方が重要だ。たとえば、クロスボーダーの売上高が最も高いのは英国で、280億ユーロである。ただし、市場シェアは17%と他国に比べて大幅に低くなる。

 

英国は280億ユーロのクロスボーダー売上高を計上

 

オランダはこのランキングで最下位となった。同国のクロスボーダー市場シェアは15.2%。これは50億ユーロに相当する。つまり、オランダの消費者はクロスボーダーのオンラインストアから商品を購入することはそれほど多くないということだ。これは、Bol.com(オランダ最大のネット通販)、Coolblue(オランダの家電量販店)、Wehkamp(オンライン小売業者)、AH(オランダ最大のスーパーマーケットチェーン)のような強力なローカルストアが存在するためである。オランダの消費者が国境を越えて買い物をする場合、Zalandoを利用することが多い。

 

 

出典:Cross-Border Europe

 

※当記事は英国メディア「E Commerce News」の6/29公開の記事を翻訳・補足したものです。