適切な戦略に用いて顧客獲得単価(CPA)をトラッキング・最適化することによりROIが向上する。

顧客なくして販売はできない。では、1人の顧客を見つけるにはどれだけのコストがかかるのだろうか?

 

CPA(Cost-per-acquisition/顧客獲得単価)とは、ブランドが新規顧客を獲得する際の効率性を測るものである。この指標だけでは成功を測ることはできないが、CPAは、マーケティング費用の投資収益率(ROI)を把握するためのマイルストーンである。

CPAは、「cost-per-action」とも呼ばれ、オンラインでの購入、ニュースレターへの登録、アプリや電子書籍のダウンロードなど、さまざまなアクティビティをカバーできる。ここから、リード、コンバージョン、売上、そして最終的には、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を生み出すことができる。つまり、CPAは出発点なのである。

 

多くの数値の一つ

CPAは「単体の指標ではない」と、コンテンツマーケティングのサポートを行うMarketing InsiderGroupのCEOであるMichael Brenner氏は述べている。たとえば誰かが、「キャンペーンのCPAが2ドルだ」と言うことは、家を増築しようとしているときに建築業者が材木の価格を教えてくれるのと同じことであると、Brenner氏は説明。コンテキストがなければ、単体の数値に意味はないのだ。

 

Brenner氏によると、実際のところ、CPAとはマーケティングキャンペーンの効率を測定するものだという。何人の顧客を見つけたか?顧客発見にいくら費やしたか? そのクリックをコンバージョンに結びつけ、またはリードを顧客に変えるのに要した時間はどのくらいか?

 

「マーケティングキャンペーンの目的は、CPA下げることではない」と、Brenner氏。「それはビジネスの成果である。新しい収益と新規顧客を獲得しなければならない。クリックには実質的な価値はないが、クリック単価を測定することで効率が向上する」。

 

むしろ、Covidにより、オンラインの世界が圧縮され、トラッキングメトリクスの重要性が高まったといえるだろう。アテンション・スパンが短くなり、メッセージで共鳴を得ることは難しくなっている。マーケティングサービス企業MNI TargetedMediaのデジタル担当SVPであるMatthew Fanelli氏によれば、選択肢の数は飛躍的に増加し、接続デバイスの数も増えているという。

 

「マーケティング担当者は、費やしたすべてのドルの効率を示さなければならず、それはかつてないほどに重要になっている」と、Fanelli氏。「壁に何でもかんでも投げつけて、何が刺さるのかを確かめる日々は終わったのだ」。

 

数字が示すフォーカス

「CPAは私にとって良い物差しだ…それはメディア支出を抑えるのに役立つ」と、グローバルモバイル広告プラットフォームAdColonyの最高収益責任者であるJude O’Connor氏は語った。彼は、異なる5つのチャネルで実行した広告キャンペーンを例に挙げた。2つは生産的だが、3つはそうではない。最初の2つのチャネルでは何が機能しているのだろうか?

同じ業種の類似企業には、おそらくベンチマークとしている同様のCPAが存在すると、O’Connor氏。業界が動画をストリーミングしている場合、NetflixとHBOMax(米国の定額動画配信サービス)のCPAは同等なはずである。

 

次に、大企業と中小企業、たとえば、スターバックスと新興のコーヒーチェーンを比較してみよう。小規模企業に大企業と同等のCPAを期待するのは非現実的だ、とO’Connor氏は続けた。小規模企業には、ブランドエクイティ、データ、顧客獲得力が欠けている。初日から大きな成果を得ることはできないだろう。「これがプロセスであることを理解しているパートナーと提携する方が簡単だ」と、同氏は述べた。

 

そこで問題が生じる。クライアントの期待が実際のCPAを上回る場合がある。ここでマーケターは、クライアントの期待を現実に近づけながら結果を出さなければならない。

 

大きな期待

「すべてのKPIが、すべての施策に適用されるわけではない」と語るのは、マーケティングサービス企業Booyah AdvertisingのメディアスーパーバイザーであるLindsay Rinner氏。「広告主が低ファネルのKPIを目標到達プロセスのトップ・オブ・チャネルに適用している場合、彼らへのアドバイスが不十分であるか、または誤った情報を与えられている」。

 

Rinner氏は次のように続けている。「CPAを用いてより効率性を向上されるためには、ブランドは、カート放棄者へのリーチ、過去の購入者へのリターゲティング、リターゲティングプールの補充など、バイヤージャーニーにおける比較的手の届きやすい目標にフォーカスする必要がある。ブランドは、フルファネルサポートを目指し、リターゲティングプールの維持のため、アッパーファネルへの支出を増やすべきだ。これは、ローワーファネルコストの節約につながる」。

 

繰り返しになるが、理想的なCPAは、それをどう見るかによるとFanelli氏は指摘した。はじめは非現実的な期待を抱くかもしれないが、”それを管理し直し”、”CPAがあるべき中間を狙う”ことができる。新しいデータに照らして、計画を再考する準備をしておこう。 2、3日間実行し、キャンペーンが順調に進んでいるかどうかを確認してから微調整を行うべきである、と同氏は述べた。

 

CPAキャンペーンを設定する場合、マーケターはアクイジション(獲得)を最適化し、おそらくピクセルを生成してWebサイトに配置し、誰が訪問しているかを調べ、売上、フォームの記入、詳細情報のリクエストなどを目指す。クリエイティブ、メッセージング、および地域も確認しよう。顧客のソースを探し、何がトラフィックを促進しているのかを見つける必要がある、とFanelli氏は説明した。

 

マーケターが知っておくべきこと

「それがプロセスであることを理解することだ」とO’Connor氏。ローンチ日には、「最悪のCPAとなるのは今日である」と考えなければならない。単に、最適化するデータがないだけである。カウントは時間の経過とともに良くなっているだろうか? もしそうであれば、CPAが減少するまで最適化を続けることだ、と同氏は説明した。

 

また、データを収集しなければならない。「すべてのイベントにタグ付けし、それをベンダーに返送する」 とO’Connor氏。注文は主要なKPIだが、購入に至るまでの他のステップにも分析的な価値がある。これらのステップを調整することで、より大きな結果を生み出すことができるかもしれない。ファネルと整合性が取れている必要もある、と同氏は指摘した。「ユーザーエクスペリエンスとユーザーの行動は調和がとれていなければならない」。

 

Rinner氏は、以下のチェックリストを提示した:

 

  • 自社のCRMデータとリターゲティングツールを使用して、CPA効率化に向けた最も簡単な方法を見つける。「ブランドはまた、関心と関連性を維持するためにクリエイティブを更新する必要があるが、これは見落とされがちである」。
  • ランディングページ、特に読み込み時間を最適化し、チェックアウトプロセスを調整して、購入までの過程をスムーズにする。
  • 「最後に、ブランドは、コンバージョンをほとんど、あるいはまったく生まないデモやプレースメント、およびターゲティング戦術を排除する必要がある」とRinner氏は述べた。

 

「マーケターは、ビジネスの成果を測定する責任を負うべきである」とBrenner氏は付け加えた。「増収と新規顧客の獲得は、マーケティングの究極の目標だが、そこに到達するまでのマイルストーンと、コスト効率を測定する必要がある。CPC(クリック単価)、CPL(見込み客獲得単価)、CAC(顧客獲得単価)はすべて、マーケターがその過程で使用する必要のある優れたCPAツールである」。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の3/4公開の記事を翻訳・補足したものです。