ドイツでは、「Amazonダッシュボタン」を使った購入の際に、価格に関する十分な情報が消費者に提供されていないという。これに対しミュンヘン高等地方裁判所は、法律違反との判決を下した。

 

Amazonに対して訴訟を起こしたのは、ドイツ最大の地域消費者団体であるthe Consumer Association of North Rhine-Westphalia。原告によると、消費者が実際に注文を確定する時点では、購買に関する条件を知らされていないとのこと。また、消費者がボタンを取り付けた数ヶ月後に、情報が提供されることもあるという。「Amazonは、最初に購入した価格を変更する権利、さらに、顧客が最初に選択したものとは異なる商品を提供する権利を留保している」とのことだ。

 

2016年、ドイツでダッシュボタン提供開始

2016年8月、Amazonはドイツにてダッシュボタンの発売を開始。ドイツは、米国以外でダッシュボタンが最も早く提供された国の1つである。これにより、消費者はボタン1つで、お気に入りの商品を”再”注文できるようになった。

ダッシュボタンの目的は、「消費者が日常的に使用するアイテムを、ストック切れになる前に簡単に再注文することを可能にする」というところにある。たとえば、ダッシュボタンを洗濯機に取り付けておけば、洗濯洗剤のボトルが空になりそうだと気がついたときに、ボタンを押すだけで再注文することができるということだ。

 

「Amazonは、消費者が注文を確定する前に情報を通知する義務がある」

しかし裁判所は今回の判決において、「顧客が注文を確定する前に、販売される商品とその価格を直ちに通知しなければならない」と示した。現在のところ、商品と価格情報はボタンを押した後、つまり注文した後に送信されている。

消費者協会のWolfgang Schuldzinski氏は、次のように述べている。「私達は、常にイノベーションを歓迎している。しかし、イノベーションによって、消費者が不利益を被り、価格比較を行うことが困難になるのであれば、その状況を阻止するために全力を尽くす」。

 

Amazonは控訴の予定

今回の判決に対し、Amazonは反論している。同社の広報担当者は、「今回の判決は、イノベーションに敵対するだけではない。顧客が、ダッシュボタンのようなサービスが利便性の高いショッピング体験であるか否か、情報に基づいて判断することを阻むものだ」と述べた。Amazonは、ダッシュボタンとその関連アプリがドイツの法律に準拠していると確信しており、控訴する予定であるという。

ただし、Amazonが依然としてダッシュボタンサービスにそれほど注力するべきかどうかは、疑問が残る。というのも、今日の消費者は、Alexa搭載デバイスや音声制御デバイスを使用して日用品を(再)注文することが、より一般的になっていると考えられるからだ。

 

※当記事は英国メディア「E-Commerce News Europe」の1/14公開の記事を翻訳・補足したものです。