株式会社インテージは、60-69歳を対象にインターネット、メディア利用状況や生活意識、価値観についての様々なデータを分析した。今回はその中から、ネットショッピングに関する部分をピックアップして調査結果を見ていく。

シニア層のスマホ利用率は4割に。2年で10ポイント利用率伸びる

「マルチデバイス利用調査」の結果では、インターネットの利用率は10代から40代でほぼ100%、50代で9割だが、60代ではまだ7割にとどまっている。しかし、スマホの利用率では著しく変化があった。特に60代において、利用率は4割程度だが、利用率の変化の差は2年で一気に上昇している。また、パソコンについては、全体的に利用率は減少傾向にあり、若年層ではスマホとの差が開いた。けれどもシニア層ではスマホとパソコンの利用率は同程度で、シニア層にとってはパソコンも重要なデバイスであることがわかる。

 

シニア層の利用サイトトップ5は「Yahoo!」「Google」「楽天市場」「Amazon」「YouTube」

シニア層でのネット利用率はここ最近で一気に伸びているが、どういった目的で使用しているのかを見ていこう。

インテージの「生活者360°Viewer」のデータを確認すると、シニア層のAmazonや楽天の利用率は、全体平均並みもしくは平均以上となっている。また、シニア層の特徴として、「Yahoo!ショッピング」の利用率が全体に比べ13ポイントも高い。その理由として、ポータルサイトから直接アクセスしやすい手軽さや、利用者が多い為、親しみがあるといったことがこの年代から支持されている要因と考えられる。

また、楽天市場も全体に比べ6.5ポイント高く、シニア層に馴染みが薄いことが想像されるAmazonも0.2ポイントではあるが全体と比べて利用率が高くなっている。このように、シニア層は思ったよりもオンラインショッピングサイトを訪問していることが浮き彫りになっている。

 

シニア層の商品選び、ネット上の話題やクチコミより自分自身で品質見極める傾向

そんなシニア世代のインターネットの利用状況の背後にはどんな価値観があるのか。シニア世代の値と10代~60代の平均値との差が大きいシニア層のスマートフォンでの行動をピックアップしてみていく。

それによるとSNSの情報に影響されて購入するような項目はどれも3%以下であり、インターネット上で話題になっているものや口コミへの関心は低いということが伺える。

 

また消費意識として、シニア層は「話題性があっても、品質の裏打ちがなければ買わない」が約60%で、SNS上で話題になっているものや口コミへの関心は低く、実際に自分で試してより良いものを自分で選んで発見していきたい、という意識が強くみられる。

 

近年のシニア層のネット利用率上昇の様子から今後、この層の人口、ネット利用率が共に上がることが想定されるため、シニア層のオンラインショッピング利用者は今後も継続的に増えていくと考えられる。この層にアプローチする企業にとっては、「スマホに特化しすぎないこと」「商品の話題性より信頼性を高めること」といったことへの配慮が重要になってくるだろう。