Jacob Baadsgaard氏がランディングページ担当者に向けた新しいランディングページの作成と評価に確実に役立つ15の質問のリストを紹介していく。
ランディングページは、ほぼ全てのオンラインマーケティングキャンペーンにおいて、重要な部分を占める。広告内のリンクをクリックした後に表示されるランディングページは、自社のターゲットオーディエンスと実際の広告コンテンツ内容との整合性を保つのに非常に効果的な役割を果たすのだ。
ランディングページをテストし、調整し、改良する方法についての多くの素晴らしい記事が公開されているが、残念ながらこれらのヒントやテクニックが全てのページで機能するわけではない。さらに複雑なことに、新しいランディングページを制作する際に、どこから取り組むべきかを判断することは難しい。
- 憶測のみで進めるべきだろうか?
- 1つのページを編集し、うまく機能することを願うべきか?
- 最善を尽くしてページを作成し、ある程度のデータを取得した後に改善すべきだろうか?
- 複数のページを作成して、初日からテストを開始するべきか?
これらは、どれも選ぶことのできる選択肢だ。しかし、不適切なランディングページの問題を解決する迄の期間に、多くのコンバージョンとセールスを逃すことになる可能性があるため、最初から適切なランディングページを制作するべく、最大限の努力をする価値があるのだ。
そこで、全てのマーケティング担当者がランディングページを公開する前に、自問すべき15の質問のリストを作成した。ランディングページは完璧ではない可能性もあるが、すべての質問に「はい」と回答することができれば、きっと良い結果をもたらすに十分な準備ができているだろう。
1.アバブ・ザ・フォールド(画面をスクロールしないで閲覧可能な画面領域)にて提供する体験は、広告内容と一貫性があるか?
ユーザーは、広告をみて、ランディングページへの期待を抱く。(例えば)広告では「個人向け傷害サービス」を宣伝しているにも拘わらず、ランディングページの内容が「離婚訴訟」である場合、サイトへアクセスしたユーザーの期待にそうことはできず、にわかに混乱を招くだろう。これではランディングページでユーザーをコンバージョンに繋げることは難しい。
そうではなく、ランディングページのコンテンツは、ページへ誘導する広告内容と合致していなければならない。広告が、ユーザーにどのような見え方をし、何を期待させているか。さらに、どのようなユーザー層をターゲットとしているか。広告を掲載しているプラットフォームが何であるかということを、常に考慮しなければならない。広告からランディングページへ遷移がシームレスになればなるほど、ユーザーのページ滞在時間が長くなり、コンバージョンに繋がる可能性も上がる。
2.ヘッドラインは、自社のビジネスや(と)提供するオファーを明確に示しているか?
適切なヘッドラインを使用することは、広告とランディングページの一貫性を確立する最も簡単な方法の1つである。ユーザーは、ランディングページが自分の期待通りの内容であるかどうかを確認するために、まずヘッドラインを読む。そのヘッドラインが、自社のビジネスと提供するオファーの内容を明示していることが理想である。
重要なことは、勢いを維持し、信頼を深めるヘッドラインを作成することである。つまりヘッドラインを明確、かつ簡潔にし、最初にユーザーに広告内のリンクをクリックするよう誘導したメッセージングにフォーカスするべきである。
3.ヘッドラインとサブタイトルで、価値提案ができているか?
優れたヘッドラインとサブタイトルによって、潜在顧客に対し、説得力のある価値提案をする必要がある。ユーザーをページに滞在させ、最終的にコンバージョンに結びつけるためには、ページを閲覧し、オファーを検討すべきメリットをユーザーに明確に伝えなければならない。
最善の方法は、ヘッドラインやサブタイトルによって、自社のビジネスやオファーが潜在顧客の生活をどのように豊かにするかという点にフォーカスすることである。つまり、「業界をリードするソフトウェア」のような一般的な表現ではなく、「貴社の売上を倍増させるセールスソフトウェア」といったような(具体的な)表現の方が効果的である。
4.CTA(コールトゥアクション)は、速やかにアクションを起こせるようわかりやすく設置されているか?
