2018年のヨーロッパの越境EC市場は、950億ユーロ(約12兆円)の売上を記録した。これは、越境EC売上が、ヨーロッパのオンライン総売上高の22.8%に相当することを意味する。ヨーロッパでは上位500社の越境EC企業が360億ユーロ(約4.55兆円)の売上を生み出している。

これは、eコマースプラットフォームのCross-Border Commerce EuropeによるTop 500 Cross-Border Retail Europe調査報告初版が示す主な結論である。今回の調査は、ヨーロッパに本社を置く越境EC小売業者の業績調査を目的としている。

 

※今回の調査報告書における「ヨーロッパ」とは、主にEU16と呼ばれる西ヨーロッパとスカンジナビア諸国を指す。

 

ヨーロッパにおける越境EC:1,370億ユーロ

2018年、ヨーロッパの国際間取引eコマースの収益(旅行を含む)は、前年比13.2%増の1,370億ユーロとなった。ヨーロッパでの全eコマースに占める国際間取引の割合は22.8%である。

 

多くの国際間取引はEUの小売業者が行っている

旅行を除外した場合でも、国際間取引のeコマースは950億ユーロに上り、その55%がEUの小売業者によって生み出され、残りの45%はEU外の小売業者によるものだ。

 

EU16内では、ヨーロッパの大手500社の越境EC小売業者によって、360億ユーロが生み出されている。このうち4分の1はオンラインマーケットプレイス上の売上で、そのうち40%はピュアプレーヤー(インターネット専業でビジネスを行う企業)の売上だ。

EU外の小売業者を見ると、越境取引売上の80%がオンラインマーケットプレイスからのものだ。Amazonは、最も多額の320億ユーロの売上を記録している。

 

ヨーロッパの消費者の越境eコマースに対する信頼性は高い

Cross-Border Commerce Europeは、調査結果に「ヨーロッパの消費者の4人に1人は、越境ECの利便性を高く評価し、税制や国際間取引の規則をさらに簡素化する政策がとられることを希望している」と記述。「英国のEU離脱を控えている一方、ヨーロッパでの国際間取引の明るい未来を強く信じている」と言及した。

 

ヨーロッパの国際間取引eコマース(2018年)

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の3/14公開の記事を翻訳・補足したものです。