株式会社エルテックスは、「第11回通信販売レポート Part2」を公開。「通信販売事業関与の実態調査2018」を基に作成されており、8月に公開された第11回通信販売レポートPart1 に続くレポートだ。
<参考>
EC/通販事業者の悩み事、「商品開発」が5年で23.4%増加
Part1では、「EC/通販事業者の悩み事・困りこと」や、「通信支援ソフトやサービス導入時の重視点」「EC/通販事業者のビジネス課題」について明らかとなったが、今回のPart2ではEC/通販事業者の「スマホ対応」や「使ってみたいコミュニケーションツール」、「AIが事業にもたらす影響」に関する、EC/通販事業者たちの考えが明らかになっている。
EC/通販事業者によるスマホ対応は年々増加傾向に
電車に乗れば、スマートフォンを眺める人々。今や当たり前の光景だ。スマホの普及により、とりわけ若者を中心にスマートフォンからECサイト・アプリで商品を購入する人は増加している。
EC/通販事業者のスマホへの対応に関して質問したところ、EC事業者のスマホ対応も年々進んでいることがわかった。
さらに、スマートフォンへの対応済みかつ課題がないとの回答は15.8%と前年比で4.5%の増加だ。事業者やソリューション提供側もスマートフォンへの対応に手慣れてきていることが伺える。また、回答内容を年商別でみると、年商50億円以上の事業者の16.7%が「スマホ対応済み・課題は無い」と回答している一方、50億円未満の事業者の全てが10%未満という結果であった。
EC/通販事業者が注目するコミュニケーションツールは「Eメール」と「ニュースやマイページの活用」
EC/通販の運営上、販売促進の視点からは「セールやキャンペーンのお知らせ」、深刻なものとしては「支払いの督促」など、ユーザーとのコミュニケーションは様々なシーンで発生する。
調査の結果、全てのシーンでコミュニケーションツールとして最も利用が多かったのは「Eメール」で「サイト(ニュースやマイページの活用)」で、用途別にみても全てのシチュエーションにおいて他のツールよりも利用されていることが分かる。
スマートフォンや、携帯電話用の「ショートメッセージ」に関しては、「支払いの督促」の場合以外、全てのシーンで「電話」や「DM・カタログ同梱」といった旧来型のツールを上回っている。
また、「今後使いたいコミュニケーションツール」を複数回答で尋ねたところ、現在利用しているツール同様「Eメール」と「サイト」が2トップとして挙がったものの、利用意向の数値は減少し、「ショートメッセージ」と「SNS」の数値が上昇していた。とりわけ、ショートメッセージに関して2017年の調査結果と比べると、「支払いの督促」「休業(のお知らせ)」「サイトの更新」「メンテナンス(のお知らせ)」の4項目において利用意向の増加がみられた。
EC/通販事業者の56.7%がAIが集客に影響を及ぼすと考えている
AIや技術革新が今後の産業構造や労働形態にも影響を及ぼすといった話題が増加している。このような中で、ECや通販事業者がAIが影響を及ぼしうると考える業務に関する質問を行った。
この結果、最も多くの回答を得たのは「集客」(56.7%)で、「マーケティング」(51.3%)、「販売手法」(43.7%)が続いている。とりわけ、「集客」は9.4%、「CRM」は9.3%のスコア上昇がみられた。
同様の質問は2016年にも実施しており、2年前と比べると全ての項目でスコアが増加している。AIスピーカーの普及など、その存在が身近になったことが背景に考えられる。
今回の調査より、EC/通販事業者によるスマホへの対応は年々進んでいるものの、年商50億円以下の事業者は対応したものの課題が残っているという事業者が多かった。また、ユーザーとのコミュニケーションツールとして、EメールとWebサイトが2トップとして挙がったが、利用意向に関してはショートメッセージやSNSがポイントを挙げていた。とりわけショートメッセージの利用意向が昨年よりも増加した「支払いの督促」「休業(のお知らせ)」「サイトの更新」「メンテナンス(のお知らせ)」は確実にユーザーに届けたい内容だ。今や電話やDMよりもショートメッセージの方が確実に確認してもらえるという背景が伺える。