拡大し続けているドイツのeコマース業界。その成長の中、オンライン小売の総売上高は、ますます上位数社が占める割合が高まっている。つまり、ドイツの中小規模のオンラインストアの成長は、もはやかなり厳しい見込みなのだ。

 

これはドイツの小売リサーチ機関EHI調査によるものである。昨年のドイツのオンライン小売業者上位1,000社の収益は428億ユーロで、前年比8.1%増であった。

 

中小オンラインストアの売り上げ増加は厳しい状況に

「ドイツの小売業界では、とある憂慮すべき展開が進みつつある」とオンラインビジネスニュース誌Internet World Business記す。「その成長は、eコマース上位大手企業に一段と偏りがちであることだ。中小のオンライン小売業者にとって、売上を増やすことはますます厳しくなってきている」。

 

ドイツオンラインストア上位100社の総売上のうち、上位3社だけで43%を占めている。上位1,000社による総収益を見てみると、上位10社の合計収益が172億ユーロ、上位11社から100社は133億ユーロであった。一方、上位101社から500社の収益は85億ユーロ、501社から1,000社は37億ドルである。

 

 

上記のグラフを見ると、オンラインストアの上位501社~1,000社が驚異的に成長したことは明らかだ。 10年前の2008年は、そのオンライン収益は11億ユーロであったが、2015年は40億ユーロに増加。しかし2017年は37億ドルにとどまった。一方、上位10社のオンライン総収益は、2008年は47億ユーロ、2015年は143億ユーロ、そして2017年は172億ドルにも上った。

 

全体的にマーケットプレイス利用が増加

Internet World Businessによると、過去数年の落ち込みの後、より多くの小売業者がさらなる販売チャネルとしてマーケットプレイス(ネット上の市場)を利用し始めている。実際、ドイツオンラインストア上位1,000社の43%がAmazonを利用し、35%はeBayを利用しているという。

 

EHIのデータアナリストChristoph Langenberg 氏は、「市場の成長は売り上げ上位の小売業者によって不均等に促されている。マーケットプレイスアクティビティーは全体的な増加がみられるが、それは大手オンライン小売業者が、自社のマーケットプレイスでより活発に事業を展開していると同時に、その他の小売業者がより広範囲な市場で利益を得るために、トップセラーである彼らのマーケットプレイスを利用する傾向がますます強くなっているからである」と言う。

 

※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の10/11公開の記事を翻訳・補足したものです。