フィンランドのソーシャルショッピングアプリBlidzが、600万ユーロ(約8.1億円)のシード資金を調達した。同社はこの資金をもとに、欧米市場での成長を加速させ、さらに、製品群とサプライチェーンの拡大させる予定だ。
Blidzはフィンランドで設立され、ソーシャルとゲーミフィケーションにより、欧米のeコマースを変革することを目指している。ユーザーは、アプリを通じて数百万点の商品をまとめて大幅な割引価格で購入できる。
Blidzは年間1,500%のユーザー数の伸びを記録
2018年のサービス開始後、ユーザー数は年間1,500%増を記録している。初期の同アプリユーザーは、地方や都市部の女性、そしてZ世代や学生達であった。Blidzによると、彼らはオンラインで最もお得な商品を探しており、知人からのおすすめに頼っている。
ソーシャルショッピングアプリ
ソーシャルショッピングとは、ユーザーが自分で選択した商品を購入し、それをソーシャルメディア上でシェアすることで、知人にも同じ商品を購入してもらうというものだ。もし誰かが購入すれば、ユーザーは割引価格(最大95%割引)で商品を手に入れることができる。たとえ誰も同じ商品を購入しなかったとしても、ユーザーはBridzからストアクレジットを受け取ることができる。
欧米のオンラインショッピングはソーシャル導入において遅れをとっている
このような買い物の仕方は、欧米ではまだあまり普及していないが、中国ではこの仕組みを使ったアプリが数多くある。「欧米のオンラインショッピングは、ソーシャルの導入が遅れている。我々の目標は、消費者が自分の活動やソーシャルネットワークを活用して、どこでも最もお得な商品を手に入れられるようにし、高くてつまらない買い物体験から解放することだ」と、共同設立者のLasse Diercks氏は述べている。
シード資金
現在、Bridzアプリでは、家電、ファッション、食料品、家庭用品、園芸用品、バーチャルアイテムなど、幅広い商品ラインナップを取り揃えている。商品群とサプライチェーンを拡大するため、同社は600万ユーロのシード資金を調達した。このラウンドは、General CatalystとPeakが主導した。投資家としては、D4 Ventures、Fabric Ventures、FJ Labs、既存の投資家であるIPR.VCが参加している。
「欧米の消費者は、ソーシャルとゲーミフィケーションのソリューションを受け入れている。我々は、eコマースには、ユーザーを第一に考え、価値あるショッピングアプリを構築することができる大きな未開拓の可能性があるとみている。General CatalystとPeakが参加したことで、欧米のeコマースをこれまでに存在しなかったものに変えるための十分な準備が整った」と、Diercksuji氏は述べている。
欧米の消費者はソーシャルやゲーム化されたソリューションを受け入れている
General Catalystのマネージング・ディレクターであるAdam Valkin氏は、今回の投資について次のようにコメントしている。「Blidzの創業チームは、オンライン商取引の進化に関する独自のインサイトを数多く持っている。彼らは、ソーシャルメディア、ゲーム、ショッピングを、データ駆動型のエンターテインメントと使いやすいプラットフォームに統合し、欧米で新たな顧客体験を創造している。この才能あるチームから何が生まれるか楽しみだ」。
※当記事は英国メディア「E-Commerce News」の3/23公開の記事を翻訳・補足したものです。