欧州の消費者は、どのくらいの頻度で化粧品をオンライン購入しているのだろうか?また、どのオンラインショップで購入しているのだろうか?新しい研究がこのトピックに光を当て、ヨーロッパ女性の化粧品のオンライン購入のあり方を明らかにする。

 

化粧品業界は、オンライン販売で一番簡単な業界という訳ではない。化粧品ブランドが顧客に注文する気にさせようとしても、オンライン顧客が自分で商品を試せる機会がないからだ。さらに、買い手が化粧品を選ぶ際には、単なる個人的な好み以上の要素が関わってくる。買い手は、自身の肌や髪のタイプ、肌の敏感さ、健康面などといったことも考慮する必要があるのだ。

 

ビジュアルeコマースプラットフォームのPhotoslurpと市場調査プラットフォームのZinklarが行った調査では、欧州の主要5ヶ国(イギリスドイツスペインフランスイタリア)における女性の買い物習慣を調べた。これは、顧客が化粧品をオンラインで購入する動機と、ブランドが顧客のニーズに合わせてオンラインショッピングを最適化する方法を明らかにすることを目標としたものだ。

 

73.9%が過去12ヶ月間にオンラインで化粧品を購入

イギリス、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアの女性1,500人を対象に実施した2社による調査では、化粧品は一般的に、毎週、または毎日購入するものではなく、数ヶ月間単位、または定期的なサイクルで購入するものであるということが分かった。回答者の4人に3人近くが、過去12ヶ月間にオンラインで化粧品を購入しているという。

 

オンラインで化粧品を購入するドイツの女性はわずか57.3%

オンラインで化粧品を購入した女性消費者の割合は、イギリス、フランス、イタリアが最も高く、それぞれ85.3%、83.3%、83%である。これに対し、スペインやドイツではそれぞれ、60.3%と57.3%が化粧品をオンラインで購入している。

 

また、今回の調査結果では、フランスにおいて女性は、概ね数ヶ月ごとにオンラインで化粧品を購入していることも判明。一方、スペインでは、大抵年に1〜2回オンラインで化粧品を購入し、イタリアでは、女性の買い物客の5人に1人が、月に1回オンラインで化粧品を購入しているという。

 

欧州の顧客はどこで化粧品を購入しているか

イギリスでは、Superdrug(イギリスのドラッグストア)が化粧品をオンラインで購入するのに最も人気のあるeコマースウェブサイトであり、AmazonとeBayがそれに続く。スペインでは、Amazonが最も人気のあるショッピングサイトであり、Kiko(イタリアのオンラインコスメサイト)とMaquillalia(スペインの化粧品店)がそれに続く。イタリアでは、やはりAmazonとKikoが上位につけており、Sephora(フランスの化粧品店)は3位。ドイツでは、オンラインでのファッション商品の提供を進めるフレグランスチェーンのDouglas(ドイツの化粧品店)が最も人気があり、Amazonがそれに続き、DM(ドイツのドラッグストア)は3位にランクインしている。 フランスでは、化粧品を購入するための最も人気のあるeコマースウェブサイトはYves Rocher(フランスの化粧品店)であり、SephoraとNocibe(フランスのコスメ量販店)がそれに続く。

 通常どのウェブサイトで化粧品を買うか?

 

Amazonはオンラインでの化粧品購入に最も人気があるウェブサイト

調査結果では、「Amazonは、オンラインで化粧品を購入するための最も人気のあるサイトである。また、女性は個々の化粧品ブランドのウェブサイトに比べ、さまざまな化粧品の選択肢がある大手の小売りサイトから、より多く購入する傾向がある」と述べられている。

 

口紅とフェイスマスクがオンライン購入で最も人気のある商品

どの商品を定期的にオンラインで購入するかについては、口紅とフェイスマスクが最も人気のある選択肢のようだ。この後に、アイシャドウ、アイライナー、コンシーラー、ファンデーション、メイク落としが続く。そして、ほとんどの回答者は、化粧品をオンラインで購入するにあたって、いいショッピングエクスペリエンスを得るために最も重視する商品特性は、敏感肌用の商品であるかどうかという点であると答えている。なお、イギリス、ドイツ、フランスの回答者は、敏感肌用の商品かどうかよりも、クルエルティフリー(化粧品の製造過程等で動物実験を行っていない商品のこと)商品であることの方が重要だと考えているという。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の10/22公開の記事を翻訳・補足したものです。