収益性の高いビジネスの構築は、簡単なことではない。サイトがい通りに表示され、機能するオンラインショップをデザインし、多くのチャネルで宣伝し、日常的に多くのトラフィックを得ることは、まだ可能だ。

しかし、オンラインショップを訪問した人が、必ずしも購入するわけではない。

 

実際には、オンラインショップを立ち上げ運営を始めてから、本当の意味での仕事が始まるのだ。そこにはeコマースのコンバージョンを急上昇させ、より多くの売上を生み出するヒントがある。

 

1.まず信頼を構築する

サイトにアクセスするすべての人が、購入サイクルのコンバージョンにつながる段階にいるわけではない。実際にはサイトを訪れるのは初めてで、購入をためらう人もいるかもしれない。だからこそ、少しづつであっても「信頼の確立」をすることは、購入サイクルの初期段階にいるサイト訪問者が購入決定に至る決め手になるのだ。

信頼を築く最も効果的な方法の1つは、サイトの訪問者にEメールアドレスの入力を促すといった簡単なことから始める。この方法は米国のスポーツ用品メーカーNikeが採用している。

 

 

連絡先情報を提供してもらうのに十分な信頼を獲得し、後にEメールでキャンペーン情報を送ることによって、そのサイトから購入するか迷っている人を後押しし、「一度試してみよう」という気にさせることができる。

 

2.高品質の画像を使う

オンラインショッピングをする人は、ショップの画像を参考に購入を決める。(オンラインショッピングでは)どうしても物理的に製品を観たり、触れたりすることができない。しかしお金を払う価値があるかどうかを顧客が知りたいと思っているのは確かだ。

 

例えば、スウェーデンの家具量販店Ikeaは、この問題を回避するために、買い物客への「商品の見せ方」で素晴らしい取り組みをしている。

 

 

Ikeaのように高品質画像を活用することにより、売り上げを伸ばすことができるのだ。画像は、詳細を確認するのに十分な大きさで、鮮明なものを使用する。また、画像を補足するわかりやすい説明をつけることだ。

 

3.リスクを排除する

さらに、オンラインでの購入を敬遠する一般的な理由は、「似合わないかもしれない」、「期待通りでないかもしれない」、「配送途中で壊れるかもしれない」などのさまざまな懸念事項である。

これらのリスクを排除することにより、サイトから購入する可能性が高まるのだ。例えば、無料での簡単な返品手続きや、無料配送、製品保証などが良い例である。可能であれば、手間のかからない自社の実店舗への返品も可能にすべきだ。

 

 

ドイツのファッションブランドHugo Bossのような成功したオンラインショップも参考になる。すべてを送料無料で販売するだけでなく、返品も無料で受け付けているのだ。

顧客は、購入に際してリスクを伴わないことを必ずありがたく思うはずだ。

 

4.ソーシャルプルーフ(社会的証明)を追加する

顧客が何かを購入する際には、価格に関係なく、以前に同様のものを購入した人が商品やサービスに満足しているかを知りたいと思うものだ。

オンラインストアに、ソーシャルプルーフを追加することは、コンバージョンを高めるための優れた戦略である。それは、購入に値する信頼できるオンラインストアを構築するのに役立つだけでなく、どっちつかずの顧客に思い切って購入を決心させるのである。

英国のマーケティング会社BrightLocalの地域消費者レビュー調査によると、実に、84%の消費者が、直接的に商品やサービスをお勧めされた場合と同じくらいオンラインでのレビューや口コミを参考にしているという。

例えば、ビジネススクール(経営学大学院)は、現代の起業家を支援するため設立されている。しかし、多くのコースは高額で、いんちきのようなものであると言われている。

その中でMarie Forleo氏は、過去に受講し成功を収めた顧客がいかにコースに満足しているか、という証言を掲載するという正当なアプローチを採用している。

 

 

さらに、彼女は有名人の推薦コメントを掲載し、コースへの信頼性を高めている。

 

 

ソーシャルプルーフは、以下のような様々な方法でオンラインショップに追加できる。

・お客様の声

・ユーザーレビュー

・有名人の推薦

・ケーススタディ

・星数による評価

・ユーザー数

・マスコミ報道実績

・公的機関の認定実績

・ソーシャルメディアによるシェア数

 

実行しなければならないことは、ターゲット層に関連が高いソーシャルプルーフのタイプを選び、コンバージョンを上げるために有利に活用することだけである。

 

5.簡単な決済プロセスを提供すること

現在世界最大のeコマース企業の一つであるAmazonは、各オンラインストアのオーナーに少なくともいくつかのことを教えてくれる。Amazonほどの規模でないオンラインショップも、Amazonには参考にできるポイントがある。その運営方法は効率的で、売上高を増やすのに役立つ方法であるからだ。

例えば、決済段階で多くの買い物客が離脱するのは、予想外の配送料やアカウント作成の要求、セキュリティ関連などが理由である。最も注目すべきなのは、決済プロセスが煩雑なことだ。

確かにオンラインショップでは、避けようと努力しても決済プロセスで複数のステップが必要な場合がある。しかし、可能な限りそれを簡素化することは、未決済状態でのカートの放棄を減らす方法である。

再びAmazonのワンクリック決済の方法を参照する。

 

 

同社は、ワンクリック決済を望まない買い物客に対しては、複数のステップを簡単に理解でき、進められるようにしているので、顧客は安心して代金を支払うことができる。

 

 

Amazonでは、顧客が(購入までの)どのステップにいるのか、残りのステップがどれくらいあるのかを把握できるように、「プログレスバー」で表示している方法にも注目してほしい。

以上が、オンラインショップを最適化し、コンバージョンと売上を増加させる5つの素早く簡単な方法である。

 

何を売っても、どう宣伝しても、ショップへ多くのトラフィックがあったとしても、結局誰も買わなければ意味がないのである。できるだけ多くの利益を生み出し、ビジネスを構築し続けるために、時間をかけこれらの技を適用してほしい。

 

※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の5/1公開の記事を翻訳・補足したものです。