次代を担う「Z世代」を振り向かせるための広告戦略 | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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マーケティング
公開日2019/10/16

次代を担う「Z世代」を振り向かせるための広告戦略

Z世代(1990年代後半から2010年の間に生まれた世代)の消費者はマーケティングの状況を一変させており、これに適応しないブランドは取り残されるだろう。ここでは、あなたのマーケティングキャンペーンをこの変化に対応させる方法、そして、世界的な大企業が行っている驚くべき愉快なマーケティングキャンペーンの事例を取り上げる。

 

ブランドは、消費者に対してどんなことをしているか?

この質問は、ブランドメッセージが何か、ブランドがマーケットでどのような地位を得たいかという意味ではない。あなたのブランドが人々の生活に何をもたらし、潜在的な顧客とどのように話をしているかということだ。

 

通常は、この議論を避けたいと思うかもしれない。おそらく、このトピックが少し曖昧に思えるためか、あるいは、すでに、スタンドアップミーティングの回数が限度を超えていて今一度「重要」な議題を話し合う会議を行う必要があるためだ。それでも、以前の記事で取り上げたように、非常に具体的な好みを持ち絶えずデバイスを手放さないZ世代に自社ブランドが古臭いと思われる前に議論を行う必要があるだろう。

 

あなたは、数年前の「ハチミツアナグマは気に掛けない」というミーム(インターネットを通じて人から人へと拡がっていく行動・コンセプト・ メディア)を知っているかもしれない。これは、大胆不敵で攻撃的な動物に関する面白いビデオをもとにしたものだ。マーケターは、Z世代をハチミツアナグマと同じように、ニヒルで、周りを気に掛けず、束縛されない生き物と考えていた。実際にはまったく正反対であるが。

 

Z世代とは何者か?

米国大手コンサルティング会社McKinsey&Companyによれば、1995年から2010年の間に生まれた人はみなZ世代の一部とみなす。この用語は、生まれた時から現実としてインターネットとともに育ち、ソーシャルネットワークを第二の天性と見なす人々、前の世代よりも問題や争点を活発に議論する人々、消費において非常に倫理的な選択をする人々を指すために設けられた定義である。

 

Z世代への対応が特に難しいとマーケターが考える理由の一つは、主要なマーケティング代理店の経営者のほとんどがこの世代ではないためであろう。ミレニアム世代、つまり1980年から1994年の間に生まれた世代は、成長し、インターネットに慣れ、管理職の役職についているが、しばしば若い消費者も同じようにウェブを使用すると思い込む。それゆえに、彼らは新しい世代のためではなく、自分自身のためにオンライン広告をデザインしてしまう。

 

これが、現在の広告に見られる一種の断絶につながっている。広告キャンペーンは、社会運動の時代精神を捉えようとするが、その反映しようとするムーブメントに対する理解が的外れなために無様に失敗し、結果、広告の受けも悪い。

 

企業が、Z世代の消費者を理解していると思い込まずに、より広くZ世代の消費者に相談すれば、結果は改善されるだろう。

 

Z世代の行動は、何がそれほどに異なるのか?

この質問に答えるためには、Z世代の非常に独特なメディア消費習慣だけでなく、社会に対するこの集団の態度にも目を向ける必要がある。

 

メディアの話から始めよう。かつて、誰しもが自分のしたことや考えたことすべてをFacebookに投稿していたことを覚えているだろうか?あなたの叔母はまだ投稿しているかもしれないし、ブランドが存在感を維持するためには依然として重要なことかもしれない。しかし、かつて2007年のある一時には一番大切だったことが、今はそうではなくなっているのだ。

 

若者は、Facebookを”両親が使用するもの”と考えている。またTwitterは怒っている政治家が使うものだと考えている。しかし、依然として非常に大勢の25歳未満のユーザーがいる。なぜなら、これらがニュースや見解、そして時折ジョークを交換する素晴らしいソーシャルスペースであるためである。

 

それ以外のZ世代が多くの時間を費やしているソーシャルメディアがInstagramであることは、明白である。続いて、投稿の公開を推奨せず、一般的には閉ざされた花園(特定の利用者のみアクセス可能な仕組み)ダイレクト・メッセージアプリである。

 

