ブランドがCOVID-19パンデミックの影響により引き起こされたオンラインショッピングブームに飛びついたことで、今年のeコマースプラットフォームへの広告支出は18.3%増の585億ドルに達すると予想されている。

 

Warc(マーケティングの計画、作成、提供のサポート企業) によると、今年、Amazon、Tmall(中国最大のオンラインショッピングサイト)、 RakutenWalmart(世界最大のスーパーマーケットチェーン)、Carrefour(仏発、世界にスーパーマーケットチェーンを展開する小売企業)、TikTok(モバイル向けショートムービープラットフォーム)、そして Pinduoduo(中国発、共同購入システムのeコマースプラットフォーム)といったプラットフォームへの世界的な支出は、より広範の広告市場と比較すると、30倍の速さで増加しているという。一方で広告業界全体では、支出が8.1%減少すると予測されている。

 

Alphabet(Googleの持ち株会社として設立された多国籍コングロマリット)とFacebookに次いで世界第3位の広告事業を展開するAlibaba(中国発、情報技術の提供やオンラインマーケットを展開する企業)は、今年のeコマース広告インベントリ販売において、235億ドルの利益を上げるとみられている。これは、同社の広告収入が6.6%増となることを意味する。また一方で、Amazonは広告収入が35.6%増加し、181億ドルに達することが確実視されている。

 

Warc Dataのデータコンテンツ責任者であり研究著者のJames McDonald氏は次のように述べている。「COVID-19の影響で、ほぼ全てのメディアの広告投資が横ばい、あるいは減少している。そのため、急激に普及しているeコマースプラットフォームは、不安定な経済情勢の中で、売り上げデータを活用し広告パフォーマンスを実証して、再配分された予算を獲得できる確固たる立場にあるのだ」。

 

今年のeコマースの広告支出の増加は、オンラインショッピングの大幅増加と一致している。消費者は、今年さらに1,830億ドルをオンラインに費やすと予想されており、eコマース総売上高は30.4%増の2.9兆ドルに達すると見込まれている。そして、今年の世界全体の小売成長のおよそ88%をeコマース売上高が占めるとみられている。

 

ほかには、TikTokや Taobao(Alibabaグループが設立した中国のオンラインモール)、そしてKwai(中国の国際版モバイル向けショートビデオアプリ)などのプラットフォームを介したライブストリーミングコマースが、2倍以上の1,710億ドルを売上げると予測。これは、今日のeコマース総売上高の10.2%に相当する。ライブストリーミングコマースは、今後2年間で4,210億ドルに成長し、eコマース総売上の20.3%を占めることになると予想されている。

 

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の9/24公開の記事を翻訳・補足したものです。