Amazonの巨大なマーケットプレイスでショップを成功させるには、経験豊富な小売業者でさえも遭遇したことのない困難を伴う。利益が得られるセラーエクスペリエンスをもたらすには、自社内にある障害物を回避することが鍵となる。


現在、Amazonでビジネスを展開するセラーにとっての最大のハードルの1つは、同社が定める複数の販売オプションやポリシー、ガイドラインを遵守することだ。Amazonの広告ルールやフルフィルメントby Amazon(FBA)のポリシー、Amazonブランド登録の要件をナビゲートする方法に対する理解は、ブランドの成否を左右する。


これらの戦術には、商品リストの最適化、適切なキーワードの使用、広告ツールの活用による知名度の向上と売上の増加が含まれる。Amazonの新規出品者は一般的に、同社のルールを遵守しないことが最大の課題の1つであると感じている。


Amazonでの販売には、他の小売ビジネスと同様、事業運営の手数料がかかり、変化し続ける同社のルールや手続きを厳密に遵守するという追加的な負担も伴う。


Amazonのルールに従わない場合、出品者は在庫のロスや支払いの遅延や凍結、さらには掲載商品の丸損が生じるなど、深刻な影響を受ける可能性があると、Amazonの管理・マーケティング企業であるEmplicitの副社長、Emily Lindahl氏は指摘する。同社は、Amazonの認定パートナーとして、小売業に携わるクライアントと協働して、マーケットプレイスでの販売プレゼンスを高めている。


Amazonセラーに関する統計

Jungle Scoutは、小売業者がAmazonで販売するヒット商品を見つけるためのAmazonリサーチサービスだ。このサービスは、セラーのための売上予測やキーワードの調査、競合他社の追跡なども1つのダッシュボード上で行うことができる。蓄積された小売ツールは、サービス費用に見合うだけの価値があるといえるだろう。


Jungle Scoutの最新の投稿によると、45%のセラーが月に1,000ドルから25,000ドルの売り上げを上げているという。そのほぼ半数(25%)のセラーが月に25,000ドル~250,000ドルを稼ぎ、17%のセラーは月間売上が500ドル未満となっている。


Amazonは、常に厳格なポリシーとガイドラインを設けてきた。Lindahl氏によると、同社はこの1年間、セラーに課す基準を積極的に高めてきたという。


「在庫やカスタマーサービスなど、ありとあらゆる面でポリシーが変更されている。それは、絶えず変わり続けているのだ」と、同氏は語った。


Amazon小売業者におけるコンプライアンス上の課題

一般的に、多くの小売業者が直面する最大の問題は、必要となるコンプライアンス書類を把握することである。しかし、彼らの悩みはそれだけにとどまらない。


近所の店舗ではなく、おそらくAmazonの巨大なマーケットプレイスに参加している小売業者は、絶え間なく変化するAmazonのポリシーを把握するのに苦労しており、来週や再来週の在庫規制がどうなるかを考え、心配しなければならない、とLindahl氏は説明する。


「Amazonは通常、予告することはない」と同氏。


経営陣から今後30日以内に特定のポリシーを更新予定である旨が事前に通知されるといった一般的な礼儀はないものと考えよう。例えばAmazonは、セラーに対し、商品に違うラベルを貼ることに2週間の猶予を与えたりはしない。


そのため、セラーが常に変更点を把握し、必要に応じてアップデートしていることを確認するには、多くの場合、外部の助けが必要となる。そこで登場するのがEmplicitなのだ、とLindahl氏はアドバイスする。


「当社のクライアントの多くは、ポリシー更新の通知に関して、当社を頼りにしている」と同氏は話す。


後れを取ると、重大な影響が生じる

通知を見落としたり、無視したりして、対応し切れていないセラーは、深刻な事態に陥る可能性がある。突如として八方ふさがりの状況に陥ることがあるのだ。


たとえば、そうしたセラーの多くは商品を失い、ビジネスの利益率を大幅に悪化させる可能性がある。中には、リスティングを完全に失い、Amazonで販売しても収益を上げることができない小売業者もいると、Lindahl氏は述べる。


「Amazonに保管されているすべての商品を失う上に、それが起きるのだ。つまり、これは最悪のシナリオのようなもので、義務づけられたすべての変更を把握することが非常に重要であることを示している」と、同氏は話す。


疑問の残るセカンドチャンス

猶予や不服申し立ての選択肢はほとんどない。Amazonには不服申し立てのプロセスがあるが、自社に対するアクションに異議を唱えるセラーも、自身が新しく更新されたガイドラインに準拠していることを示さなければならないのだ。


「だから、あなたが補足説明やパッケージ、あるいは何であれ、Amazonの更新されたガイドラインに準拠できていない場合、好きなだけAmazonを訴えることはできるが、結局あなたは間違っていることになる」と、Lindahl氏は話す。


Amazonの継続的なポリシーの更新は、セラーが満たすべき新しい基準を全面的に規定し続けている。広告ポリシーやフルフィルメント by Amazon、ブランド登録の変更は、すべてセラーが直面する問題である。おそらく、ブランド登録は、セラーにとって最も苦痛をもたらすものであろう。


「ブランド登録によって、Amazonは登録されたブランドとなるためのガイドラインと要件を定期的に更新している」と、Lindahl氏は指摘する。


その目的は、Amazonのプラットフォームで販売されるすべての商品が本物であることを確認することにある。その基準を満たすために、現在、Amazonは新たな書類を要求している。複雑な事態にならないよう、セラーは策定中の要件や最新の要件を常に把握しておく必要があるのだ。


ブランド登録に必要となる条件を満たすことも、在庫の観点からセラーが直面するもう一つのハードルになるとLindahl氏は付け加える。例えば、Amazonは最近、セラーが新しい在庫管理に対応できるよう、「Capacity Manager(キャパシティ・マネージャー)」と呼ばれる新しい在庫管理システムをリリースした。


Lindahl氏によると、昨年の第4四半期には、倉庫の保管制限により多くのブランドが商品を発送することができなかったという。


Amazonの販売分野の平準化

Amazonは、在庫管理、ブランド登録、マーケティングと検索結果向上のためのキーワードなどのツールをセラーに提供している。個々の小売業者は、EmplicitやJungle Scout、その他のAmazonパートナエージェンシーが提供するサービスの利用有無にかかわらず、これらのツールを利用することができる。


ブランド登録されたセラーを支援するためのサードパーティソフトウェアが、Amazonから提供されている。また、Amazonは、セラーがプラットフォーム内でキーワードデータを利用するのに役立つ分析ツールも展開している、とLindahl氏は述べる。


「しかし、データを分析できるようになるには、レポートの読み方や実行方法を知っておく必要がある」と同氏。


それでも、Amazonのバックエンドにあるブランド登録の資料を活用するためには、セラーから働きかけることが不可欠だ。資料へのアクセスを許可されるためには、セラーはブランド登録のガイドラインとポリシーを遵守する必要があると同氏は指摘する。


最後に、Amazonの小売業者は、Amazonの広告ツールを活用する方法を学ぶために、広告のトリックにも精通する必要がある。商品カテゴリーによって、各セラーの競争相手は少しずつ異なっている、とLindahl氏は述べる。


「Amazonのプラットフォームを理解する上で最も重要となる点は、広告タイプの違いだ。セラーは、ターゲット対象によって適切に広告予算を策定する必要がある」と、同氏は提言する。


「したがって、無駄な広告費が発生していないことを確認するためには、すべての情報や自社のカテゴリーを把握することは間違いなくメリットがある」。

※当記事は米国メディア「E-commerce Times」の4/25公開の記事を翻訳・補足したものです。