2021年、企業は顧客データについて平均10種類のソースを使用していた。今年はその数が15種類に増え、2023年末には18種類に達すると予測されている。
マーケティング担当者は、データソースの数が増えることで、より質の高いデータが得られることを期待している。米国のクラウドコンピューティング・サービス提供企業Salesforceの新しい調査によると、マーケティング担当者が使用するソースの平均数は昨年から今年にかけて50%増加したという。来年末には、その数は2021年の約2倍になる見込みだ。
昨年、企業は平均10種類の異なるソースを利用した。Salesforceの第8回年次レポート「State of Marketing」によると、今年はその数が15種類に増え、2023年末には18種類に達すると予測されている。
これは、マーケティング担当者がデータに対する信頼を失っていることを示す複数の調査結果を受けて提出されたものだ。
マーケティング担当者が最も利用するソースは、最も信頼できるソースでもあることは当然だろう。取引データと既知のデジタルIDは83%のマーケティング組織が利用しており、公表された興味/感心は82%でほぼ同率だ。
最も利用されていないソースは、非トランザクションデータ(58%)とオフラインのアイデンティティ(69%)であり、サードパーティデータと匿名化されたデジタルアイデンティティがそれぞれ75%で続いている。
プライバシーに関する変更への対応
GoogleがサードパーティCookieの廃止期限を延期したにもかかわらず、新たな規制により、マーケティング担当者は消費者データを取得する新しい方法に今すぐ適応しなければならなくなった。
ソース:Salesforce第8回「State of Marketing」レポート
顧客に情報共有のインセンティブを与える方法は最も一般的であり、56%のマーケティング担当者が利用している。その他、個人情報保護法への対応として行われている方法として、以下がある。
・ファーストパーティデータ戦略の策定:54%
・セカンドパーティデータ共有契約の締結:52%
・新しいテクノロジー(例:顧客データプラットフォーム)への投資:51%
・社内データのサイロ化:49%
プライバシー保護の疲れが出てきているのかもしれない。顧客のプライバシーを保護するために、規制や業界標準を超えた対応を取っていると答えたマーケターの数は、昨年の61%から2022年には51%に減少している。
「State of Marketing 2022」の調査は、マーケティングマネージャー、ディレクター、副社長、CMOなど、35カ国のマーケティングリーダー6,000人を対象にした調査に基づいている。
気にかける理由
「GIGO(ギーゴ)」という頭字語は最近あまり使われなくなったが、その概念は常に真実であるといえる。データと分析に関しては、「Garbage in, garbage out(ゴミを入れれば、ゴミが出てくる。転じて、入力する情報が正しくなければ、出力される情報も正しくないことを示すコンピューターサイエンス上の用語。略してGIGO)」は事実である。悪い情報は悪い戦略を生む。データソースが増えるということは、それをクロスチェックする方法が増えることにもなるのだ。
※当記事は米国メディア「Martech」の11/28公開の記事を翻訳・補足したものです。