これには、WhatsApp、ViberやSnapchatのメッセージ要素に加えて、大手ブランドのソーシャルメディア戦略で見逃されている可能性のある新しいアプリも含まれる。Z世代の消費者は、他のプラットフォームよりもInstagramでブランドをフォローすることをある程度好む。

 

Nexd(2015年にエストニアで設立された広告テクノロジー企業)には、Z世代のメンバーがいる。彼らは、自身の世代の本当のインサイトを持ち合わせている。同社のあるチームメンバーは「 Z世代はより独立心があり、起業家精神が強い。別々のことを同時にやるのがうまい。ミレニアム世代はZ世代とは異なり、たとえばマンション購入のために貯金するよりも、体験にお金を使うことが生きがいだ」と言う。

 

バックパックを背負って世界中を回りながらクレジットカードを限度額まで使い果たしたミレニアム世代は、新しい国に旅行するよりもマンションにお金を使う世代が存在することにかなり動揺するが、そう考えているのがZ世代なのだ。

 

この新しい、より堅実な考え方は、おそらくは前の世代がクレジットカードの借金で底なしの井戸に落ち、巨額の学生ローンを返済することを目にしていることに、ある程度基づいているのであろう。

 

マーケターは問題解決のために何ができるか

マーケターがZ世代にリーチできるチャンスはあるが、そのためには、その年齢層の人々と同じ目線で交流しなければならない。招かれざる客のように、人々のニュースフィードに侵入したり、Tinder(Facebookを利用した出会い系サービスのアプリ)で左スワイプする(Tinderで好みの相手でないと判断した時のスワイプ動作)よりも速くスキップされたりしたいのか? それとも、歓迎されたいのか?

 

もし歓迎されたいのであれば、いつも新しい会話を始めるのではなく、すでに行われている会話に参加することを目指すべきだ。人々の興味に注目し、時折、ちょっとした楽しい話やシリアスな現代的意義(関連性があるならば、あなたのブランドを、たとえば気候変動などの主要な時事問題と結びつける)を取り入れることを恐れないことだ。ただし、ブランドを宣伝しているという事実を見失ってはいけない。

 

「なぜ私の昔のツイートに“いいね!“を付けるのだろう」

ファストフードチェーンのBurger Kingは、巧妙なマーケティングトリックを用いた。このトリックは、正確に正しい方法で行われない限り、多くの場合には効果が得られないものだ。同社は、インフルエンサーの注意を引き付けたかったが、インフルエンサー個人へ直接メッセージを送りたくはなかった。

 

Burger Kingは代替手段として、ユーチューバーたちの非常に古い一連のツイートに「いいね!」を付けた。Casey Neistat氏(アメリカのユーチューバーであり映画監督、SNS企業Beme創設者)を含むユーチューバーたちは、同社がなぜこのようなことをしているのか疑問に思った。そして、彼らのチャンネルでその質問を投げかけることで、無償でBurger Kingブランドの広告活動を行っていたのだ。同社は後に、この一風変わった行為は広告効果を期待したものであったことを認めた。

 

社会問題のキャンペーンを行ってきた米国の靴ブランドTomsは、今年、米国におけるすべての銃の購入者の身元調査を求めるキャンペーンを開始し、その理念を支持するサポーターを集結させた。数年前であれば、靴会社がこのような問題に関心を持つことは疑問視されたかもしれないが、最近では、ブランドが世界の出来事とその影響について意見を持つことが期待されている。

 

やり方はあなた次第である

Z世代の注目を集めるやり方、そして広告キャンペーンに政治要素を取り入れるかどうかは、あなたが決めるべきことだ。ただ、自信を持って会話形式でオープンな方法でやる方が、より幅広いエンゲージメントを得られる可能性がはるかに高くなるだろう。クールな広告では、もはや十分ではないのだ。最近では、ブランドは、彼らの広告を発信する相手と話をし、彼らの声に耳を傾けなければならない。

 

ハチミツアナグマは気に掛けないかもしれないが、Z世代は、彼らにとって大事なコーズとコンセプトに間違いなくこだわりを持つということを肝に銘じておく必要がある。あなたが独創的でよく考えられたキャンペーンを構築し、キャンペーンの核心部分が若者たちの関心に一致するものであれば、彼らもまた、あなたのブランドに関心を示すかもしれないのだ。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の9/30公開の記事を翻訳・補足したものです。

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