ECサイト構築/通販システム構築・支援を主要事業として手掛けている株式会社エルテックスは、通信販売事業関与者の実態調査を発表、EC/通販事業におけるSNSの活用実態、今後活用したいSNS、EC/通販事業者の担当業務、通販事業全般の課題、困り事・悩み事などを集計・分析した。(PDFレポートはこちらから。)

 

今回の調査結果では、以下の3つの特徴が見られた。

1つ目はEC/通販事業者の悩み事や困り事関する質問に対して「既存の顧客の満足度の向上」は3年連続で増加したことだ。2016年に一旦減少したが、2013年で37.3%だったスコアは48.0%と5年間で「10.4%」増加しており、単一回答でも昨年比で3.4%増となっている。今回の調査では、全般的な項目で数値が減少したがこの項目と「広告メディアの使い方」は増加しており、本年はスコアが下がった「通販事業の戦略」「販売する商品のマーチャンダイジング」についても調査初年度からの傾向を見ると上昇傾向にある。

一方、「システムの処理速度」「システムの安全性」「受注・決済・倉庫・配送・債権などのトラブル」といったフルフィルメントに関わる項目のスコアの変動はあまり見られず、EC/通販事業者を支援するソリューション側のサービスは安定していると考えられる。

 

2つ目は、ECや通販パッケージを実際導入した経験者に、導入時の重視点を聞いたところ14項目中で10項目が前年に比べて減少したことだ。減少幅が大きかったのは「導入や運用のコスト」が12.4%、「希望の納期への適応力」の9.1%で、スコアが増加したのは「スタッフがあなたの会社の業務知識を持っているか」の4.1%増と「会社の信用」3.4%増となった。大幅に減少した2項目について、推測すると、働き方改革の考え方が世間に浸透しつつあることで、「コスト」「納期」といった選択項目が「過重労働や残業」を連想させ、回答者の当該項目の選択をためらわせたとも考えられる。

 

3つ目はあなたの会社、事業所の通信販売事業について、ビジネス上重要と思われるものを調査したところ、6項目中5項目でスコアが減少。唯一前年比でスコアが増加したのが「コストの削減」3.7%で、それ以外の「売上げ」、「新規顧客獲得」の2項目はここ5年間での最低数値となった。

 

 

顧客満足度や、商品開発、戦略、広告などのEC事業者の代表的なお悩みはここ数年も大きな悩みであることには変わりないが、そのトレンドはさらに強まっている結果となっており、EC事業者が熾烈な競争のもと、日々の業務を行っていることが裏付けられる結果となっている。