インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女25,884人を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大によって変化した働き方や消費意識に関するアンケート調査を実施した。また、一般ユーザーの行動ログとデモグラフィック(属性)情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用して、感染拡大前後のネット行動ログから消費者動向実態を調査した。調査結果の一部を紹介する。
新型コロナウイルスの影響拡大後、インターネットで購入・契約したものをカテゴリごとに見てみると、「日用品」11.6%、「食べ物の出前や宅配、持ち帰り」8.3%、「食材〈米・野菜・肉など〉」6.3%がトップ3に入り、外出自粛で買いに行けない生活必需品を、インターネットで購入した人が増えた様子が見て取れる。また、今回新たにインターネットで購入し始めた商品・サービス等は、収束後もインターネットで購入・契約し続ける傾向が全体的に高くなっている。
さらに、日用品、洋服、化粧品について、女性年代別に見てみると、購入した割合は若年層ほど高いことがわかった。一方で購入者の購入継続意向がある割合は、高年齢層ほど高い傾向があった。影響拡大をきっかけにネット購入を実施した高年齢層はその利便性を知り、若年層より健康・病気への不安が大きいことからも、外出を避けネット購入を継続する意向が高いのかもしれない。
実際にECサイトの利用者数は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手のECサイトでも、3月から4月はユーザー数が伸びていることが確認できる。ネットスーパーはよりユーザー数を伸ばし、今まで利用していなかった層の取り込みに成功している。
日用品カテゴリでは、品不足になるというデマが拡散したトイレットペーパーに加え、洗剤や芳香剤などの閲覧も増えていた。従来はドラッグストアなどリアル店舗で購入していたユーザーが、ECサイトで購入するようになったことが考えられる。
大手ECサイトにおけるトレーニンググッズの閲覧数の伸びからも、家でのフィットネスやトレーニング需要の増加がわかる。緊急事態宣言が発令された4月7日以降からは閲覧者数の伸びも顕著で、トレーニングジムが休業したり在宅勤務に伴い外にでることが出来なくなった人の需要が大幅に伸長したようだ。
今回の調査から、新型コロナウイルスの影響により、生活必需品を中心にECサイトを利用して購入する人は全体的に増え、収束後も商品・サービス等をインターネットで購入・契約し続ける傾向にあることがわかった。