ランディングページの本来の目的は、関心を持った潜在顧客に行動を起こさせることである。つまりランディングページをうまく機能させるためには、次の段階を明確に提示する必要がある。アバブ・ザ・フォールドにCTAを設置し、直接的にコンバージョンに誘導するケースもあるだろう。また、アバブ・ザ・フォールドに設置したCTAから、ページ下部のコンテンツに読み進めさせるケースもあるだろう。
さらに、CTAを対比色で表示したり、目立つ場所に配置したりして際立たせる方法は、多くのケースに有効である。ユーザーが、コンバージョンへの経路上の次のステップを辿りやすいよう明確に表示することにより、より効果的にコンバージョンに誘導することができる。
5.CTAは明示されているか?
効果的な CTAのほとんどは、ある意味投資のようなものである。すべての投資と同様、CTAは一種のリスクを伴うものだ。そのため、ユーザーに対し、コンタクト情報の提供を要求したり、課金したりする場合は、ユーザーがその見返りに何を得ることができるのかを明確に提示する必要がある。
ページに設置したボタンのコピー部分でもいいし、登録フォームの冒頭部分でも構わない。ユーザーが提供するものと引き換えに、何を得るのかを正確に説明することが、一般的には最善の方法である。そうすればユーザーは、引き換えに何を得るのかを理解し、さらに企業が要求するものを提供するモチベーションが上がるだろう。
6.不要なリンクを設置していないか?
自社のホームページとは異なり、ランディングページでは、ユーザーがアクセスした理由と経路を正確に把握することが可能だ。それによりユーザーが求めるコンテンツを提供することができるようになり、ユーザーを他のページに誘導する必要は全くなくなるはずである。つまり、他のサイトやソーシャルメディアの自社プロフィールページなどへの不要なリンクを配することは、ランディングページの本来の目的からユーザーの気を散らせるだけである。本来の目的がコンバージョンであることを、忘れてはならない。
7.注意をそらす要素はないか?
ユーザーに、自社について、または提供するオファーについて、多くの情報を伝えたいと思うかもしれない。しかし、過度の情報や画像は潜在顧客を混乱させ、ページに滞在する気を削ぐ可能性がある。重要なことは、ランディングページの目的は、ユーザーを購買顧客へ変えるための次のステップに進めることである。ユーザーを、コンバージョンに繋げる次のステップへ誘導するための重要な要素でないものは、恐らくランディングページには必要ないものなのだ。
8.コピーは、顧客にとって大切なことにフォーカスできているか?
多くの企業は、自社のビジネスやオファーがどれほど優れているかという点にフォーカスしたランディングページを制作するという過ちを犯しがちである。重要なことは、潜在顧客は、「自社がどれほど優れているかという企業の自負」には興味がなく、「企業が彼らに何ができるか」という点に関心があるのだ。
つまり、なぜ自社が偉大であるかではなく、自社の製品やサービスが潜在顧客にどのように役立つかにフォーカスすることが非常に重要である。どのようにして、潜在顧客の生活をより豊かにするのか?他社ではなく、自社から購入することの価値は何であるか?これらの質問に納得できる答えを提供することができれば、コンバージョンを獲得できる可能性はさらに高くなるだろう。
9.「お客様からの声」に説得力や関連性があるか?
「お客様からの声」を正しく活用できれば、限りなく効果的である。しかし使用方法を間違えた場合は、自社のビジネスの信頼を損ねることになる。これは、サードパーティのウェブサイトでも、ランディングページでも同じことである。
ランディングページでは、どのような顧客からの声をページに採用するかを、企業自身が決定できるという利点がある。しかし、既に潜在顧客はそのことを知っているため、ランディングページで紹介する「お客様の声」には、より説得力を持たせる必要がある。効果的な「お客様の声」は、自社とそのビジネス(理想的には、そのオファーも)に合致したものであり、信頼性の高い、検証可能なソースを利用すべきなのだ。
10.入力フォームの各項目は本当に必要か?
