英国の海外向け越境eコマースの売上は、2020年に前年比で57%増となった。アウトバウンドのオンライン売上は、4月からホリデー期間にかけて大幅に増え、9月以降は急増した。

 

英国におけるeコマースは、地元の大手eコマース企業の利用が多いことで有名だ。それにもかかわらず、英国のオンライン買い物客の36%は、他の国々からオンラインで購入している。

 

「英国のオンライン買い物客の36%は、海外から購入している」

 

IMRG(英国のオンライン小売協会)が発表した最新のCross-Boarder Index(越境インデックス)によると、昨年全体での英国からのアウトバウンドeコマース売上は、対前年比57%増加。越境eコマース取引は、4月以降、一貫して増加し、9月からは大幅に急増、11月には最高点に達した。

 

 

 

上記インデックスでは、英国のみならず欧州のトレンドにも注目している。これによると、昨年の大半の月で、非EU市場の越境売上高がEU市場を上回っていた。しかし、9月から12月にかけて変化があり、EUでの売上高が非EUを上回った。

 

  

 英国製品に対する需要の高まり

英国のeコマース調査会社Internet Retailingによると、この結果は、昨年のホリデーシーズン中に、EU市民の間で英国製品に対してより高い需要があったことを示唆しているという。「この需要の高まりは、EU離脱交渉がまだ合意に至っていないものの、ブレグジット後にお気に入りの英国ブランドから同じように買い物をできるかという消費者の懸念によっても加速された可能性がある」。

 

当インデックスを共同で作成したGlobal-e(越境eコマースソリューションを提供する英国企業)の欧州CEOであるNeil Kuschel氏は、EUからの需要の増加は、英国ブランドに対する強い購買意欲の高まりを浮き彫りにしていると話す。「ブレグジットによって、EU向け販売を行う英国のeコマース小売業者の状況は少々複雑になっているが、EUへの販売は成長に不可欠なチャネルであり、やめるべきではない」。

 

「勇気づけられることに、多くの英国ブランドは、ブレグジットによって生じた複雑さを社内で管理し、消費者にシームレスな体験を提供しており、ブレグジット後のEUでの売上に変化は生じていない。拡大する越境コマースの機会の恩恵を享受するべく、英国のブランドとオンライン販売を行う小売業者は、EU市場を他の国際市場と同じように扱う必要がある」と同氏は続ける。

 

 「英国ブランドは、 EU市場を他の国際市場と同じように扱う必要がある」

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の1/25公開の記事を翻訳・補足したものです。