株式会社エルテックスは、「企業と消費者のおすすめコミュニケーションツール2018」を公開。同社が定期的に行っている独自調査「通信販売業関与者の実態調査2018年版」から企業と消費者のコミュニケーションツールに特化した分析を行っている。

この分析内容から一部を紹介する。

 

<参考>

EC/通販事業者の56.7%がAIが集客に影響を及ぼすと考えている

 

 

 

現時点で利用されているツール2トップはEメールとサイト

顧客とのコミュニケーションツールにおいて調査結果から明らかとなったのは、「Eメール」「サイト」が中心となっているものの、旧来の機器「電話」や「DM(紙メディア)」は利用比率が低くなっていることだ。

調査では、「支払いの督促」「セール・キャンペーン」などといった6つのシーンを用意し、利用している方法を複数回答可で質問している。この結果、現状利用しているトップ2のツールは、「メール」「サイト」であり、6つのシーンでほぼ同じ傾向となっている。一方、この2つのツールを除くと6シーン中5つは電話やDM/カタログ同梱といった旧来型のツールを抑えてSMSを使っている比率が高い結果となった。

 

さらに「今後使ってみたいツール」に関しても「メール」と「サイト」がトップ2になったものの、前年よりも利用意向の数値は減少している。一方、上昇したのがSMSとSNSだ。また、6つのシーン中5つでSMSがSNSを上回っていた。

SMSを利用しているという回答からその理由を抽出したところ、「電話番号はメールアドレスに比べて変更が少ないため、顧客にとどけやすいから」という回答が約7割にも達している。SMSで送ることができる文字数は主要キャリアで70文字(全角)、半角英数文字の場合160文字などと限られているが、逆に読まれやすいという側面をもつ。スマートフォンであれば、短縮のURLなどを入れておけばタップするだけでサイトへの誘導ができるなど、様々な可能性を含んだツールだといえる。

 

第3のコミュニケーションツールとして注目されるSMS

調査結果から、店舗を持たないEC・通販業者のビジネスにおける企業と消費者のコミュニケーションツールは、Eメールやサイト上での告知(マイページなども含む)が現時点では主流となっている。だが、既存のツールである「電話、DM(印刷物)」や新興の「SNS」などを抑え、ショートメッセージ(SMS)が第3のツールとして期待値が高まっている様子が伺われた。

また、SMSが期待される5つの理由として以下のことが挙げられている。

1.届きやすい(MMPにより変更に少ないのでメンテナンスの手間が少ない)

2.開封率が高い(メールと比較すると受信件数が少ない)

3.到達率が高い(迷惑フィルター等で除外されにくい)

4.ほとんどの携帯電話に到達する(SNSと異なりアプリのインストールは不要)

5.迷惑メールがあまり来ない(通信費用が必要なため)

このことから、EC・通販業者以外に顧客とのリレーションを重んじるすべての企業や顧客にとって、SMSは利用価値の高いツールだと考えられる。

 

今回の分析内容から、SMSの現時点での利用率はトップでないものの、メッセージを届けるうえでの確実性と開封率の高さを備えている点で、期待のツールである事がわかる。メールの場合ならば、顧客は所謂”捨てアド”を利用している可能性もあり、容易に登録してもらいやすい宛て先ではあるものの、確実に読んでもらえる可能性は低くなる。電話番号という顧客にとって重要度の高い個人情報に宛てて送られてくるメッセージが読まれやすいというのは、なるほど、うなずける結果だろう。