前述のように、CTAは潜在顧客のリスクの程度を表している。ユーザーに対して要求する項目が少ないほど、ユーザーはリスクが低いと認識するだろう。したがって、ランディングページが位置する購買ファネルの段階では、特に潜在顧客の情報を取得する必要がなければ、提供を求めるべきではない。
11.ページタイトルをつけているか?
ページタイトルは比較的単純なものと考えられるかもしれないが、評判の良いウェブサイトやランディングページのほとんどには、ページタイトルが付いている。人間の脳は、矛盾を危険と関連付けるように設計されており、ランディングページのタブにページタイトルが表示されない場合、ユーザーは直ちにビジネスの正当性について疑いを抱くようになるだろう。
12.きちんと校正されているか?
理想的には、ランディングページは、潜在顧客が簡単に最後まで閲覧できる設計となっていることが望ましい。もしページ訪問者が、ページの意図や、単語のスペルミス、間違った文法などに頭をひねらなければならないとすれば、彼らに警戒心を抱かせることになるだろう。ランディングページで何かの間違いを見つけると、ページ内で主張しているすべてのことに対し疑問を持つようになるのは必然的なことだ。
その結果、そのサイトで販売している商品を「そもそも買うべきかどうか」と疑問に思い始める可能性が著しく高くなる。それは、非常に不利益である。
したがって、プロフェッショナルなランディングページを制作するだけでなく、校正(特に、第三者による校正)を実施することにより、ランディングページの全体的なパフォーマンスを向上させることができる。その結果、コンテンツを読み進める際にユーザーが自身で考える必要がなくなるほど、宣伝メッセージは効果的に作用し、コンバーションを獲得できる可能性が高くなる。
13.全てのフォームとボタンは検証済みか?
当たり前のことだが、どんなに説得力のあるページでも、実際にコンバージョンを獲得できなければ価値はない。ページ上のボタンやフォーム、ページインテグレーションや他のインタラクティブ要素に変更を加えるときは、常に、プロセス全体を再検証する必要がある。ページを公開する前に、見込み客の情報入力項目が適切に配置されているか、ボタンが機能しているか、リンクは正しいページに貼られているかを確認しなければならない。
14.モバイル最適化が完了しているか?
現在では、多くの人が「モバイルデバイス」でランディングページを閲覧すると想定するべきである。デスクトップフレンドリーと、モバイルフレンドリーバージョンの2つのページをデザインするのは大変だろう。しかし、現在の社会では、これは受け入れなければならない現実である。
15.顧客に、「自分に合っている」と感じさせているか?
消費者がマーケティングおよび購買ファネルを移行する際には、常に「これは、私に合っているか?」と自問している。言い換えれば、潜在顧客は、自分自身やそのニーズに合ったビジネスやオファーを探しているということだ。
本記事ではこの点について何度か触れてきたが、非常に重要な事項であり、ここで再度言及する価値がある。もし、販売する商品やサービスが、消費者自身や彼らのニーズに合致していると説得できれば、コンバージョンを獲得することは非常に容易くなる。
ホームページでは、サイト訪問者が誰であるか、アクセスした動機は何であるかを正確に知ることはできないので、説得することは困難だ。しかし、ランディングページは違う。ランディングページでは、誰をページにアクセスさせるかをコントロールすることができるのだ。ターゲティングと一致し、興味を持って広告メッセージをクリックしたユーザーのみがランディングページを閲覧するため、パーソナライズしたエクスペリエンス提供することが可能なのである。
結論
10年以上にわたるランディングページの構築と検証を行った結果、前述の15の項目が新しく公開するランディングページの品質を評価するうえで最適な方法であることがわかった。15の質問リストに対し「はい」と答えることができれば、そのランディングページはまだ完璧ではないかもしれないものの、オンラインマーケティングキャンペーン第1日目から、優れた役割を果たすだろう。時間をかけて検証し改良することは可能であるが、基本はすべて15の質問リストの項目に集約されているのだ。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の8/16公開の記事を翻訳・補足したものです。