商品購入時、Z世代に影響を与える要因はどのようなものか

 

Z世代とは、あまり国内では聞く機会は少ないが、1995年頃から2010年頃までに生まれた、非常に若い世代を指すキーワードだ。

フィンランドに本社を置くソーシャルメディアゲーム会社のSulakeが、3DソーシャルオンラインゲームHotel Hideawayのユーザーを対象に行った調査結果から、どのファッショントレンドを参考にするかについて、友人にアドバイスを求めるZ世代は多くないことがわかった。Hotel Hideawayは、世界で1,500万人がプレイする3Dのバーチャルワールドだ。プレイヤーはZ世代(17歳~25歳まで)が中心で、アバターの内訳は、女性が60%、男性が40%となっている。

 

ユーザーの65%は、最新ファッショントレンドを追いかけているが、「友人のコーディネートを参考にしている」人はわずか3%にすぎない。また、43%は「自身のスタイルがあり、他人のスタイルは参考にしない」と回答。ショッピングをする際の購入決定に、「友人の意見」が決め手となるとしたのは6%にとどまり、他の理由が動機となると回答している。

 

ソーシャルメディアは、本来、主に他人への影響を広め、他人をフォローするためのものであり、他の意見の影響を受けないデジタルファーストのZ世代はマーケターにとっては手強い相手だといえる。では、何が彼らにとって購入の決め手となるのか。トップ5は以下の通りとなっている。

 

・価格(48%)

・社会的責任(16%)

・サスティナブルなファッション(10%)

・ソーシャルメディアのインフルエンサー(9%)

・ブランドの広告(6%)

 

留意すべき点

Z世代の個性を重視するという傾向は、他の調査でも見られる。Hotel Hideawayのようなバーチャルな世界でアバターにユニークな服装をさせるのは簡単である。しかし、Z世代が、無限に広がるデジタルeコマースの世界で、実際のリアルなファッションを検索し、購入し、身につける場合は大きく異なる。数回タップし、インフルエンサーがソーシャルメディアで着用しているファッションを発見し、まったく同じではないが似ている関連アイテムを探し、その商品に関わる企業の倫理やサスティナビリティの取り組みについて読み、Poshmark(米国)のようなファッションフリマアプリで中古品を見つけることができる。このようなショッピングツールにアクセスできる若いデジタルネイティブたちは、「独自性」を別のレベルに引き上げた。

 

マーケターはこのことを念頭に置いて、広告費の回収率についてもより詳細に検討すべきだ。「ブランド広告(6%)」は本当に購入動機への影響力がないのか、それともZ世代が広告に影響を受けたと認めたくないだけなのか。その答えを推測する必要はない。Z世代に関しては特にそうである。Z世代が他の世代の消費者よりもデジタルで商品を購入するのであれば、マーケターが分析するのに必要な多くのデータを生み出してくれるだろう。

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の6/22公開の記事を翻訳・補足したものです。