英国の消費者の75%は、大部分の小売業者に対して「自分たちの興味を理解していない」と感じており、パーソナライズされた適切なコミュニケーションの欠如が、ブランドに損害を与えていることがわかった。

 

AI(人工知能)搭載マーケティングプラットフォームOmetriaの依頼を受け、英国の調査コンサルタント会社Censuswideが英国内の1,006人を調査した結果によると、興味深いことに、より関連性の高いマーケティング情報を受け取るためであれば52%が個人情報の提供を厭わないことがわかった。

女性は、男性より個人データを提供する傾向が強く(58%)、28%はパーソナライズされたオファーを受け取ったときに、「とても価値が高い」と感じているという(男性はそれぞれ46%と19%)。

このCensuswideの行なった調査では、消費者の45%は、企業からのコンタクト手段として最も好ましい方法はe メールであると回答。続いて、24%がFacebookと回答したという。しかし、小売業者は「一般的なメールや一斉メールを送信する」という既成概念にとらわれず、慎重に考えなければならない。というのも、53%が“パーソナライズされた”プロモーションや特典を受け取った際に、「価値がある顧客として評価されていると感じる」と述べており、一方で、企業に対しロイヤルティを示しているにも拘らず、特別待遇を受けない場合は、61%がメールを「迷惑だ」と感じるのだという。

 

OmetriaのCEO、Ivan Mazour氏は「英国のECサイトASOSMade.comのような小売業者は、効果的なパーソナライゼーション手法を採用して、確実にそれぞれの顧客に関連性の高いメッセージを送付し、数多くの素晴らしい顧客体験を得られるようにしている。しかし、多くの小売業者は、非常に忠実な買い物客に対してさえも、『一般的な内容の一斉メールを送信する』というコミュニケーションに依存していることは明らかだ」と語る。

さらに同氏は次のように加える。「調査では、消費者の間で、大量の一斉送信型コミュニケーションに対する抵抗感が増しているということがわかった。パーソナライゼーション戦略合戦の上位にいる小売業者が設定したレベルに合わせて、顧客の期待度は増しており、興味のない商品に関するマーケティングメッセージを読む忍耐力は低下している。今回の調査結果は時代の変化を反映している。オーディエンスへのリーチに苦戦している小売業者は、今こそ、顧客とのコミュニケーションを変えるべきであることを証明しているのだ」。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の9/18公開の記事を翻訳・補足したものです。